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はじめに
アルファベットAからZまでを順番に使った、短い言葉遊びです。
学校の講義でもらった資料からの抜粋で、出典を調べたのですが、分かりませんでした。ご存じの方いらしたら、教えていただけると幸いです。
A to Z の言葉遊び
アルファベット26文字分あるため、見やすいように順番に5~6個ずつで区切ってます。お好きな文字からどうぞ。
日本語訳は私がしました。言葉遊びの翻訳って難しい…。上手い訳ができなかったので、解説のようなものも付け加えてます。つたない部分はどうかご容赦ください。
A から E
B と bee
A is like honeysuckle,because the B comes after it.
(A はスイカズラのようなもの。B が後について来る)
honeysuckle の和名は「スイカズラ」ですが、そのまま「ハニーサックル」の名の方が知られているかも。
甘い香りがするので、bee(蜂)はスイカズラに引き寄せられる 「後について来る」。アルファベットの順番では、「A」の次が「B」です。
C と see
B is placed before C,because we must be before we can see.
(B は C の前にある。見る前に存在していなければならない)
be「そこにある」ことが前提で、そこにあって初めて see「見る」が可能になります。see(見る) の前には、まず be(ある)が必要です。
アルファベット順でも「C」の前に「B」がありますね。
lass に C を付ける
C is like a schoolmarm,because she changes lasses into classes.
(C は女教師のようなもの。少女たちを貴婦人に変える)
schoolmarm は「(古めかしく厳格な)女教師」。あまり好意的でないニュアンスです。lasses は lass(少女、若い女性)の複数形。
lasses の先頭に「C」を付けると、classes になります。
class の意味が肝ですが、「学級」の「クラス」なのか、それとも「上流階級の人々」を指すのか…。後者で訳してみたけれど、正直はっきりしません(スミマセン)。
ちなみに、AIに尋ねたところ、「CはC言語(プログラミング言語)」を指す、という解答でした。class(クラス)は、プログラミングの基本的な構造のことです。
この言葉遊びはわりと古い時代のものだと思うので、さすがに「C言語」というのは無理があるような…?
ma に D を付ける
D is like a crying baby,because it makes ma mad.
(D は泣いている赤ん坊のようなもの。母親をイライラさせる)
ma は幼児語で「母親」。語尾に「D」を付けると、mad(怒って)。
ma(母親)を mad にするのは、泣く赤ん坊でしょう。これに対抗して(?)、かつて「mother、‘m’ を取ったら other「他人」です」という某CMがありました。
頭文字 E
E is like London,because it is the capital of England.
(E はロンドンのようなもの。イングランドの首都だ)
E は England の「頭文字」で、ロンドンはイングランドの「首都」。「イングランド」は「英国」の俗称です。
capital には「首都」の他、「頭文字」「大文字」の意味があります。
F から J
eel に F を付ける
F is like a fishhook,because it makes an eel feel.
(F は釣り針のようなもの。ウナギに痛みを感じさせる)
eel(ウナギ)の頭に「F」を付けると feel(感じる)。ここで感じるのは「痛み」です。fishhook(釣り針)にかかれば、ウナギはきっと痛いだろうに…。
G は真ん中の文字
G is a hot day,because it is the middle of August.
(G は暑い日。なにせ、8月の真ん中)
August(8月)は6文字から成るので、「G」は若干左寄りではあるものの、ほぼ真ん中の文字です。8月は確かに暑い、暑すぎる。
ear に H を付ける
H is a cure for deafness,because it makes the ear hear.
(H は難聴を治す。耳を聞こえるようにする)
deafness は「難聴」、cure は「治療(法)」。「両耳」という時は ears ですが、in one's ear(耳で)のように -s を付けずに言ったりもします。
ear の前に「H」を付ければ、hear(聞く、聞こえる)。
I のある語
I is the lucky vowel,because it is in bliss while E is in hell and the others in purgatory.
(I は幸運な母音だ。I は至福の内にあるが、E は地獄にあり、他の母音は煉獄の中にある)
vowel は「母音」。hell(地獄)には e 、purgatory(煉獄)には a、u、o という i 以外の母音が入っています。
a、e、o、u は「地獄」だの「煉獄」だのの単語の中に入っているのに、i は bliss という「至福」の中にある文字だよね、という話。
もっとも、heaven(天国)には、e も a もあるけども。
余談ですが、Wikipedia によると、煉獄は「天国には行けなかったが地獄にも墜ちなかった人の行く中間的なところ」とのこと。
J は I の隣
J is like your nose,because it is next to your eye.
(J は鼻のようなもの。目の隣にある)
eyes と複数形なら、between your eyes(両目の間)になるものの、ここでは、next to your eye(目の隣)。I と eye を掛けてます。アルファベットの順番は、I の隣が J。
K から O
K は語尾
K is like a pig's tail,because it is the end of pork.
(K は豚の尻尾のようなもの。豚肉の末端だ)
pork(豚肉)の最後の文字が「K」。豚の尻尾は豚の末端、お尻にあります。
pig(豚)ではなく、pork(豚肉)と言っているし、pig's tail(豚の尻尾)も料理として存在します。ただ個人的には食べたくないです…。
knee に L を付ける
L is like a queen,because it makes the knee kneel.
(L は女王のようなもの。人をひざまずかせる)
knee は「膝」、kneel は「ひざまずく」。女王様の前では、誰もがひざまずきます。文法的に言えば、make 人 kneel で、「(人)をひざまずかせる」。
make the knee kneel という言い方は普通はしません。これは、knee という語を kneel にすることを示してます。
ore に M を付ける
M is a favorite with miners,because it makes ore more.
(M は鉱夫が好むもの。鉱石がもっと多くなるから)
ore は「鉱石」で、その最初に「M」を付けると more(さらに多く)になります。
favorite は、ここでは名詞で「お気に入り」。イギリス英語だと、スペルは favourite。miner(採鉱者)にとって、鉱石がより多く採れるのは喜ばしいことです。
be favorite with は「~のお気に入りだ」。前置詞として、with でなく of が来ることもあり、ニュアンスが若干違います。
favorite with か favorite of か
favorite は「お気に入り」という名詞や、「お気に入りの」「好まれている」という形容詞で使われます。
- be favorite with:「~に好まれている」
- 特定のグループやカテゴリーにおいて人気がある
with が付く場合、favorite は補語になり、たいてい形容詞です。
- This restaurant is favorite with locals.
(このレストランは地元の人々に人気がある) - This song is favorite with teenagers.
(この曲は10代の間で人気がある)
- be favorite of:「~のお気に入りだ」
- 個人や特定の人にとってお気に入りだ
of は「~の」という所有や所属を表します。of が続く時は、favorite は名詞になり、a や the が付くことが多いです。
- This book is a favorite of mine.
(この本はお気に入りの1つだ) - This painting is a favorite of the artist's daughter.
(この絵は画家の娘のお気に入りだ)
sty に N を付ける
N is like a pig,because it makes a sty nasty.
(N は豚のようなもの。豚小屋を汚くする)
sty は「豚小屋」で、それに a が付いているところがポイント。a sty の最初に「N」を付けると nasty(不快な、汚れた)。豚は、どうしても小屋を汚してしまいます。
sty と nasty の sty の部分は、発音が違います。sty は [stai]、nasty は [nǽsti] 。
o に G を付ける
O is like a horse,because G makes it go.
(O は馬のようなもの。「ジー」で進ませる)
アルファベットの o の前に G を付けると go(行く)。G と gee を掛けたシャレです。
gee [dʒíː] は、驚いたり感銘を受けたり、イライラした時などの感情を表す感嘆詞で、Jesus(ジーザス)から来ているようです。
ただ他に、馬などに命令する時にも、gee を使います。
“Gee up!” は、馬や荷馬車に乗せる動物に対して「速く走れ」「右へ曲がれ」と促す掛け声。gee という命令で馬は進みます。gee で go するわけですね。
P から T
先頭と語尾にある P
P is a false friend,because although the first in pity it is in the last in help.
(P は偽りの友人。一番初めに哀れみ、手を貸すのは一番後)
P は pity(哀れみ)の最初の文字で、help(助け)の最後の文字。
a false friend は「本物でない友人」であり、一番早く「かわいそうにね」と哀れみを掛けるけれど、助けてはくれない、というシャレにとどまらない名言です。
U と you
Q is a guide,because it always goes head of U.
(Q は案内人。常にあなたの前を行く)
ガイドさんは前を歩いて案内するのが普通です。U と you(あなた)を掛けていて、アルファベットの順番では、Q は U の4つほど前。
ただ、Q を綴りで書くと「qu(あるいは qyou)」となり、u(または you)の直前に Q が来ます。
R が先頭にある
R is a winner,because it leads in a race.
(R は勝者。レースのトップにいる)
lead は「案内する」「連れて行く」などいろいろ意味がありますが、ここでは「先頭に立つ」「一番前を進む」。
race(レース)の頭文字が「R」。レースのトップということは、すなわち勝者です。
dutch に S を付ける
S is a titled lady when it is a dutch S.
(S が付くと、妻は爵位ある女性だ)
これは、なかなか高度なシャレです。Dutch は「オランダ(人)の」の意味が知られてますが、dutch は Cockney(ロンドンなまり)のスラングで「妻」のこと。
S の発音は「ess」のため、dutch S は duchess(公爵夫人)と似た発音になります。「公爵夫人」は titled lady(爵位ある女性)。
発音は似ていても、dutch と duchess はスペルが違うのでご注意を。
T は真ん中にある
T is like an island,because it stands in the middle of water.
(T は島のようなもの。海の真ん中にある)
water は5文字で、ちょうど真ん中の文字が「T」になります。water は「水」の他、「川や海などの水域」の意味もあり。
island(島)があるということは、この water は「海」でしょう。
U から Z
U と I の対比
U is not so queer as I,because I was the queerist.
(U は私ほど変ではない。私が最も変だった)
こちらも、ちょっと分かりづらいですね。「U」は you(あなた)と掛けているので、最初の文は「あなたは私ほど変ではない」。
because に続く文を見てみると、本来 queer の最上級は「the queerest」となるはずです。queerist ではありません。
-ist ではなく -est が文法的に正しい表現なので、i を使った -ist は「奇妙」です。すなわち、「I」が「奇妙だ」 「私」が最も「奇妙だ」。
queerist というスペルで、変なのは u より i ということでしょう。
また、-ist は「人」を意味する接尾辞でもあるので、queerist は「最も変な人」とも取れるダブルミーニングになってます。
現在は、LGBTQの人が肯定的に自分たちを queer と言い、その流れで性的マイノリティの人を queerist と称したりします
V は真ん中にある
V is the spooney letter,because it is always in love.
(V は恋に溺れた文字。いつも恋愛中)
love(愛)の真ん中、やや右寄りながら「V」の文字があります。letter は「文字」、spooney(または spoony)は「愚かなほどデレデレした」。
ill に W を付ける
W is like a scandal,because it makes ill will.
(W はスキャンダルのようなもの。それは悪意を生む)
ill(邪悪な)の最初に W を付けると will(意思)。
it makes ill will は「W を付けると ill が will になる」と、「W は ill will(悪意、憎悪)を作る」と両方の意味です。scandal(スキャンダル)は、えてして悪意を生みます。
X は語の中にある
X is a mystery,because it is in explicable.
(X はミステリーのようなもの。説明可能の範疇にある)
X の文字は、explicable(説明可能な)という語のスペルの中に含まれてます。
explicable は補語になる形容詞で、通常は be in explicable とはなりません。in が付かないのが普通。
動詞の explain は「説明する」。ミステリーとは解けるもの、などと言われます。すべてのミステリーは説明可能?
Y は4番目の文字
Y is a great lady,because it is the Fourth of July.
(Y は偉大な女性。7月4日なのだから)
the Fourth of July は「7月4日」、アメリカ独立記念日です。July(7月)の4番目の文字が「Y」になってますね。
great lady は「偉大な女性」ですが、アメリカ合衆国の独立記念日の象徴、つまり擬人化と思われます。もしかしたら、自由の女神像をイメージしてるのかも。
Z は先頭に来る
Z is like monkey cage,because it is the leading feature of the zoo.
(Z はサル舎のようなもの。動物園の一番の呼び物だ)
zoo(動物園)の最初の文字が「Z」。leading は「一番の、首位の」、feature は「呼び物」なので、「動物園の一番の呼び物」です。
動物園にはさまざまな動物がいるけれど、一番人気は monkey(猿)というのが定番だったのでしょう。
まとめ
出典は不明ですが、使われている語を見るに、わりと古い時代に作られた言葉遊びのような気がします。ただただ、作者の方には心からの敬意を。
お手軽に読める洋書
おすすめは『チャーリーとチョコレート工場 』のロアルド・ダールさんの児童書です。ダールさんのブラックユーモアは独特で、よくよく考えると結構怖かったり。
いじわるなおばあちゃんに仕返ししようとするジョージ少年。いや、でもいいのか、それで。
この物語も、読み終えた後、面白さの中になんとなく苦みが残る感じです。とても読みやすいので、ぜひ英語版にトライしてみてください。
少しでも楽しんでいただけたら幸いです。お読みいただき、ありがとうございました。