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if only と only if の違い
前回の記事『if の意味は「条件」や「仮定」だけじゃない 事実を表す if』で、if の用法を分類しました。
今回は、イディオムに焦点を当ててみます。まずは、if only。
if only は仮定法
- If only you were here.
(あなたがいてくれるだけでいいのに)
この if は従属節のはずなのに、肝心の主節がありません。省略されています。
if節の動詞が were になっている時点で、理由は明白ですね。
if only は、I wish that~(~ならいいのに)と同じく、事実と違う願望を言う仮定法です。「ただ~さえすれば(いいのにの意味。
上の例文だと「あなたがいてくれるだけでいいのに、実際あなたはいない」状況を示します。
また if は仮にも接続詞なので、I wish that と異なり、従属節を付加することもできます。
- if only I had gone by taxi.
(ただタクシーで行っていればよかったのに) - if only I had left the house 10 minutes earlier, I would have gotten to the store before they closed.
(あと10分早く家を出てさえいれば、閉店前に店に行けたのに)
「if 主語+had 過去分詞, 主語+would+have 過去分詞」は、典型的な仮定法過去完了形の体裁です。
if節の動詞は、現在のことを言うなら「過去形」、過去のことなら「had+過去分詞」になります。
- if only:
- If only 主語+過去形 「ただ~でさえあれば」 仮定法過去
- If only 主語+had+過去分詞 「ただ~でさえあったなら」 仮定法過去完了
only if は限定条件
では、only if はどうでしょう。
- Only if you are here, will I be happy.
(あなたがここにいてくれる時だけ、私は幸せだろう)
only if は「~する場合に限り」という限定条件を表します。only が if節全体にかかって、「仮に~が起こった場合にのみ」という限定的な意味です。
こちらは、仮定法ではありません。仮定法ではないため、動詞も普通の if の使い方と同じです。
でも、主節の中で、主語と動詞の位置が入れ替わってますね。
only if の場合、(メンドくさいことに)俗に言う「倒置」が主節中で起こります。
never(決して~ない)、hardly(ほとんど~ない)、rarely(めったに~ない)、little(ほとんど~ない)など、もろもろの「準否定語」が文の最初に来ると、倒置が起こるという文法上のお約束です。
only は「~だけ」という意味で一見否定語っぽくないけれど、「~だけ」は「~しかない」と同義なので、「準否定語」とみなされます。
- Only if a teacher has given permission is a student allowed to leave the room.
(教師が許可した場合に限り、生徒は教室を出てよい) - Only if the red light comes on is there any danger to employees.
(ランプが点灯した場合のみ、従業員に危険がある)
- only if:
- If only 主語+動詞, 動詞+主語 「ただ~の場合にだけ」 主節の側で主語と動詞の倒置が起こる
ただし、倒置にならないケースもあります。
- This video is entertaining in many ways; but only if you are old enough to get the joke.
(このビデオはいろいろな意味で面白い。ジョークを理解できる年齢であればの話だが) - only if your imagination had been surgically excised.
(あなたの想像力が外科的に切除された場合に限って)
ひとつめの例文は、主節が先に来ています。only if節が文頭に来なければ、倒置は起こりません。2つめの例文は、主節そのものがないため、倒置は起きようがありません。
「あれ?」と、ここでまた新たな疑問点が出てきます。
2つめの例文で、「only if 主語+had 過去分詞」になってるってことは、もしかして仮定法過去完了では?
仮定的な限定条件
はい、その通り。only if であっても、if節の仮定法と考え方は同じです。現実には起こらなかった限定条件なら、仮定法になります。
- Only if we all saw with the same eyes would the crowd know best.
(大衆がよく知るのは、皆が同じ目で見ている場合だけだ) - Only if pressed would he speak of his war years.
(戦時中のことを話すのは、強要された時だけだ)
2番目の例文では、only if pressed がif節なのですが、主語が省略されてます。補うと、only if they pressed him か、only if he were pressed。
上の例文は2つとも、直接法で言うこともできるけれど、仮定法だと「現実にはありそうにない(難しい)」感がマシマシです。
主節がない what if
if は従属節を導くため、通常は主節が必要ですが、if only などのように、主節がない用法もあります。
もう1つ、主節を伴わない代表例は what if でしょう。
what if は「もし~なら?」
- What if aliens did exist?
(もし宇宙人が存在したらどうする?) - What if the car breaks down?
(もし車が故障したらどうする?)
what if~? は、what will / would happen if~? の短縮形で、「もし~ならどうする?」の意味です。
ただ、実際と異なる状況を仮定するなら仮定法でも、この先の未来のことについて言う場合は直接法になり、動詞も現在形でOKです。
一寸先は、何が起こるか分かりませんからね…。
もっとも、「あくまで仮定した場合の話です」という感じで話を切り出したり、「万一、未来のいつかに宇宙人が攻めて来たら」のような起こりそうもない未来の仮定なら、仮定法未来形というのもあります。
仮定法についての話は、また機会があった時に。
「もし~だろうと」の意味
what if は純粋に推測を表す他、「もし~なら、どうだろう(どうということはない)」と反語的な含みも持たせられます。
- What if he gets angry? — I don't care.
(彼が怒ったら、って? 構わないよ)
so what if と、so を付けた言い方もあります。こちらは、ちょっと棘のある口語表現。反語的な what if をパワーアップした感じです。
「もしそうだとして、それが何か?」のようなニュアンス。個人的には、あまりこういう言い方はどうかと…。
- So what if he was late? Who cares?
(彼が遅れたらどうだって? 構やしないよ) - A:"Are you going to drive nearly 500 miles just to spend an hour with your girlfriend?" B:"So what if I do? It's my car and my time."
(A「ガールフレンドと1時間過ごすために、500マイル近くもドライブするのか?」B「それがどうだって? 自分の車だし自分の時間だ」) - Tom:"Are you really going to sell your leather coat?" Bob:"What if I do?"
(トム「本当に革のコートを売るつもりか?」ボブ「だったら何?」 )
特に、(so) what if I do? は「私がそれをしたからって、あなたに関係あるの?」といった感じで、よく使われます。
まとめ
if は奥が深すぎて、どこまで手をつけていいのやら。
イディオムはまだまだありますが、取り上げたかった if only と what if をやれたので、とりあえず満足です。
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(引用・参照元: Oxford Learner's Dictionaries, The Free Dictionary, Cambridge Dictionary, Collins dictionaries)