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英単語 handful の意味・スラング 使い方を分かりやすく深掘り解説

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hands fullとhandfulの意味の違いを考える

 

handful の意味とは?

handfulhands full は、なんだかよく似てますね。意味や使い方はどう違うのでしょう? 英語の handful は、大きく分けて3つの意味を持ちます。

 

  • handful名詞
    • 「一握り」
    • 「少数・少量」
        わずかな数量(比ゆ的表現)
    • 「手に負えない人や物事」スラング
        扱うのが難しい物・人

 

handful は形容詞っぽいけれど、れっきとした名詞です。

古英語の handful は「開いた手で持てる限りの量」を意味しました。そこから「小さな部分」、「(比ゆ的に)できる限りの量」など意味が広がっていったようです。

こちらでは、実際の使い方・類義語との違い・スラングとしての用法について、例文とともに詳しく見ていきます。

 

「一握り」

一握りは「片手で握れる量」なので、少ない数量を示します。数えられる名詞のため、単数の a が付いたり、複数の -s が付いたりもOK。

後ろに of が続いて、a handful of のように言うことが多いです。

また、a large handful of のように、large(大きい)や small(小さい)などの形容詞を付けることもあります。

困りのエイ
一握りで a が付くのは分かるけど、-s が付くのっておかしくない?
目閉じのソウ
一握りを何回か行えば、-s が付く
ノーマルのエイ
複数形って handsful?
横目のソウ
いや。handfuls
  • a handful of
    • 「一握りの」「少数の」
  • a double hand of:「両手を使った一握りの」
  • double-handed:「両手を使った」(形容詞)
  • both hands:「両手」

 

「一握り」

  • He pulled out a handful of coins from his pocket.
    (彼はポケットから一握りの硬貨を取り出した)
  • She bent and pulled up a double handful of weeds.
    (彼女はかがんで、両手を使って雑草を引き抜いた)
  • The coffee machine suddenly ejected a handful of coins.
    (コーヒーマシンが突然一掴みの硬貨を吐き出した)
  • Add a large handful of chopped herbs.
    (刻んだハーブをたっぷり一掴み加えます)
  • Prior to 1986 only a small handful of networks existed within the research and education community.
    (1986 年以前は研究・教育コミュニティ内にはほんの一握りのネットワークしか存在しなかった)

 

「複数回の握り」

handfuls と複数形の時、しばしば前に数詞が付きます。数詞がないと、handfuls of は「両手で」の意味になることもあります。文脈次第。

  • She scooped up handfuls of loose earth.
    (彼女はゆるい土をすくい上げた)
  • I use two handfuls of pasta per person.
    (パスタは1人あたり2握り使う)
  • I think that there were only a few handfuls of exceptions in the referendum.
    (国民投票の例外はほんの一握りだったと思う)
  • She grabbed handfuls of the dirty snow.
    (彼女は両手で汚れた雪を掴んだ)

a double hand ofとtwo handfuls ofの違い

 

「少数・少量」

実際に手で握るわけでなく、比ゆとしての用法です。

  • Only a handful of people came.
    (ほんの一握りの人だけが来た)
  • We have received only a handful of emails on this subject.
    (この件に関して、ほんの数件のメールしか受け取っていない)
  • He only knows a handful of different recipes.
    (彼はほんの数種類のレシピしか知らない)
  • The centre is staffed by a handful of volunteers.
    (センターには少数のボランティアが勤務している)
  • The government has blamed the protests on a handful of evildoers.
    (政府は抗議活動を少数の悪人のせいにしてきた)

 

more than a handful of

more than a handful of「一握りより多くの」です。と言っても、少ないことに変わりはありません。以下は The Guardian より引用。

Some people questioned whether there would ever be more than a handful of these posts.
「このような投稿が一握り以上になることはあるのだろうかと疑問に思う者もいた」

 

not が付いた not more than は「~ほど多くない」なので、not more than a handful of は、「一握り以上ではない」 「多くても一握りの」

  • They cannot hope to win more than a handful of seats at the next election.
    (次の選挙では、わずかな議席しか獲得できないだろう)

 

a handful of は単数か複数か

handfuls of と複数形になっていれば、ともかくとして。

a handful は単数扱いか複数扱いか悩みませんか? a が付いてるので、単数扱いと思いきや、複数扱いなものもありました。一体どっち?

LDOCE にこんな用例が載っていました。

  • In it was a handful of small sherds.
    (その中には一握りの小さな破片が入っていた)
  • That is a handful of the most visible Salomon mortgage traders on Wall Street.
    (それはウォール街で最も目立つ一握りのサロモンの住宅ローントレーダーだ)
  • There were a handful of men in the audience when I saw the film.
    (私がその映画を見たとき、観客の中には少数の男性がいた)
  • He's not alone; there are a handful of others who have nowhere else to go.
    (彼一人ではない。他に行くところのない人たちがいくらかいる)

 

単数も複数もあり

実は、単数扱いと複数扱いのどちらもOK。a handful が一つの「ひとつのまとまり」を表す時は単数扱い。個々に焦点を当てる時は複数扱いです。

たとえば、2番目の例文の a handful of traders は、主語が that で「一握りのトレーダーの集団」を表します。

対して、3番目の例文では、a handful of men は「少数の男性」という個々の人々に焦点があるため、複数形になっています。

 

a handful of のポイント ①
  • 「一握り」というまとまりを表す場合 単数扱い
  • 「少数」という数に焦点を当てる場合 複数扱い

 

「手に負えないもの」

handful は、スラングで「制御するのが難しい(扱いづらい、厄介な)人や物事」のこと。常に単数形で a を付けて使います。

  • Sam was an easygoing baby, but Rory is a real handful.
    (サムはのんびりした赤ん坊だったが、ローリーは本当に手がかかる)
  • Her children can be a real handful.
    (彼女の子供たちは本当に手に負えない)
  • The baby's tantrums made him a handful.
    (赤ちゃんの癇癪で手に負えない状態になった)
  • This new software update is a handful.
    (この新しいソフトウェアのアップデートは手に負えない)
  • The antique espresso machine was a handful to clean and maintain.
    (アンティークのエスプレッソマシンは掃除とメンテナンスが厄介だった)

 

2番目の例文は、主語は her children と複数形なのに、a handful と単数形ですね。(Oxford Learner's Dictionaries より)

「手に負えないもの」という抽象名詞では、集合的な性質をひとまとまりでとらえるため、単数形の a handful になります。

 

a handful of のポイント ②

「手に負えないもの」の意味では、常に a handful と単数で使う

 

怒りのエイ
なんで、handful がそんな意味になるのか分からない
目閉じのソウ
日本語でも「手に余る」と言うだろ。それと同じじゃないか?

 

a handful of と a few の違い

「少数」の意味でパッと思い浮かぶのは a few でしょう。a handful of とどう違うのか、比較してみます。

 

意味 語感 使用場面
a few 少数の(通常、10のうち3〜5程度) 中立的・事実的 口語・文語。一般的に使われる
a handful of 少数の(片手に収まる程度) やや比喩的・感覚的 文学的な描写向き

 

a handful of は物理的な「手のひらに収まる量」から派生し、感覚的・比喩的な響きを持ちます。一方 a few は数量に焦点を当てた事実的な表現です。

 

用例の比較

物理的な数

  • I grabbed a few strawberries from the bowl.
    (ボウルからイチゴを数個取った) 事実的
  • I grabbed a handful of strawberries from the bowl.
    (ボウルからイチゴをひと握り取った) 感覚的

すべきこと

  • I have a few things to do before lunch.
    (昼食前にやることがいくつかある) 事実的
  • I’ve got a handful of tasks piling up.
    (タスクがいくつか山積みになっている) 「扱いづらさ」を含むこともある

天候・自然

  • A few clouds drifted across the sky.
    (空にいくつかの雲が流れていた) 事実的
  • A handful of dark clouds loomed overhead.
    (一握りの黒い雲が頭上に迫った) 情景描写

 

full of の用法

full of「~でいっぱい」「~だらけ」という大量や多数を示します。ポジティブな意味でもネガティブな意味でもOK。a handful of とは意味的に逆ですね。

 

a handful of との比較

意味 数量 使い方
full of 「~でいっぱい、~だらけ」 多い(満ちた) 容器・場所の中身が「満杯」
a handful of 「一握りの、少数の」 少ない 数量が「片手に収まる程度」

 

  • full of
    • 「~でいっぱい」「~だらけ」
  • She was so bubbly and full of life.
    (彼女はとても陽気で、活気に満ちていた)
  • His essay was full of spelling errors.
    (彼のエッセイはスペルミスだらけだった)
  • My suitcase was full of books.
    (スーツケースは本でいっぱいだった)
  • There were cardboard boxes stuffed full of clothes.
    (衣類がぎっしり詰まった段ボール箱があった)
  • The bottle was half full of mineral water.
    (ボトルにはミネラルウォーターが半分入っていた)

 

a handful of との使い分け

  • The wallet is full of coins.
    (その財布はコインでいっぱいだ)
  • He has a handful of coins.
    (彼はコインを一握り持っている)

full offの用法

 

hands full の用法

次に、hands full を見てみます。これは「両手いっぱい」。

ちなみに、a hand full という表現はありません。「片手いっぱい」は a handful of で表します。

 

have one's hands full

「両手がいっぱい」とは「手いっぱい」「両手がふさがっている」こと。have one's hands full は、比ゆ的に「忙しくて手が回らない」状態です。

文法的に言えば、full は形容詞で補語。主語は「人」だけでなく、「物事」の場合もあります。

「~で忙しい」「~で手いっぱい」と言う時は、with+名詞、または with+動名詞で。動名詞の場合、with なしで直に続けることも可能です。

 

  • have one's hands full (with)形容詞
    • 「(~で)手一杯だ、(~で)忙しい」
  • I have my hands full with all these meetings today.
    (今日はこれらの会議で手いっぱいだ)
  • Paula has her hands full with those kids.
    (ポーラは子供たちのことで手いっぱいだ)
  • You have your hands full with managing the store.
    (あなたは店の経営で手いっぱいだ)
  • The Mexican government had its hands full fighting a war on three fronts.
    (メキシコ政府は3つの前線で戦争を戦うことで手いっぱいだった)
  • The personnel department has its hands full trying to process the growing number of applications.
    (人事部門は増え続ける応募の処理に手いっぱいだ)

have one's hands fullのイメージ

 

with hands full of

with を前に付けて、たとえば with hands full of candies なら、「キャンディーを両手いっぱい持って」。

 

  • with hands full of
    • 「~を両手いっぱい持って」
  • The children ran around the park happily, with hands full of candies.
    (子供たちはキャンディーを両手いっぱい持って楽しそうに公園を走り回った)
  • She stood at the entrance with hands full of bags.
    (彼女は手にいっぱいの袋をさげて玄関に立っていた)
  • The technician arrived with hands full of tangled cables.
    (技術者は絡まったケーブルを両手に抱えて到着した)
  • With hands full of wet clay, she couldn’t reach her phone.
    (両手が濡れた粘土でふさがっていたため、彼女は電話を取れなかった)
  • The boy ran toward his mother with hands full of dandelions.
    (少年はタンポポを両手いっぱいに抱えて母親のもとへ走った)

 

full of と full with の違い

ノーマルのエイ
別に full of でも full with でも同じじゃない?
目閉じのソウ
まったく違う。使い方を考えれば理由が分かる

full offull with も「~でいっぱい」なので、置き換え可能では? と思われるかもですが、これはNGです。with を of に代えて使うことは推奨されません

例として、「hands full of candies」は、「hands are full of candies」(両手はキャンディーでいっぱい)の意味です。

hands full ofの意味

一方「hands full with」は、「have one's hands full with」という慣用句で使われることが多く、「~で非常に忙しい」。

この文脈で candies を使うと、「キャンディで忙しい」というヘンなフレーズになります。of は「中身・構成要素」を表し、with は「手段・付帯状況」です。

 

意味 使用場面
hands full of 「~でいっぱいだ、~で満ちている」 物理的に手がふさがっている状態
hands full with 「~でいっぱいだ」 多くの仕事や責任、課題などで手いっぱいの状況

 

ちなみに、be full of と似た意味で with を使う時は、be filled with です。

  • These cakes are full of cream.
    (これらのケーキにはクリームがたっぷり入っている)
  • These cakes are filled with cream.
    (これらのケーキにはクリームがたっぷり入っている)

 

full of と full with
  • full of 「~がたくさん」
  • full with 「~で手いっぱい」 主に have one's hands full with の形で

 

ビジネスシーンでの用例

handfulhands full は、IT・営業・人事・監査・調達など、さまざまなビジネスシーンで使われます。

  • The new CRM platform is powerful, but it’s a handful to configure without dedicated IT support.
    (新しいCRMプラットフォームは高機能だが、専任のITサポートなしでは設定が非常に厄介だ)
  • Only a handful of candidates met the criteria for the leadership program.
    (ほんの一握りの候補者がリーダーシップ研修の条件を満たした)
  • She’s managing a handful of client accounts.
    (彼女はいくつかの顧客アカウントを管理している)
  • Between vendor negotiations and last-minute budget revisions, the procurement team had its hands full all week.
    (ベンダーとの交渉と予算の急な修正対応で、調達チームは一週間ずっと手が回らなかった)

 

よくある質問(FAQ)

「a handful of」は単数扱い? 複数扱い?

マーリン

文脈によって異なります。量やひとまとまりのものを表す場合は単数扱い、複数の人や物を指す場合は複数扱いです

 

「hands full」と「handful」はどう違う?

マーリン

handful は名詞で、「一握り・少量」や「手に負えないもの」を指します。hands full は「両手・手がいっぱい」の意味で、物理的に両手に何かを持っている状況や、比ゆ的に忙しい状態を表したりします

 

「handful」の類義語はどんなものがある?

マーリン

・「少数・少量」の意味:a few(いくつかの)、several(数個の)、a small number of(少数の)
・「手に負えない」の意味:troublesome(面倒な)、difficult to handle(扱いにくい)、challenging(困難な)

 

「handful」の発音は?

マーリン

[hǽn(d)fùl] と最初の hand にアクセントがあります。語尾の -ful は軽く「フゥ」に近い音です

handful:

 

まとめ

hand は、意外といろいろなニュアンスで使われます。以下の関連記事もぜひどうぞ。

 

 

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少しでも理解の助けになれたら幸いです。お読みいただき、ありがとうございました。

(引用・参照元: Oxford Learner's Dictionaries, The Free Dictionary, Cambridge Dictionary, LDOCE, Collins Dictionaries, Online Etymology Dictionary