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all of の用法
「何かの全部・全体」
all of の意味としては、「~のすべて」が一番最初に思い浮かぶでしょう。
all は代名詞で、of の後に続く名詞は大体何でもありです。数えられない名詞でも単数名詞でも複数名詞でもOK。
- All of the food has gone.
(食べ物はすべてなくなった) - All of us enjoyed the party.
(全員がパーティーを楽しんだ)
イディオムの all of
all of は、他にも用法があります。ひとつは、イディオムの一部としての使い方。この all は「すべて」の意味ではありません。
all of の後に「a+名詞」が続いて、副詞的な意味になります。
例として sudden と flutter の2つだけ取り上げてますが、他の名詞を使った同じようなイディオムが多々あります。
all of a sudden
all of a sudden は「突然に」の意味で suddenly と同じです。ただ、どちらかと言うと、all of a sudden は「予期せず」「予想外に」のニュアンスがあります。
本来 sudden は「突然の」という形容詞で、名詞はありません。名詞の用法は、この all of a sudden だけ。
昔は、sudden は名詞としても使われていて、シェイクスピアが of a sudden という言葉を使い、いつの間にか all が付いて広まったそう。
all of a sudden が正式ではあるものの、アメリカでは all of the sudden と言ったりもします。
- all of a sudden:
- 「突然に」 「予期せず」のニュアンス
- It seemed to happen all of a sudden ― I felt dizzy and I just collapsed.
(それは突然起こったようで、めまいを感じて倒れてしまった) - All of a sudden we heard a loud noise.
(突然大きな音が聞こえた)
all of a flutter
all of a flutter もイディオムで、意味は「(興奮や心配などで)動揺して」。心が混乱したり緊張したりしている様子を表します。
flutter は動詞だと「軽く素早く動く」「パタパタはためく」です。
- all of a flutter:
- 「動揺して」
- We were all of a flutter waiting to meet the president at our school rally.
(私たちは校内集会で大統領に会うのをドキドキしながら待っていた) - The interviewer kept asking these really vague, convoluted questions and got me all of a flutter.
(面接官は非常に曖昧で複雑な質問をし続け、私はビクビクした)
all of+「大きさ・種類」
all of a size
非常に間違いやすいけれど、all of a size は「すべて同じサイズ」です。a size(ひとつのサイズ)と単数形になっているところがポイント。
of a size は「ひとつのサイズの」、すなわち of the same size(同じサイズの)を意味します。all は「完全に」「まったく」という副詞です。
「全部のサイズの」と言いたいなら、of all sizes になりますね。
a や the や所有格などが付いていない名詞の場合は、「all of+名詞」ではなく「all+名詞」です。なので、all of sizes とは言いません。
- 「~のすべて」「すべての~」:
- all (of)「a / the / 所有格+名詞」 of あり(省略も可)
- all「名詞」 of なし
- all of a size:
- 「同じサイズ」
- all sizes:
- 「すべてのサイズ」
- These pieces of birthday cake are all of a size.
(これらのバースデーケーキはどれも大きさは同じだ) - The houses in that neighborhood are all of a size.
(あの界隈の家はみな大きさが同じだ) - Those puppies are all of a size.
(子犬たちはみんな同じ大きさだ)
of all sizes なら「全部のサイズの」。all shapes and sizes はイディオムで「あらゆる形と大きさ」です。
- Dogs come in all shapes and sizes.
(犬はさまざまな形や大きさのものがいる) - These plants come in all shapes and sizes.
(これらの植物にはさまざまな形や大きさのものがある) - Bags of all shapes and sizes are available.
(あらゆる形やサイズのバッグを取り揃えている) - You'll see bicycles of all shapes and sizes in the city.
(街ではさまざまな形や大きさの自転車を目にするだろう)
all of a piece
これも同じように考えて、「ひとつのピース」 「同じピース」です。
all of a piece は「同じピース(種類)」なので、with を付けて「~と同じ種類で」 「~と一致して」のようにも使われます。
- all of a piece:
- 「同じ種類」
- 「~と一致して」 all of a piece with の形で
- This comment is all of a piece with his other views.
(このコメントは、彼の他の見解と一致している) - When you see a lot of his paintings together, you feel that his work is all of a piece.
(彼の多くの絵を一緒に見ると、彼の作品は1つのものだと感じる)
all of+「数詞」
all of の後に数量を表す名詞が来ると、また意味が違ってきます。
「せいぜい~」「ほんの~」
直訳すると、「〇〇の数量すべて」。数量が期待外れに少ないことを強調します。just や only と同じ。「ただ~だけ」「ほんの~」の意味です。
- all of「数詞」:
- 「せいぜい」「ほんの」 数量が少ないことを強調する
- That phone call took all of five minutes, so I wasn't late to the meeting after all.
(その電話は5分しかかからなかったので、結局ミーティングには遅れなかった) - His book has sold all of 200 copies.
(彼の本は200部しか売れなかった) - I'm so impressed that Mary found the files in all of three minutes.
(メアリーが3分でファイルを見つけたことに感心した) - I'm just checking up on Kim. It'll take me all of five minutes.
(キムの様子を確認しているところだ。5分もかからない)
皮肉的な「ほんの」
また、数量が多いことを皮肉的に「ほんの少し」のように表したりします。本心では多いと思っているのに、言葉上であえて「ほんの」と言う場合です。
日本語でも、気持ちとは逆に皮肉を込めて「こんなにも少なく」と強調したりしますね。それと同じく。
- It took him all of 41 minutes to score his first goal.
(彼が最初のゴールを決めるまでに41分しかかからなかった) - He is all of six feet tall.
(彼は身長が6フィートしかない) - Why he is still living with his parents when he's all of 40 years old?
(彼はほんの40歳で、なぜまだ両親と同居しているのか?)
of all の用法
「よりによって」「それこそ」
of all+名詞 の all は「すべての」という形容詞です。普通に「すべての~」と訳せる時はいいけれど、そうでない時もやはりあり。
of all things
of all things は、普通に訳せば「全てのものの」。
- Man is the measure of all things.
(人間は万物の尺度である)
これは、古代ギリシアの哲学者プロタゴラスの言葉です。すべての知識は主観的なものであり、人間による観察に由来している、という教えだとか。
他の用法として、「事もあろうに」「よりによって」の意味があります。
of は off や from に由来し、from all the possibilities(あらゆる可能性から)と同義です。「よりによって」は「あらゆる可能性のうち、よりにもよって」。
「最も可能性を期待していなかった」というニュアンスです。
「あらゆる可能性があったのに、どうしてそれなのか」と驚きや意外な気持ちを表してますね。
また反対に、「あらゆる可能性のうちで、何よりも」と強調を示す場合もあります。「最も可能性を期待していた」のニュアンスで、「何よりそれこそ」の意味。
どちらになるかは、これまた文脈から判断です。
よりによって
- She gave up a promising career as a stockbroker to become a weaver, of all things.
(彼女は株式仲買人としての有望なキャリアを捨て、よりによって織物職人になった) - After spending his childhood in and out of detention centers, he became, of all things, a cop.
(少年時代を拘置所の内外で過ごした後、彼は事もあろうに警察官になった)
of all things を単独で使って、“Can you imagine?”(想像できる?)や “Imagine that!”(想像してみてよ!)のような、「奇妙だ」という気持ちを込めることもできます。
- Billy, stop eating the houseplant! Of all things!
(ビリー、観葉植物を食べるのはやめて! よりによって!) - She wore jeans to the dance. Of all things!
(彼女はダンスにジーンズで来たんだ。よりによって!)
何よりそれこそ
- I said I'd help in any way I can, and of all things they want me to handle publicity.
(私はできる限りのことは手伝うつもりだと言った。彼らは何より私に宣伝を担当して欲しがっている)
of all people
things に限らず、たとえば対象が「人」であれば、of all people になります。
この場合も同様に、「(すべての人々の中で)よりによってその人が」と「(すべての人々の中でも)その人こそが」の2通りのニュアンスです。
- I didn't think you, of all people, would become a vegetarian.
(よりによって、きみがベジタリアンになるとは思わなかった) - Why should he, of all people, get a promotion?
(よりによってなぜ彼が昇進するのか?) - You of all people should have known better.
(あなたこそはもっと分別があるべきだ) - You of all people should have realized the risks.
(あなたこそはリスクを認識すべきだ)
of all places
これも同上。「よりによってその場所で」と「その場所こそが」のどちらもあります。
- If it’s a rest they need, then why go to New York of all places?
(休養が必要なら、なぜよりによってニューヨークに行くのか?) - She was a homeless wanderer until tiny Delos alone of all places on earth consented to receive her.
(彼女はホームレスの放浪者だったが、地球上のあらゆる場所の中で小さなデロス島だけが彼女の受け入れを承諾した)
- of all people / places / things:
- 「すべての中でそれこそ」
最もありそうだと思っていた - 「すべての中でよりによって」
最もなさそうだと思っていた
- 「すべての中でそれこそ」
of all the の感嘆表現
これは、all the~ と all の後に the が付いてます。本来集合的な物事を言う場合、「all the+名詞」が正式なのですが、the は省かれることが多いです。
この用法ではきちんと「all the+名詞」、または「all the+形容詞+名詞」になってますね。
「なんて~だ」と、誰かや何かに対して、苛立ちやショック、憤りなどを示す口語表現です。
of all the idiots(なんてバカだ)、of all the cheek(なんてずうずうしい)などなど、of all の後にはさまざまな「名詞」や「形容詞+名詞」が来ます。
「すべての~のうちで、よりによって」の亜種の用法と考えられないこともないかと…。
- of all the+(形容詞)名詞:
- 「なんて~だ」」 イライラ、憤り、焦りなどを表す
- "He actually called you a fool!" "Of all the nerve!"
(「彼は実際にあなたをバカと呼んだ!」「なんという神経だ!」) - Of all the stupid, careless things to do — You put diesel fuel into the car.
(なんてバカで不注意なことを。車にディーゼル燃料を入れるなんて) - Of all the idiots, leaving his car unlocked in the middle of town!
(なんてバカだ。街の真ん中で車をロックせず放置するとは!)
まとめ
all of も of all も一筋縄ではいきません…。
AIと英語で英会話
今や、AIが非常に面白いです。対人での学習が苦手でも、相手がAIなら気を遣う必要もなく、気軽に話せてなかなか楽しい。
ストーリー仕立てのスキットの中で会話していく形式で、ゲーム感覚ですね。
イラストのAIもかわいいし、スキットが800以上あって、スピーキング力のレベル判定ができるなど、学習アプリとしてとても優秀。AIキャラとの会話は、落ち込んだ時のちょっとした癒やしにもなってます。
少しでも理解の助けになれたら幸いです。お読みいただき、ありがとうございました。
(引用・参照元: Oxford Learner's Dictionaries, The Free Dictionary, Cambridge Dictionary, Collins Dictionaries)