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green は「青」か「緑」か
「青」と「緑」は、日本語の言葉としてはどこか曖昧で、blue というよりむしろ green の場合が多いですね。
「信号機の色は青ではなく緑だ」と、おそらく誰もが思ってるにもかかわらず「青信号」です。「青 緑」はもはや日本の文化なのかも。
「赤・青・緑」など、色を使った英語表現はまさに色々。とりあえず、有名どころの「赤」から見ていきましょう。
red の意味
red は頭に血がのぼった状態、「怒り」「羞恥」などを連想させます。go/turn red(赤面する)は、怒りや羞恥で顔が赤くなった状態です。
red の前に very などの語が付く場合もあり。
- red:
「激怒した」「恥ずかしい」
- He turned red and started yelling at me.
(彼は顔を真っ赤にして私に怒鳴り始めた) - He stammered something and went very red in the face.
(彼は言葉を詰まらせ、顔を真っ赤にした) - Ben went bright red with embarrassment.
(ベンは恥ずかしさで真っ赤になった) - I knew how angry he was because he'd gone bright red.
(彼は真っ赤になっていたので、どれほど怒っているか分かった)
see red(激怒する)
see red の直訳は「赤を見る」。「我を忘れるほどの怒りが湧く」の意味です。
- People who don't finish a job really make me see red.
(仕事を終わらせない人は本当に腹が立つ) - The corruption in government is making voters see red.
(政府の腐敗は有権者を激怒させている) - I see red when anyone disrespects my wife.
(妻が見下されると、私は激怒する) - Whenever I think of the needless destruction of trees, I see red.
(不必要に破壊される木々のことを考えると腹が立つ)
see red の由来
20世紀初頭から知られているフレーズで、闘牛士が赤い布を振って牛を興奮させることに由来するとされます。
ただ、実際牛は色が見えないため、布の赤色に反応しているのではなく、布の揺れに反応するのだそう。
ということは、赤以外の布を振っても、雄牛は興奮して向かってくる…?
他に考えられる語源として、昔のアメリカの表現「see the things red(物事が赤いのを見る)」のアレンジではないかとも言われます。
血が騒ぎ怒り出す高ぶった感情の状態を暗示していて、「red mist(赤い霧)」とも呼ばれるものです。
red mist(極度の怒り)
red mist が見えたり降りてきたりするのは、「激怒した興奮状態」の時。まさに、目の前に赤い霧が立ち込めているような感覚でしょう。
実際怒りや興奮で頭に血が上ることにより、体がよろめいたり、視覚障害を起こしたりもします。体に良い状態ではありません。
日本語だと「血管がブチ切れる」といったところ。主にイギリス英語で、単数形で使われます。
- A red mist descended and he punched the other player in the face.
(赤い霧が降りてきて、彼は他の選手の顔面を殴った) - The old red mist came down and I was temporarily out of control.
(古い赤い霧が降りてきて、私は一時的に制御不能になった) - Once he sees the red mist, you had better get out of his way.
(彼が赤い霧が見たら、彼の邪魔にならないようにしたほうがいい) - Violence suddenly seemed to colour the air between them, a red mist igniting.
(突然彼らの間に暴力の色が広がり、赤い霧が燃え上がった)
green の意味
日本語では、青は「青春」「青田買い」「青二才」など「未熟」を示します。
もっとも「青」は「緑」のことなので、英語では green が「若くて未熟な」というニュアンスです。
「未熟」はネガティブな含みより、「フレッシュな」「元気な」「若々しい」といったポジティブなイメージ。
他に、「(吐きそうで)体調が悪い」ことを示したり、植物や環境保護に関連した用法もあります。go green は、「環境に優しくなる」。
- green:
「未熟な」「体調が悪い」「植物や環境保護に関連した」
- The new trainees are still very green.
(新しい研修生たちはまだとても未熟だ) - I was pretty green when I joined this company.
(この会社に入った時、私はかなり未熟だった) - He was green after his boat trip.
(彼は船旅の後、体調が悪かった) - The pressure is mounting on small companies to go green.
(中小企業に対して環境に配慮するよう圧力が高まっている)
green banana とは?
- I don't buy green bananas.
(青いバナナは買わない)
これは、実際にバナナを買うことを言ってるのではなく、比ゆ表現のイディオムです。青いバナナは熟れるまで待たないといけません。
「そんなに待てないので買わない」、すなわち「利益や成果が出るのに時間がかかるものには手を出さない」という意味です。
特に「高齢のため、今更新しいことに着手するのは無理だ」と言いたい時などによく使われます。
- "You should take up a hobby now that you're retired, Grandma! Learn a new language or something!"
「おばあちゃん、退職したんだし趣味を始めるべきよ! 新しい言語か何か学んだら!」
"Ah, no, I'm at the point in my life that I don't buy green bananas anymore."
「いいえ、もう青いバナナは買えない歳よ」 - I'm nearly 90, I don't buy green bananas.
(私はもうすぐ90歳なので、青いバナナは買わない)
blue の意味
次に、blue。blue は「(寒さで)青ざめた」や「憂うつな」「気落ちして」など、ネガティブな意味がパッと浮かぶんじゃないでしょうか。
さらに、「高貴な」だったり、セクシャルなものを表す時にも blue を使ったりします。
- blue:
「青ざめた」「憂うつな」「気落ちした」「高貴な」「セクシャルな」
また、複合語にもなります。たとえば、blue-collar は「肉体労働者(の)」。男性の一般的な作業シャツの色に由来しているとか。
ちなみに、collar [kɑ́lər] は「衣服の襟」で、color [kʌ́lər](色)と似ているけれど、発音が微妙に違います。
blue-chip は「優良の」「一流の」。ポーカーからきた言葉で、高額なチップを指したようです。blue は意味が多い!
- He's been a bit blue since she left him.
(彼女が去ってから彼は少し落ち込んでいる) - I don't know what's wrong ― I just feel blue.
(何が悪いのか分からない。ただ気分が落ち込んでいる) - Her hands were blue with cold.
(彼女の手は寒さで真っ青だった) - I have blue Mondays all the time.
(月曜日はいつも憂うつだ)
blue in the face(くたくたになって)
blue を使ったイディオムも多数です。
blue in the face は、怒りや緊張、あるいは大きな労働をして疲れ果てた状態です。文字通り「疲弊した青白い顔」。
「until+主語+be動詞 blue in the face」の形で「くたくたになるまで」の意味でしばしば用いられます。
- I argued with them until I was blue in the face.
(彼らと議論して精魂尽き果てた) - I laughed until I was blue in the face.
(私はくたくたになるまで笑った) - You're blue in the face from trying to get Terry to change his mind.
(あなたはテリーの考えを変えさせようと必死だ) - You can tell her to clean her room until you are blue in the face, but she won't do it.
(彼女に部屋を掃除するようにいくら言っても、彼女はやらないだろう)
into the blue(はるか遠くへ)
「青の中へ」とは?? 意味不明で、ハテナマークが飛び交いそうです。
vanish(突然消える)や disappear(消え失せる)などの動詞を伴って「跡形もなく消える」という使い方です。
語源ははっきりしませんが、into the blue の the blue は「天空」を連想させます。「空のかなたへ」「誰も知らない遥か遠くへ」消えていくイメージでしょう。
- The brutal dictatorship was so mercilessly efficient that anyone who stood up against it soon vanished into the blue.
(残忍な独裁体制は容赦なく効率的で、それに立ち向かう者はすぐに姿が消えた) - They seem to have disappeared into the blue.
(彼らは忽然と消えたように見える) - I have no idea where my keys have gone. They seem to have disappeared into the blue!
(鍵がどこに行ったのか全く分からない。跡形もなく消えてしまったようだ) - He spontaneously took a trip into the blue.
(彼は自発的にどことも知らないところへ旅立った)
out of the blue(予期せず)
out of the blue は「予期せず」「思いがけず」。into the blue が忽然といなくなるのに対して、out of the blue は突然に何かが発生することです。
out of a clear blue sky(晴れた青空から)の省略形で、空から突然落ちて来るイメージです。
a bolt from the blue というイディオムもあり。直訳すれば「青空からの稲妻」。
bolt は bolt of lightning(稲妻)の意味なので、日本語の「青天の霹靂」そのままですね。
- She seemed so surprised by the news that it must have come out of the blue.
(彼女はその知らせにとても驚いているようだったので、青天の霹靂だったに違いない) - Out of the blue, a solicitor's letter arrived.
(突然、事務弁護士の手紙が届いた) - One day, out of the blue, she announced that she was leaving.
(ある日突然彼女は辞めると告げた) - My old roommate called me out of the blue.
(昔のルームメイトが突然電話をかけてきた)
blue murder とは?
scream blue murder(大声を上げる)
イギリス英語で、scream blue murder(大声で叫ぶ)という、これまた不思議なイディオムがあります。直訳すると「青い殺人を叫ぶ」??
特に「(何かに対して怒りや不平を示して)声を張り上げる」ことです。動詞は cry(叫ぶ)/ yell(大声を上げる)などでもOK。
- Our customers will scream blue murder if we raise the prices again.
(再値上げをすれば、顧客は大声で文句を言うだろう) - People are screaming blue murder about the amount of traffic going through their town.
(街を通る交通量の多さに人々は不満の声を上げている) - He'll scream blue murder if he doesn't get his way.
(彼は自分の思い通りにならないと大声で叫ぶ) - She screamed blue murder as he came at her.
(彼が近づいてくると彼女は大声で叫んだ)
にしても、blue murder の blue は、一体どこから来たのでしょう。
アメリカ英語だと、blue の代わりに bloody を使って scream bloody murder になります。blue と bloody は「青」と「赤」で正反対なのに…。
scream blue murder の由来
もとをたどると、フランス語の mort Dieu(神の死)に由来すると考えられます。
Dieu(神)の婉曲表現として、bleu(青い)が使われていて、そのまま訳せば mort bleu は「青い死」。
さらに mort bleu(青い死)は、morbleu(「ちくしょう」という罵り言葉)に転じました。morbleu は、Goddamnit / God damn it と同様の意味。
こういった変遷を経て、scream blue murder は「神の死を叫ぶ」 「罵りの声を上げる」になったのでしょう。
bloody も「血の」「血だらけの」の他、俗語で「いまいましい」気持ちを表す罵り言葉です。
get away with (blue) murder(罰から逃れる)
get away with (blue) murder は直訳すると、「殺人に関して罰を受けずに逃げる」「(何をしても罰されず)好きなようにする」。
「殺人を犯す」といっても、たいていはあくまで比ゆ表現です。blue は省略されることがほとんど。
- You can't get away with murder.
(殺人の罰から逃れることはできない) - He's so charming that he really does get away with murder.
(彼はとても魅力的なので本当に殺人を犯しても罰せられない) - She lets those kids get away with murder.
(彼女は子供たちに好きなようにさせている) - You will spoil your son if you let him get away with murder.
(何をしても許せばあなたは息子を甘やかすことになる)
get away with blue murder の由来
由来については、面白い説があります。
blue blood は「(高貴な血筋の)貴族」のことなので、blue murder は「貴族を殺すこと」と解釈できます。
貴族を殺せば、平民を殺すより遥かに逃げ切るのが難しく、罰されず免れるのは非常にまれ。
万一逃げきれたら、とんでもなく「強運」「幸運」なわけで、そこから「何をしても、とがめられない(罰されない)」、すなわち「好き勝手をする」という意味になったのだとか。
また、blue は blue funk(落ち込み)、blue blazes(地獄)のように、特に意味がない強意語として用いられます。
blue murder も単にそういった強調表現ではないか、という意見もあり。
結局のところ、はっきりしたことは分かっていません。
まとめ
おすすめの洋書
『クリスマスの思い出』は、『ティファニーで朝食を』のトルーマン・カポーティの短編小説です。
おばあさんと老犬と少年のクリスマスの情景で、とてもほんわかした気分になり、ラスト辺りでは涙がこぼれます。優しいイノセントな世界と残酷な現実。
私が読んだのは真夏だったけれど、クリスマス気分に浸れました。おすすめの一冊です。
(引用・参照元:The Free Dictionary, Oxford Learner's Dictionaries, Cambridge Dictionary, The Phrase Finder, Online Etymology Dictionary, Wiktionary, Fun Trivia, LDOCE)