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「3匹のこぶた」 のその後はどうなった? おもしろ英語動画

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おもしろ英語動画

 

『3匹のこぶた』の英語

横目のソウ
『3匹のこぶた』の話は知ってるか?
ノーマルのエイ
知ってるけど、突然何?
目閉じのソウ
日本では幾分やわらかくアレンジされてるが、もとはなかなか残酷だ

本当は残酷なおとぎ話

グリム童話は、本当は結構残酷だというのは知られています。『シンデレラ』しかり、『赤ずきん』しかり。

『3匹のこぶた』も、一番目と二番目の子ぶたはオオカミに食べられてしまい、三番目の子ぶたは逆にオオカミを鍋で煮て食べてしまいます。

そこら辺を現代の世界感で表現したのが、イギリスのニュース誌『The Guardian』のCM動画(約2分)。かなり以前のものですが、とても秀逸です。

内容の面白さが伝わるように、動画の聴き取りポイントと英語フレーズを挙げながら見てみます。

 

 

ちゃんと3匹そろっているので、お兄ちゃんたちはオオカミに家を吹き飛ばされた後、生きていて、末っ子の家に避難したバージョンと思われます。

 

Little pig! Little pig! Let me in!

動画は、3匹の子ぶたたちの家に警官隊が乱入してくるというショッキングな場面から始まります。原作と同じような台詞を言って、家に押し入る警官隊。

Little pig! Little pig! Let us see!
(子ぶたちゃん、子ぶたちゃん、私たちに見せて!)

 

聴き取りポイント
  • The third little pig is now being taken into custody.
    (三番目の子ぶたが今逮捕されるところです)

take~into custody は「~を保護する」「~を拘留する」。

 

get what 人 deserve(自業自得だ)

オオカミが生きたまま茹でられたことに対し、警察が動いたようです。子ぶたたちの逮捕に関して、世論はいろいろ。以下のようなSNS投稿も流れてきます。

The wolf blew down two houses, he got what he deserved.
(オオカミは2件の家を吹き飛ばした。自業自得だ)

 

deserve は「~の価値がある」「~を受けるに値する」なので、get what 人 deserve の直訳は「(人が)受けるに値するものを得る」

「良いことを受けるにふさわしい」というポジティブな意味の場合もありますが、「自分の罪に見合った罰を受ける」、すなわち「当然の報いを受ける」「自業自得だ」のようにも使われます。

get が過去形の got なら、deserve も過去形。また、deserve what's coming to と言っても同じです。

  • He did wrong, and he got what he deserved.
    (彼は悪いことをしたのだから、自業自得だ)
  • I hope those crooks get what they deserve.
    (あの詐欺師たちが当然の報いを受けることを願っている)
  • Let's just say they deserve what's coming to them.
    (自業自得と言っておこう)

 

go too far(やり過ぎる)

子ぶたたちの行為を、是とする意見もあれば、否とする意見もあり。

The pigs went too far.
(ぶたたちは、やり過ぎだ)

 

go too far は「度を超す」「やり過ぎる」。「遠くへ行き過ぎる」の比喩的な表現です。

  • I didn't mind at first, but now you've gone too far.
    (最初は気にしなかったが、今はやり過ぎだよ)
  • He's always been quite crude, but this time he's gone too far.
    (彼はいつもかなり粗暴だが、今回はやり過ぎだ)
  • His jokes are funny, but sometimes he goes too far.
    (彼のジョークは面白いが、時々行き過ぎる)

 

chinny chin chin!

『3匹の子ぶた』で、レンガの家の子ぶたは「中に入れて」と言うオオカミに “Not by the hair of my chinny chin chin!”(あごひげほども、やだよ)と返します。

chinny-chin-chin は、特に意味はなく、chin(あご)の音を重ねて面白く表現したもの。それと掛けて、SNSにはこんな励ましの投稿もアップされました。

Keep your chinny chin chins up fellas.
(みんな、元気を出せ)

 

chin up(元気を出す)

chin up は「あごを上げる」から転じて「元気を出す」というイディオムです。

chin upkeep one's chin up は、相手が悲しんだり落胆している時、励ましの言葉として使われます。

fellafellow(仲間の人)の俗語で、複数の fellas は 「みんな」という呼びかけ。

  • Chin up! Things will get better soon.
    (元気を出して! 状況はすぐに良くなるよ)
  • Chin up! It'll soon be the weekend.
    (元気を出して! もうすぐ週末だ)
  • Keep your chin up, honey — tomorrow's another day.
    (元気を出して、明日はまた別の日だ)
困りのエイ
まあ、正当防衛っていっても難しいところだよね
横目のソウ
ところが、やがて意外な事実が判明する

huff and puff

実は、オオカミは吸入器(inhaler)を使用していたことが明らかになりました。オオカミは喘息(asthma)を患っていたという記事が『ガーディアン』に載ります。

 

聴き取りポイント
  • The wolf had asthma, so what's the truth about the pigs' houses being blown down ― inside job.
    (オオカミは喘息持ちだった。なら、ぶたたちの家が吹き飛ばされたことについての真実は、内部犯行だ)

inside job は「内部の者による犯行」。

 

聴き取りポイント
  • There's no reason why those two houses, one made from straw the other from wood, should have collapsed. Not even a healty wolf's huff and puff could bring them down.
    (一方はわらの家で、他方は木の家。その2つが倒壊す理由がない。健康なオオカミでさえ、息を吹いて壊すことはできないだろう)

 

ひとつずつ見ていくと、there's no reason why「~の理由がない」「~のわけがない」

There's no reason why those two houses should have collapsed という文に、one 以下で those two houses についての説明が挿入されています。

one~the other…「ひとつは~で、もうひとつは…」。何かが2つある場合、片方が one だとすれば、もう1つは必然的に the other です。

not even は「~さえない」。息で吹き飛ばせるはずがないという、童話から離れた非常に現実的な結論に至りました。

 

huff and puff(不平を言う)

原作で、オオカミは “Then I'll huff and I'll puff and I'll blow your house down.”(それなら、ひと吹きでおまえの家を吹き飛ばしてやる)と言います。

huff は「怒ったり苛ついた気分で息を吐く」、puff は「短く息を吐く」。

huff and puff はイディオムにもなってます。意味は、「疲れてゼイゼイハアハアと息をする」、または「声高に不平不満を言う」

  • He came up the stairs huffing and puffing.
    (彼はハアハア言いながら階段を上がってきた)
  • They huffed and puffed about the price but eventually they paid up.
    (彼らは値段について不平を言ったが、最終的には支払った)
  • After much huffing and puffing, he finally agreed to help.
    (たいそう不平を言った後、彼はついに手伝うことに同意した)

 

bring down(打ち倒す)

これはちょっと意味が想像しづらいかもしれません。bring は「持ってくる」として、それに down が付くと?

bring down の意味はたくさんあるものの、基本のイメージは「何かを高い位置から低い位置へ持ってくる」こと。

そこから「失墜させる」「着陸させる」「(値段を)下げさせる」「落胆させる」「撃ち落とす」「打ち倒す」などなど、数多くのパターンで使われます。

  • The scandal may bring down the government.
    (スキャンダルは政府を崩壊させるかもしれない)
  • That tower is so strong that no wind could bring it down.
    (あの塔はとても頑丈で、どんな風でも倒れない)
  • During the war he had brought down countless enemy planes.
    (戦争中、彼は数え切れないほどの敵機を撃墜した)

 

keep up with(滞納しない)

 

聴き取りポイント
  • The three little pigs have confessed to conspiring to commit insurance fraud, framing the wolf in an attempt to cover their tracks. Their motive was financial as they struggle to keep up with thier mortgage repayments.
    (3匹の子ぶたは、保険金詐欺の共謀を自白しました。自分たちの痕跡を消そうとして、オオカミに罪を着せたのです。彼らの動機は、住宅ローンの返済で苦しいという経済的なものでした)

 

insurance fraud は「保険金詐欺」。frame は「枠」「フレーム」という名詞もあるけれど、ここでは動詞で「(人に)罪を着せる」

in an attempt to は「~しようとして」。

keep up with「遅れずについていく」「連絡を取り続ける」の他に、こんなふうに「(支払いなどを)滞納しない」の意味があります。

mortgage repayment は「住宅ローンの返済」なので、「定期的に支払いを続ける」ということです。

  • If you do not keep up with the payments you could lose your home.
    (支払いを怠れば家を失うかもしれない)
怒りのエイ
あくど過ぎない? 被害者から加害者に変わるやつ。ってか、犯罪者じゃん
目閉じのソウ
まだ続きがある。最後のどんでん返しだ

ぶたは有罪判決を受けたものの、同じようにローンの返済に苦しむ人々の共感を呼びました。

The banks made the pigs do it!
(銀行がぶたにそうさせた)

Riots spark reform debate.
(暴動が改革論議の火付け役になる)

 

世論は暴動へと発展し、ついには。議会も動かざるを得なくなるという着地点です。まさに、ジェットコースターのような展開。

たった2分の動画中に、これだけのものを詰め込んでるのは凄い。

The True Story of the Three Little Pigs

The True Story of the Three Little Pigs

  • 作者:Scieszka, Jon
  • オオカミの視点の『3匹のこぶた』のストーリー。
Amazon

 

まとめ

『The Guardian』はイギリスの大手日刊新聞で、一部の記事はWEBで無料で読めます。

BBCはイギリスの公共放送局で、CNNはアメリカのニュース専門チャンネル。どちらも有名どころです。

CNNに関しては、英語ニュースを文字化したテキストと、完全な対訳と注釈付きの英語雑誌が出ているので、活用してみてください。

CNN ENGLISH EXPRESS

CNN ENGLISH EXPRESS

発行日: 月刊(毎月6日)

英語の難易度:
内容の面白さ:
お勧めレベル:初心者・中級者・上級者

(引用・参照元: Oxford Learner's Dictionaries, The Free Dictionary, Cambridge Dictionary)