any 「どんな~でも」 と some 「何らかの~」 の意外な用法?

当サイトはアフィリエイト広告を利用しています。

肯定文でのanyとsomeの意味の違い「どんな~でも」と「何らかの~」

 

「どんな~でも」の any

any と some については、本館サイト「anyとsomeの用法を底の底まで徹底的に深掘り」でも取り上げました。

が、ちょっと煩雑になってしまったので、ここでは、any を「どんな~でも」、some を「何らかの~」の意味に絞って見てみます。

 

any+単数名詞

any は「いくつかの」の意味では、「any+複数名詞」ですね。対して、「どんな~でも」なら、通常any+単数名詞」です。

it does not matter which(どの~でも構わない)の意味。

  • Any dog likes meat.
    (どんな犬も肉が好きだ)
  • Any teacher will tell you that students learn at different rates.
    (どんな先生でも、生徒の学習速度は違うと言うだろう)
  • You can call XXX for any information about the courses.
    (コースに関する情報については、XXX までお電話ください)
    ※ any+不可算名詞

2番目の例文の「どんな先生でも」というのは、「先生のうちの誰か一人」ということ。

any が単数扱いになる理由としては、「どれでもいいうちのどれか一つ」ととらえれば分かりやすいと思います。

怒りのエイ
それって、無理矢理じゃない? たまたま、その先生が変わり者だっただけかもしれない
横目のソウ
犬は肉が好き、というのはいいのか?
困りのエイ
だって、それが一般的だし
目閉じのソウ
any は、不特定の一つを抜き出して全体とみなす。正確に「ひとつひとつ全部」と示したいなら、every にすればいい

 

<疑問文で使えるか?>

「どんな~でも」の any は、肯定文で使われることが一般的ですね。でも、肯定文でしか使えないわけじゃありません。

疑問文では、「何らかの~」と訳すほうが自然でしょう。

  • Do we have any form of agreement with new staff when they start?
    (新しいスタッフが入社する時に、何らかの合意書を交わしますか?)

上の例文は、any が「いくつかの」の意味なら、any forms となるはず。any form と単数形ということは、「どんな~でも」です。

 

<否定文で使えるか?>

こうなると、なんだか否定文もイケそうな気がしてきませんか?

ところが、「どんな~もない」というのは、もはや「いくつかの」の意味の時と同じです。なので、ムダな区別はしないでおきましょう。

  • There weren’t any technical problems.
    (技術的な問題は何もなかった)
  • I haven’t got any pens.
    (何もペンを持っていない)
  • I go to church for weddings but not for any other reason.
    (結婚式のために教会に行くが、他の理由は何もない)
  • I never had any book.
    (何も本を持っていなかった)
    ※「ただのひとつも」と強調する場合、単数形を取ることがある

 

<not just any とは?>

また、not just any+単数名詞 は、どれでも一緒なわけでなく「ただの~ではない」「それは特別だ」と言いたい時の強調表現です。

  • It isn't just any day ― it's my birthday!
    (どんな日とも同じじゃない。私の誕生日だ!)
  • Use olive oil. Not just any olive oil.
    (オリーブオイルを使用してください。ただのオリーブオイルではありません)
  • Microsoft was not just any software developer.
    (マイクロソフトはただのソフトウェア開発会社ではなかった)
  • any+単数名詞
    • 肯定文 「どんな~でも」
    • 疑問文 「何らかの~」
    • 否定文 ※「いくつかの」の意味の時と同じ。not just any は「ただの~ではない」

 

any+複数名詞

「どんな~でも」の場合、たいてい any は単数名詞に付く…とはいえ、実は 「複数名詞」に付いたりもします。

では、every については、というと…。

意味こそ似ているものの、every は「ひとつひとつ全体」をまとめて一つのものとして見るのに対し、any は不特定の「個々」の一つを取り出しているだけです。

そのため、every は any と違って、複数名詞を取りません。

  • We could choose any colors we wanted.
    (どれでも好きな色を選べた)
    ※ any color と単数形のほうが普通
  • you can take any clothes you like.
    (どれでも好きな服を取っていい)
    ※ clothes(衣服)は、複数形の不可算名詞
  • I can't have this apple, but I like any other apples.
    (このリンゴは食べられないが、他のどんなリンゴも好きだ)
  • They know their rights like any other customers.
    (彼らは他の顧客と同様に自分の権利を知っている)

 

<疑問文・否定文で使えるか?>

「どんな~でも」の疑問文や否定文は、「いくつかの」の用法と同じ意味になるので、区別は不要です。

  • any+複数名詞
    • 肯定文 「どんな~でも」
    • 疑問文 ※「いくつかの」の意味の時と同じ
    • 否定文 ※「いくつかの」の意味の時と同じ

 

「何らかの~」の some

some+単数名詞

some も数量を表す「いくつかの」の他に、不特定のものを指す「何らかの」という意味があります。

「何らかの~」と訳すより「(中には)~もある」としたほうが自然かもしれません。こちらも、原則some+単数名詞」です。

  • Some lucky person will win more than $1,000,000 in the competition.
    (コンテストで1,000,000ドル以上を勝ち取る幸運な人もいる)
  • Some idiot's locked the door!
    (誰かのバカがドアに鍵をかけた!)
  • There must be some way of opening this printer.
    (このプリンタを開く何らかの方法があるはずだ)
  • I’m looking for some advice.
    (何らかのアドバイスを探している)
    ※ advice は不可算名詞
ノーマルのソウ
不特定のものを指す点では any と同じ。any は「どれでも」だが、some は「或る」
  • Any man will object.
    (誰でも異議を唱えるだろう)
  • Some man will object.
    (誰かが異議を唱えるだろう)

 

<疑問文で使えるか?>

基本的に、some は肯定文で使います。疑問文では any を使うのが普通。

ただ、肯定的な返答を期待する時は、疑問文でも使われます。それだけ覚えておけばOKです。

  • Can you give me some idea of the cost?
    (費用の目安を教えてもらえますか?)
  • Can you give me some advice on where to buy good maps?
    (良い地図をどこで購入すればよいかアドバイスをもらえますか?)
  • Could you give me some idea of when the construction work will finish?
    (工事がいつ終わるのか教えてもらえますか?)

 

<否定文で使えるか?>

some+単数名詞(何らかの)を否定文にすると「何も~ない」。すなわち、not some は使えず、not any の形になります。

  • some+単数名詞
    • 肯定文 「何らかの~」
    • 疑問文 ※ 肯定的な返事を期待する場合
    • 否定文

 

some+複数名詞

困りのエイ
「何らかの」の some には複数名詞は付けられないの?
目閉じのソウ
…というか、複数名詞では「いくつかの」の時と意味の違いが曖昧になる。わざわざ区別する必要はないだろ

some の場合、複数名詞が後ろに続くと、「一部の」の意味です。

こうなると、すでに「何らかの」ではなく「一部の」「いくつかの」の意味になってしまいます。なので、以下はざっくりと。

  • Some people find this more difficult than others.
    (これが他の人よりも難しいと感じる人もいる)
  • Some trees lose their leaves in the autumn.
    (秋には葉を落とす木もある)

 

<疑問文・否定文で使えるか?>

肯定の返事を期待する場合なら、疑問文もあり。

また、否定文でも「一部(だけ)は~ない」、すなわち「いくらかはある」ことを示す場合は、some が使われます。

  • Didn't you borrow some books of mine?
    (私の本を何冊か借りませんでしたか?)
  • I’m not keen on some types of fish. I find plaice a bit tasteless.
    (苦手な魚もある。カレイは少し味気なく感じる)
  • Some people never seem to put on weight while others are always on a diet.
    (まったく太らない人もいれば、いつもダイエットしている人もいる)
  • some+複数名詞
    • 肯定文・疑問文・否定文 ※「いくつかの」の意味の時と同じ

 

まとめ

any と some は掘り下げ始めると、ドツボにはまります。でも調べていくと、なかなか深くて面白いですよ。

 

AIと英会話レッスン

AIと英会話練習【スピークエル】

昨今、AIの発展は目を見張るものがありますね。まだまだ人力と比較すると精度は荒いけれど、何より使っていて楽しい。

「スピークエル」は人間の講師ではなく、AIとの英会話レッスンアプリです。

音声込みでAIと英語チャットができるサイトは他にもあるものの、英会話練習に焦点を当てたものになってます。

しっかり英語力をアップしたいという人にはちょっと不向きかもですが、「ゆるくお手軽に英会話を楽しみたい」「AIに興味がある」という人にお勧めです。

スマホで話せるAI英会話【スピークバディ】

こちらもAIと英会話レッスンできるスマホアプリです。ストーリー仕立てのスキットの中で会話していく形式で、ゲーム感覚で遊べ…ではなく学習できます。

イラストのAIもかわいいし、スキットが800以上あって、スピーキング力のレベル判定ができるなど、学習アプリとしてとても優秀。楽しく学べるのが何よりです。

300万ダウンロードで評価も上々。今後、こういったAIアプリがどんどん増えて来そうですね。

 

(引用・参照元: Oxford Learner's Dictionaries, The Free Dictionary, LDOCE, Cambridge Dictionary, リーダーズ英和辞典)