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数字の「3」はどんな意味?
日本語のことわざでは、数字の3はたくさん使われてますね。「仏の顔も三度」「三度目の正直」「三人寄れば文殊の知恵」などなど。
英語でも、3は特別な意味を持っているようです。たとえば、キリスト教の「三位一体」は the (Holy) Trinity。
Father(父)と Son(子)と Holy Spirit(精霊)が神として結合するという教理で、tri- は「3」を意味する接頭辞です。
「三すくみ」の英語
「三すくみ」は簡単に言えば、「三者が互いにけん制し合って身動きが取れない状態」のこと。
英語では、three-way standoff、three-way deadlock などいろいろあって、日本語のように「これ」という言葉がないようです。
three-way は「三者間の」。standoff は「こう着状態」、deadlock も「行き詰まり」「こう着状態」を示します。
Mexican standoff
わりとよく聞くのが、Mexican standoff ではないでしょうか。
これはアメリカの俗語で、Wikipediaによると、
「自分が攻撃を開始すれば、自分も攻撃されて助からない。かといって、武器を引っ込めればすかさず攻撃される」と考え、誰も動けない状態を指す言葉
特に三者間に限定したものではないけれど、「三すくみ」の意味で使われることも多いです。
- Mexican standoff(こう着状態)
- I think the situation will be a bit of a Mexican standoff.
(状況は少しこう着状態になると思う) - This is going to be a Mexican standoff relationship.
(これはメキシカン・スタンドオフの関係になるだろう)
もとは米墨戦争(1846~1848年のアメリカとメキシコの戦争)、または19世紀の戦後のメキシコの盗賊を指しているといわれます。
メキシコの盗賊は、公平な戦いから逃げる傾向があったとか。印刷物で最初に出てきたのは、次のようなメキシコに関する短編小説です。
"We will call it a stand-off, a Mexican stand-off, you lose your money, but you save your life!"
「それをにらみ合いと呼ぶだろう。メキシカン・スタンドオフだ。金は失うが、命は助かる!」Sunday Mercury (1876)
当時メキシコの盗賊に遭遇したアメリカ人の認識だったり、アメリカとメキシコの歴史的背景から来ている様子。
侮辱的、差別的と感じることもあるため、Mexican は付けないほうが無難でしょう。
「三度目の正直」の英語
the third time is the charm
「三度目の正直」は、「何かに対して2回失敗しても、3回目は成功するかもしれない」ということわざです。
英語も同様の認識らしく、the third time is the charm という格言があります。直訳は「三度目は魅力」。
charm には「魔法の力を持つ言葉や行為」の意味もあるので、なんだかちょっとファンタジック? 他に、third time lucky(三度目の幸運)とも言います。
- The third time is the charm.
(三度目は魅力) - third time lucky
(三度目の幸運)
- He hopes that the third time is the charm.
(彼は3回目でうまくいくことを願っている) - If the third time is the charm, prepare to be charmed when Thursday’s report is released at 8:30 am.
(三度目の正直なら、木曜日のレポートが午前8時30分に発表される時に喜ぶ準備をしてください)
English Language & Usage Stack Exchange によると、どうやらこのフレーズはイギリス起源だそう。
"but you know the third time's the charm ― take care the next."
「しかし、3回目は幸運です。次は気をつけて」The Cabinet Album (1830)
third time lucky のほうも、やはりイギリスの古典に表記あり。
"Third time's lucky, now again,"
「3度目の正直、さてもう一度」The Port Admiral (1833)
イギリス人にとって、数字の3は幸運を意味したとか。
おそらく、これらのフレーズの大元は、シェイクスピアの『ウィンザーの陽気な女房たち』にあるのではないかとのこと。
this is the third time; I hope good luck lies in odd numbers.
「今回で3回目。奇数には幸運が宿るといいのだけど」The Merry Wives of Windsor (1602)
ただ、由来についてはいろいろな説が飛び交っていて、「キリスト教の三位一体」に関連しているとも言われます。
また、イギリスの古い法律で「死刑囚を絞首刑にする際、3度失敗したらその死刑囚を釈放する」というものがあり、そこから「三度目の幸運」になった、など。
今では、the third time is the charm より、third time lucky の言い方のほうが現代的で人気があるようです。
「二度あることは三度ある」の英語
what happens twice
「二度あることは三度ある」も、意味は反対ながら、これも真理。
英語では what happens twice, happens thrice、what happens twice happens three times といった表現になります。
thrice [θráis] は文語で「3回」。「二度起こることは三度起こる」です。
- What happens twice, happens thrice.
(二度起こることは三度起こる) - What happens twice happens three times.
(二度起こることは三度起こる)
このことわざは、ブラジルの小説家パウロ・コエーリョ(Paulo Coelho)の言葉から来ているそう。
"Everything that happens once can never happen twice. But everything that happens twice will surely happen a third time."
「一度起こったことは二度と起こらない。しかし、二度起こったことは必ず三度起こる」Paulo Coelho
「3」を使った英語フレーズ
「三度」は幸運など良い意味を示すだけではなく、悪い意味になったりもします。
「仏の顔も三度」は「仏の顔も三度撫ずれば腹立つ」を短くしたもの。温厚な人でも、我慢の限界があることを示す表現です。
英語では、
- You can only go so far.
(そこまでしか行けない) - Even the patience of a saint has limits.
(聖人の忍耐にも限度がある)
など、これまたいろいろあるものの、特に3回という回数ではないですね。
three-strikes law
three-strikes law(三振法)はアメリカの州の法律のひとつで、「重罪または暴力犯罪で3度目の有罪判決を受けた場合、終身刑を宣告される可能性がある」というもの。
仮に犯罪自体の刑期が短く済むような場合でも、それが3度目なら終身刑になり得ます。野球の「三振」が名称の由来。
言ってみれば、「仏の顔も三度」なのかもしれません。
- three strikes law(三振法)
- They could put you away for a crime like this under the three-strike law.
(こんな犯罪でもきみは三振法で刑務所に入れられるかもしれない)
as phony as a three-dollar bill
phony [fóuni] は口語で「偽物の」「いんちきの」。(as) phony as a three-dollar bill は「3ドル札と同じくらいいんちきだ」です。
主にアメリカで使われるフレーズで、3ドル紙幣がアメリカで流通したことはありません。すなわち、まったくの偽物。
- (as) phony as a three-dollar bill
(まったくの偽物だ)
- The senator's hammed-up, teary-eyed speech was as phony as a three-dollar bill, if you ask me.
(私に言わせれば、上院議員のわざとらしい涙ぐんだ演説は完全な偽物だった) - Stay away from him. He’s phony as a three-dollar bill.
(彼から離れろ。彼はまったくの偽物だ)
three is a crowd
two's company, three's a crowd は、直訳だと「2人は仲間、3人は群衆」ということわざです。「2人ならよく、3人だとうまくいかない」。
仲の良い2人の間に別の1人が加わると、気まずさや居心地の悪さを感じることを言います。確かにそうかもですが、お互いの関係にもよるんじゃないでしょうか。
- two's company, three's a crowd
(2人では仲良し、3人では気まずい)
- I won't join you ― three's a crowd.
(あなたたちと一緒には行かない。3人だと多いよ) - "Do you want to come with us?" "I don’t think so. Two’s company."
(「一緒に来ない?」「いや、2人でどうぞ」) - The new boy moved into the neighborhood and started hanging out with John and his best friend — two's company, but three's a crowd.
(新しい男の子が近所に引っ越してきて、ジョンと彼の親友と付き合い始めた。2人はよくても、3人は気まずい)
まとめ
ことわざも、まったく反対の事を言うものが多々あって、世渡り上手 物事の見方は1つじゃなく、多面的なんだなと思います。
楽しめる英語学習誌
英語学習は、楽しんでこそ。無理に高い目標を定めるのではなく、まずは楽しめるものを探してください。
多聴多読マガジン
ちょっと変わった視点からの面白い英語学習誌です。テーマ選びが独特で、学習要素もりもり。特にオタク気質の方は確実に刺さります(私のように笑)。
「話す」というアウトプットに積極的に取り組んでいる英語学習誌は少ないと思います。英語講座を利用せずに、学習誌で学びたい方に特にお勧めです。
CNN ENGLISH EXPRESS
CNNはアメリカのニュース専門チャンネルで、昔からの有名どころ。
英語ニュースのテキスト化と完全な対訳と注釈付きという、結構珍しい雑誌です。
英語自体は単語など固いものもあるけれど、注釈や解説が充実しているので、初級者の方も置いてきぼりにされることはありません。
TOEICや英検のために活用する人も多数で、試験対策にも。
(引用・参照元: Wikipedia, Cambridge Dictionary, Collins Dictionary, The Free Dictionary, Merriam-Webster, English Language & Usage Stack Exchange, The Idioms, The Free Dictionary)