「in the nick of time」 の意味と語源 nick は何を示す?

当サイトはアフィリエイト広告を利用しています。

in the nick of timeの意味と語源は?

 

nick とは?

困りのエイ
「ニック」っていうのがよく分からない
目閉じのソウ
確かに、辞書で nick の意味は調べると、そう思うかもしれない

 

nick の意味

辞書を引くと、nick は名詞だと「小さな切り傷」「刻み目」、他に「英俗:刑務所や警察署」などの意味が載ってます。

動詞では、「小さい傷を付ける」「刻み目を付ける」「英俗:~を盗む、逮捕する」。「米俗:~をだます、高額な料金を請求される」。

 

  • 名詞の nick:
    1. 「小さな切り傷」
    2. 「刻み目」
    3. 英俗「刑務所」「警察署」
  • 動詞の nick:
    1. 「~に小さい傷を付ける」
    2. 「~に刻み目を付ける」
    3. 英俗「~を盗む」「~を逮捕する」
    4. 米俗「~をだます」「高額な料金を請求する」

 

名詞の nick

  • He had several nicks and scars on his cheeks.
    (彼は頬にいくつもの傷跡があった)
  • Apart from a few nicks in the varnish, the guitar is in very good condition.
    (ニスにいくつかの傷があることを除けば、ギターは非常に良い状態だ)
  • He's been in the nick half his life.
    (彼は人生の半分を刑務所の中で過ごしてきた)

 

動詞の nick

  • He nicked himself while shaving.
    (彼はひげを剃っている時に切り傷を付けた)
  • Who nicked my pen?
    (誰がペンを盗んだの?)
  • I was nicked for speeding.
    (スピード違反で逮捕された)
  • If your bank account balance falls below the minimum, you'll be nicked for a $5 service charge.
    (銀行口座の残高が最低額を下回れば、5ドルの手数料が課せられる)

 

nick の由来

nick はおそらく古フランス語の niche の変形から来たという推測もあるものの、由来は明らかになっていません。

 

Nick という名前

Nick(ニック)という名前については、ギリシャ語由来の Nicholas の短縮形で、「nikē」は「勝利」を意味し「laos」は「人々」の意味とのこと。

「聖ニコラス」のように聖人の名前としても有名ですが、1640年代までに「悪魔」として、特に Old Nick というフレーズで使用されたそう。

なぜ、そうなったのか? 「捕まえる」という意味の動詞の nick に関連しているのかもしれませんが、理由は不明です。

ノーマルのエイ
分からないことばっかりだね
横目のソウ
古くからある語だから

 

nick of time の用法

1995年に『ニック・オブ・タイム』(Nick of Time)という映画がありましたね。

ジョニー・デップが、ごく普通の税理士を演じてる珍しい作品です。娘を人質に取られ、90分以内に知事の暗殺するよう強要されるスリリングな展開。

映画の時間と実際の時間がリンクする面白い手法でした。

Prime Videoで『ニック・オブ・タイム』(字幕版)を見る

 

in the nick of time

nick of time「ギリギリの時間」「際どい時」を意味し、in the nick of time(間一髪で)の形で使われます。

at the last minute(土壇場になって)、just in time(ギリギリ間に合って)と同じ。

 

  • in the nick of time:
    1. 「ギリギリの時間で」「際どいところで」
  • They escaped from the smoke-filled house just in the nick of time.
    (彼らは煙が充満する家からギリギリで逃げ出した)
  • You got here in the nick of time.
    (あなたは間一髪で到着した)
  • Luckily, help arrived in the nick of time.
    (幸運にも助けが間一髪で到着した)

 

nick of time の由来

1640年代には既に、nick of time というフレーズが存在していたようです。直訳は「時間の刻み目」。nick は「数え棒の刻み目」として使われていました。

nick of time は、経過した時間を数え、棒に刻み目を付けて記録する古い習慣から来ていると考えられます。

ただ、それより古く、1500年代に nick は「決定的瞬間」を指していました。

当時の in the nick は、「ちょうどいいタイミングで」「予定された正確な瞬間に行動して」を意味するフレーズ。

これが時を経て、「手遅れになる直前、または期限が切れる前に行う」になったとか。

time はどこへ行ったのでしょう? そもそも、nick は「決定的瞬間」で「時間」の意味を含んでいるので、time は不要です。

…のはずが、17世紀には time が付加され、in the nick of time の形になったそう。

 

in good nick の用法

怒りのエイ
「ニック」に「状態」の意味はなかったよね?
ノーマルのソウ
このイディオムだけの意味だな

イギリス英語のスラングで、nick の前に形容詞を付けて、何らかの(健康)状態を示します。in good nick は「良い状態で」

たいてい good が使われるものの、in poor nick なら「悪い状態で」。人でも物でもOK。nick は無冠詞になり、a や the は付きません。

 

  • in good nick:
    1. 「良い状態で」 nick の前に good や poor などを伴って
  • He had a long road to recovery after the surgery, but he's in good nick now.
    (彼は手術後の回復には長い道のりがあったが、今は元気だ)
  • He's in pretty good nick for a man of his age.
    (彼は同年代の男性としてはかなり良い健康状態だ)
  • The car really is in excellent nick.
    (車は本当に素晴らしい状態だ)
  • She wants to sell the bike, but she won’t get very much for it because it’s in terrible nick.
    (彼女はバイクを売りたいが、ひどい状態なのであまり売れないだろう)

 

in good nick の由来

nick に「状態」の意味はないはずのに、なぜこんなフレーズになるのか。由来に関して、いくつか考察されているものの、正確なところはやはり不明です。

OED(Oxford English Dictionary)によると、1800年代に nick は「高品質の子孫を生み出す交配の例」の意味で使われた様子。

そこから、うまく交配された動物、特に競走馬について「良い状態」になったのかもしれません。

また、1800年代にウェストカントリーの方言として、「状態」を表す in good nick というフレーズが記録されています。もとは方言から来たのかも。

さらに、in the pinkというイディオムと関連があるとも言われます。in the pink は、in good nick と同じく「良い状態で」。

pink は花の名前で、かつては比ゆ的に「最高の見本」を意味したそう。

シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』には “I am the very pink of courtesy”(私はまさに礼儀のピンクだ)という台詞があります。

in the pink は現在も辞書に載ってるけれど、古い言い方なので、普段耳にすることは少ないでしょう。

  • We're glad to hear Bob's in the pink again.
    (ボブがまた元気になったと聞いてうれしい)
  • She was lively and active and in the pink of condition.
    (彼女は生き生きとして活動的で、元気だった)

 

まとめ

困りのエイ
結局、「ニック」のことはよく分からないままだった
目閉じのソウ
in the nick of time の意味が分かれば、それで十分

AIと英会話レッスン

「gymglish」はちょっと面白いAIとの英語レッスンです。聞き取れない時はAIが繰り返したり、別の言葉に言い換えたりしてくれます。もう、生きてる人間のレベル。

マンガを読むような感覚で、イラストが描かれた画面を見ながら行います。自由会話もできるし、レベル調整も、すべてAIです。

対人でないというのが、本当に気楽。好きな時に、好きなようにできるのが何より有難い。

【gymglish】
レッスン時間は1日15分。

少しでも理解の助けになれたら幸いです。お読みいただき、ありがとうございました。

(引用・参照元: Oxford Learner's Dictionaries, The Free Dictionary, Cambridge Dictionary, Collins Dictionaries, Grammarist, The Phrase Finder, Online Etymology Dictionary, Name Discoveries, LDOCE, English Language & Usage Stack Exchange)