「leave me alone」と「let me alone」はどう違う? leaveの用法

leave me aloneとlet me aloneはどう違う? leaveの用法

 

leave はどんな意味?

一人でいたい、干渉されたくない時って、ありますね。

「一人にさせて」「私を放っておいて」と言う場合、leave me alonelet me alone のどちらを使いますか?

 

困りのエイ
leave って「去る」って意味じゃなかった?
横目のソウ
…まず、そこからだな

動詞の leave は「自動詞」だと「去る」「出発する」の意味で、S+Vの第1文型ですが、他動詞もあります。

そして、他動詞の場合、第3文型・第4文型・第5文型のどれにもなります。

  • 第1文型 S+V(主語+動詞)
  • 第2文型 S+V+C(主語+動詞+補語)
  • 第3文型 S+V+O(主語+動詞+目的語)
  • 第4文型 S+V+O+O(主語+動詞+目的語+目的語)
  • 第5文型 S+V+O+C(主語+動詞+目的語+補語)
    【第1文型】
  • He left without saying goodbye.
    (彼はさよならも言わずに去った)
  • The plane leaves for Dallas at 12.30.
    (飛行機は12時30分にダラスに向けて発つ)

こんな風に、自動詞は分かりやすいですね。

 

「~を去る」「~を置いて去る」

第3文型はS+V+Oで、目的語を1つ取る形。「~のもとを去る」「~を置いて去る」の意味です。目的語には「場所」「人」「物事」が来ます。

    【第3文型】
  • The plane leaves Heathrow at 12.30.
    (飛行機は12時30分にヒースローを発つ)
  • My fiance left me for someone else.
    (婚約者は私を捨てて他の誰かのところに去った)
  • I've left my bag on the bus.
    (バッグをバスに置き忘れた)
怒りのエイ
最後のやつって、わざとバスの中に置いていったわけじゃないよね
目閉じソウ
確かに、故意に置いて去ったわけじゃない。ただ「置いていった」事実は同じ

「残す」「任せる」

また「~を残す」というのも、要は「~を残して自分は去る」。「~を任せる」も「~を他の誰かに任せて自分は去る」ことです。

何かを置いて(委ねて)おいて、自分はいなくなる(あるいは関知しない)ことを暗に示します。

    【第3文型】
  • 1. Red wine leaves a stain.
    (赤ワインはシミを残す)
  • 2. He leaves most of the important decisions to his wife.
    (彼は重要な決断はほとんど妻に任せている)
  • 3. I left the problem with Alice to sort out.
    (アリスにこの問題の解決を任せた)
  • 4. I left him with the items to pack.
    (彼に商品の梱包を任せた)

ひとつずつ見ていきましょう。

まず、例文1のように、主語が「人」以外の場合もあります。

例文2は「~を任せる、委ねる」。「誰に」任せるかを to 以下で表しています。例文3と似た構文なのに、例文3では with+人 です。

ざっくり言うと、to+人 は、仕事などを「押し付ける」「依存する」ニュアンス、with+人 は、何かを「(~のもとに)残しておく」といった違いです。

例文3と例文4については、どちらも leave+目的語+with の形だけれど、例文3は「leave+物事+with 人」で「~を任せる」。例文4は「leave+人+with 物事」で「~に任せる」になっています。

with が続く場合は、目的語として「物事」も「人」もどちらでもOKです。

 

困りのエイ
日本語がややこしすぎるんだよね。「残す」だったり「任せる」だったり
横目のソウ
同意はするが、それを言っても始まらない

「~に…を残す」

こちらは「~に…を残す」のように、leave の後に目的語を2つ取る第4文型。自分がいなくなった後に、何かを残しておく場合です。

    【第4文型】
  • Her grandfather left her some stocks and shares.
    (祖父は彼女に株式を残した)
  • My father died and left me nothing.
    (父が亡くなり、私に何も残さなかった)

「…を」の部分は、名詞の他にto-不定詞が来ることもあります。

訳し方は同じで、「~に…することを残す(任せる)」。たとえば、第3文型で挙げた例を、こんな風に第4文型でも言えます。

    【第4文型】
  • I left Alice to sort out the problem.
    (アリスにこの問題の解決を任せた)
  • I left him to pack the items.
    (彼に商品の梱包を任せた)

また「leave+物事+to 人」の形で言うこともできます。

    【第3文型】
  • I'll leave it to you when I die.
    (私が死んだら、あなたに託します)

leave は、第3文型と第4文型をあっちに行ったりこっちに来たりするので、あまり厳密に考えないほうがいいでしょう。考え出すと、混乱します…(しました)。

 

「~を…にしておく」

これが、一番最初に挙げた leave me alone などの第5文型の用法です。

「何かを何らの状態のままにしておく」、強い表現だと「放っておく」「放置する」。考え方は同じで、「何かをそのままにして自分は去る(あるいは、関知しない)」ことを示します。

    【第5文型】
  • He had left his food untouched.
    (彼は食事を手つかずのままにしていた)
  • Don't leave her waiting outside in the rain.
    (雨の中、彼女を外で待たせておくな)
  • I'll leave you to enjoy your book.
    (では、本を楽しんでください=私はあなたに本を楽しませておく)

第5文型では、補語として、形容詞・現在分詞や過去分詞・to-不定詞が来ます。

<to-不定詞の場合は要注意>

to-不定詞の場合、第3文型や第4文型の用法とごっちゃになりやすいため、ご注意ください。

「(~するために)何かを残す、置いていく」なら第3文型。「誰かに(~することを)残す、任せる」なら第4文型です。

    【第3文型】
  • They left their children to go on holiday.
    (彼らは子供を置いて休暇に出かけた)
    【第4文型】
  • Can I leave you to lock up the shop?
    (店に鍵をかけるのを任せていい?)

第5文型は「O(目的語)=C(補語)」なので、第3文型とは簡単に区別できると思います。でもこの判別法だと、第4文型と区別が難しいですね。

とりあえず、訳してみて「仕事・世話・責任を任せる」の意味でしっくりこなければ、「~するままにさせておく」という第5文型でいいかと思います。

 

leave と let の違い

怒りのエイ
で、結局 leave me alone と let me alone はどう違うって?
目閉じのソウ
ちゃんと本題を覚えてたようだな

 

let「依頼・指示・提案」する場合と「許可・容認」の場合があり、おおざっぱに言えば、どちらも「~に…させる」です。

第5文型を取ることが多く、leave とかぶる部分もありますが、補語は to-不定詞ではなく動詞の原形が来ます。

「依頼・指示・提案」の場合は、特に戸惑うこともないでしょう。

  • Let me have your report by Friday.
    (金曜日までに報告書をくれ)
  • Let me help you with your luggage.
    (荷物を運ぶのを手伝おう)

問題は、let が許可や容認を表す場合。

  • Let him go.
    (彼を行かせろ)
  • They refused to let us cross the border.
    (彼らは私たちが国境を越えるのを拒否した)

leave も許可や容認ではあるものの、基本は「そのままにしておく」なので、安易に leave と置き換えることはできません。

ただし、let me alone のように alone が続く場合は、let でも leave でも同様の意味です。

「あるがままにしておく」という let it be なども leave it be と言ったりします。本来は非標準の使い方ですが、口語ではよく使われます。

 

ノーマルのソウ
つまり、let me alone も leave me alone もどちらでも大差ない
怒りのエイ
ここまで引っ張っておいて、それ!?

  元記事 leave と let の違い 「放っておく」はどちらを使う? をリライト

(引用・参照元: Oxford Learner's Dictionaries, The Free Dictionary)