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「I'm through」 とは? 「通り抜けて」 だけじゃない through の意味

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through の意味は 「~を通して」 だけじゃない

 

形容詞の through?

ノーマルのエイ
「スルーする」って言葉があるけど、その「スルー」?
ノーマルのソウ
そう。「通り抜けて」の意味から来てる

through は、「(~を)通り抜けて」「(~を)通って」という前置詞や副詞の用法がよく知られてます。「スルーする」は、そこから「受け流す」になったようですね。

形容詞の through は「直行できる」「直通の」の意味。この場合、名詞を修飾します。

さらに、特にアメリカ英語で、「(人との関係や仕事などが)終わって」「価値がなくなって」の意味でも使われます。

この時は、through は名詞の前に来ません。いわゆる「叙述用法」。

ちなみに、through の発音は [θruː]、throw(投げる)の過去形の threw も [θrúː] です。

 

  • 形容詞の through:
    1. 「直行できる」「直通の」 名詞の前に付く限定用法
    2. 「終わって」 名詞の前に付かない叙述用法

 

「直行できる」

妨げられることなく一方から他方へ移動できたり、乗り換えることなく移動できることを示します。名詞に付く使い方のみ。

throughの限定用法

  • It's not a through road so it's quite quiet.
    (直通道路ではないのでとても静かだ)
  • The original through road is still in existence at the top and the bottom of the picture.
    (写真の上部と下部には元の貫通道路がまだ残っている)
  • We finished the trip on a through train, drinking white wine and eating crisps.
    (私たちは直通列車に乗って白ワインを飲みポテトチップスを食べながら旅を終えた)
  • The through route sign-posting will shortly be complete.
    (直通ルートの標識設置はまもなく完了する)

 

「終わって」

人との関係が終わった時、何かが完了した時、用途がなくなった時など。主語は「人」でも「物事」でもOK。「何が」終わったのか言う場合は、with表せます。

"I'm through." なら「私は終わった」。「何が」終わったのか、状況から明らかな場合は、わざわざ with を付けなくてもよいでしょう。

  • Are you through with that newspaper?
    (その新聞は読み終わった?)
  • I'm through with women.
    (女性とは縁を切った)
  • Todd and I are through.
    (トッドと私は終わった)
  • Training as a counsellor would guarantee her employment once her schooling was through.
    (彼女は学校を卒業した後、カウンセラーとして働くことで就職が保証されるだろう)
  • That swimmer is through as an athlete.
    (あの水泳選手はアスリートとして終わりだ)

 

thorough と through

怒りのエイ
これ、綴りの間違いじゃないの?
目閉じのソウ
形容詞で thorough という語は、実際にある

thorough [θə́ːrou] は、through ととてもよく似た単語です。

thorough の意味は、行動などが「完全な」「徹底的な」、人などが「注意深く慎重な」。through の「直行して」とちょっと似てますね。

実際、初期近代英語まで、through と thorough は明確に区別されなかったそう。

 

  • thorough:形容詞
    1. 「完全な」「徹底的な」
    2. 「注意深く慎重な」
  • The police carried out a thorough investigation.
    (警察は徹底的な捜査を行った)
  • You will need a thorough understanding of the subject.
    (主題について徹底的に理解する必要がある)
  • The screening of applicants must be thorough.
    (応募者の審査は慎重でなければならない)
  • She's very thorough and conscientious.
    (彼女は非常に慎重で良心的だ)

 

副詞の through

ざっくり言えば、through の後に何も続かなければ副詞、名詞が続く時が前置詞です。副詞と前置詞は大体同じ意味で使うものの、異なる部分もやはりあります。

go through(通り抜ける)、cut through(通過する)など、動詞とセットになったものが多いです。

 

  • 副詞の through:
    1. 「通り抜けて」「乗り越えて」
    2. 「直通して」「直行して」
    3. 「完全に」

 

「通り抜けて」

  • Put the coffee in the filter and let the water run through.
    (フィルターにコーヒーを入れて水を流します)
  • I expect I'll struggle through until payday.
    (給料日まで苦労することになると思う)

 

be/get through は、試験や競技などで成功を収めた時に、「乗り越えて」 「(成功して)次の段階に進んで」の意味でも使われます。

through は、be動詞の後に来る時、副詞扱いだったり形容詞扱いだったりで曖昧です。その辺は、無理に区別する必要はありません。

  • She's through to the next round of interviews.
    (彼女は面接の次の段階に進んだ)
  • If we win this match, we'll be through to the quarter-finals.
    (この試合に勝てば準々決勝に進出できる)
  • They got through to the finals.
    (彼らは決勝に進出した)

 

「直行して」

  • This train goes straight through to York.
    (この列車はヨークまで直通する)
  • "Did you stop in Oxford on the way?" "No, we drove straight through."
    (「途中でオックスフォードに立ち寄った?」「いいえ、まっすぐ直行した)

 

「完全に」

意味は「完全に」「徹底的に」。ここで、上で挙げた thorough(徹底的な)が思い出されますね。thorough は形容詞だけど…。

また、through and through は「徹底的に」というイディオムです。

  • We got wet through.
    (ずぶ濡れになった)
  • My mother is Irish through and through.
    (私の母は根っからのアイルランド人だ)
  • The idea warmed her through and through.
    (その考えは彼女の心を温かくした)

 

前置詞の through

「through+名詞」の形になるものが前置詞です。「何を」通り抜けるのか、副詞では示されなかったりするのですが、前置詞だとはっきりしています。

横目のソウ
前置詞では「~を通り抜けて」の意味が基本
困りのエイ
かなり無理矢理っぽいけどね

 

  • 前置詞の through:
    1. 「~を通り抜けて」
    2. 「~によって」
    3. 「~まで含めて」

 

「~を通り抜けて」

「一方の端からもう片方の端へ」移動することだったり、「何かを越えて」といったニュアンスです。

  • He will not live through the night.
    (彼は一晩中は生きないだろう)
  • The burglar got in through the window.
    (泥棒は窓から侵入した)
  • The bullet went straight through him.
    (弾丸が彼を真っ直ぐ貫いた)
  • First I have to get through the exams.
    (まず試験に合格しなければならない)
  • I couldn't hear their conversation through the wall.
    (壁越しに彼らの会話は聞こえなかった)

 

「~によって」

一見すると、これまでとまったく別の意味のように感じるかもしれません。でもよくよく見ると、これまでの through の意味がちゃんと残ってます。

 

何かの「結果」として

「~によって」というのは、意味が2つあります。まずは、「何かの結果として」。もっと言えば、「何らかの出来事があり、それを通り抜けた後に」です。

「何かの経験を通り抜けた後に」 「何かの結果として」 「~によって」。

  • You can only achieve success through hard work.
    (成功は努力によってのみ達成できる)
  • The accident happened through no fault of mine.
    (事故は私のせいではない)
  • The company lost the order through production delays.
    (会社は生産の遅れにより注文を失った)

 

何かの「方法」で

2つめは、「何らかの手段や方法で」。「物事や人を使って」を意味します。「それらを使うことを通して」と考えると、腑に落ちるのではないでしょうか。

「それらを使うことを通して」 「それらの方法で」 「~によって」。

  • It was through him that I got the job.
    (彼を通じて仕事を得た)
  • I got my car through my brother who works in a garage.
    (ガレージで働く兄を通じて車を手に入れた)
  • We sold the bike through advertising in the local paper.
    (地元の新聞に広告を出して自転車を販売した)
  • She met her husband through a dating agency.
    (彼女は結婚相談所を通じて夫と出会った)

throughの「~によって」の意味

 

「~まで含めて」

これは「端から端へ」の意味です。片方の終端を示し、「A through B」の形で「AからBまで」

「初めから終わりまで」を表すアメリカ英語で、イギリス英語だと from~to/till… を使います。through の場合、from という前置詞は不要です。

 

  • ~ through …:
    1. 「~から…まで」
  • We'll be in New York Tuesday through Friday.
    (火曜日から金曜日までニューヨークにいる)
  • The office is open Monday through Friday, 9 am – 5 pm.
    (オフィスの営業時間は月曜日から金曜日の午前9時から午後5時までだ)
  • Answer questions 8 through 12.
    (質問8~12に答えてください)

 

まとめ

形容詞の through の「終わって」の意味も、「途中のあれやこれやを通り抜けて終端に到達した」と考えられるのではないでしょうか。

 

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少しでも理解の助けになれたら幸いです。お読みいただき、ありがとうございました。

(引用・参照元: Oxford Learner's Dictionaries, The Free Dictionary, Cambridge Dictionary, Collins Dictionaries, LDOCE, Online Etymology Dictionary)