guess と guess at の違い
guess は発音がアレですが、「推測する」という日常よく使う動詞のひとつです。
意味はこれだけなのに、なぜか自動詞も他動詞もあります。すなわち、「推測する」も「~を推測する」もあります。
そしてなぜか、自動詞ではよく at を付けて「~を」の部分を表したりします。
- We can only guess at her reasons for leaving.
(彼女が去った理由は推し量るしかない) - We guessed at the weight of the package.
(荷物の重量を推し量った)
- By this time they'd guessed that something was seriously wrong.
(この頃には、何か深刻な間違いがあると推測していた) - He guessed my age.
(彼は私の年齢を推測した)
guess の後には文節が続くこともあるとはいえ、意味は guess at も guess も同じように思えますね。でも実は、確実性が少し違います。
- guess at: よく知らないことに対してあてずっぽうで考える
- guess: 正しいかどうかは分からないけれど、そうじゃないかと思う
なので、“He guessed at my age” は、たとえば、SNSでやり取りする程度で顔も知らない相手の年齢を推し量る場合。
“He guessed my age” なら、毎日顔を合わせている同僚の年齢を推測する場合、のような感じです。
日本語で考えれば、「(当て)推量」と「推測」の違いですね。推測して実際に当てる場合も、guess を使います。
- She guessed the answer straight away.
(彼女はすぐに答えを言い当てた) - You'll never guess where they've gone.
(彼らがどこに行ったか想像もつかないだろう)
guess what の用法
次に、みんな大好き “Can you guess what?” です。
“Guess what?” は、“Can you guess what?” を省略した言い方で、「何だと思う?」「分かる?」というニュアンスの口語表現です。
「あのね」「ねえ、聞いて」と、相手の注意をひく時の呼びかけにも使われますね。
- Guess what? Your mother is coming to visit this weekend.
(何だと思う? 今週末にきみのお母さんが訪ねてくるんだ) - Guess what, she’s getting married next month!
(ねえ、聞いて。彼女、来月結婚するんだって!)
second-guess とは?
では、second(2度目の)という語を付けたらどうなるでしょう。
thought は think(考える)の名詞形です。second thoughts とたいてい複数形で使われ、「2度目の考え」ということから「再考」「考え直し」の意味になります。
ところが、second-guess は「再推測」にはなりません。しかも、動詞だけで名詞形がない、わりと珍しいケースです。
second-guess の意味
- 人や物事について、未来にどういう状況になるかを予測しようとする
- 何かが決定したり起こったりした後で、そのことを批判する(アメリカ英語)
- She's always trying to second-guess the boss.
(彼女はいつもボスを予測しようとしている) - We must try to second-guess what he'll do next.
(彼が次に何をするのかを推測しなければならない)
「後で批判する」というのは、後になってから文句や難癖をつける、といった意味合いです。
- It doesn't help to second-guess her decision.
(彼女の決断に文句をつけても仕方がない) - He second-guessed the management of the election campaign.
(彼は選挙キャンペーンの運営を後になってとやかく批判した)
それにしても、どうしてこんな意味になったか不思議ですね。
second-guess の由来
second-guess という語は、野球から来たのだとか。
もともと野球の審判は guesser(推測する人)と言われていて、審判や選手や監督に後からなんだかんだと文句をつけるファンを secondguesser と呼んだことが始まりのようです。
ここから、second-guess という動詞が生まれたそう。
普通は、動詞があって、そこから「それをする人」という名詞ができるけれど、これはその逆で、名詞のほうが先にあったわけですね。
野球選手は、どんなプレーをするか、「1回で」瞬時に判断しないといけません。間違ったプレーをする時だってあります。
そのプレーに対し、ファンが後からなんだかんだ言うことを、second-guess と表現するのは、まさに言い得て妙です。
元記事 second thought と second-guess の意味の違い をリライト
(引用・参照元: Oxford Learner's Dictionaries, The Free Dictionary, Cambridge Dictionary, Collins Dictionaries, Online Etymology Dictionary, The Phrase Finder)