hands fullとhandfulの意味の違いを考える

hands fullとhandfulの意味の違いを考える

 

handful はどんな意味?

handful は「一握り」という名詞です。形容詞っぽいけれど、れっきとした名詞です。

一握りは「片手で握れる量」なので、少ない量を示します。ただ、数えられる名詞のため、単数の a が付いたり、複数の -s が付いたりします。

後ろに of が続いて、a handful of のように言うことが多いですね。

 

困りのエイ
一握りで a が付くのは分かるけど、-s が付くのっておかしくない?
目閉じのソウ
一握りを何回か行えば、-s が付く
ノーマルのエイ
handsful?
横目のソウ
いや。handfuls

handful of の用法

a handful of は「一握りの」「少量(少数)の」。handful の前に、large(大きい)や small(小さい)などの形容詞を付けることもあります。

a double hand of なら「両手を使った一握り」。

  • He pulled out a handful of coins from his pocket.
    (彼はポケットから一握りの硬貨を取り出した)
  • She bent and pulled up a double handful of weeds.
    (彼女はかがんで、両手を使って雑草を引き抜いた)

double-handed だと「両手を使った」という形容詞ですが、左右両手のことを double hands とは言いませんね。「両手」は both hands です。

handfuls と複数形の場合も、前に数詞や数量を表す形容詞を付けられます。

 

a handful of は単数扱いか複数扱いか

「一握りの」や「少数」であっても、複数には変わりありません。でも、a handful と a が付いているし、単数扱いなのか複数扱いなのか迷いませんか?

LDOCE にこんな用例が載っていました。

  • In it was a handful of small sherds.
    (その中には一握りの小さな破片が入っていた)
  • There is a handful of raw-material exports.
    (原材料の輸出はわずかだ)
  • There were a handful of men in the audience when I saw the film.
    (私がその映画を見たとき、観客の中には一握りの男性がいた)
  • He's not alone; there are a handful of others who have nowhere else to go.
    (彼一人ではない。他に行くところのない人たちがいくらかいる)

 

え、単数と複数、どちらなんですか?

 

すみません…これ本当に分かりません。どういうことなんでしょう。(分かる方いらしたら、教えてください)

handfuls of と複数形になっていれば、複数扱いだと思うけれど。

  • She grabbed handfuls of the dirty snow.
    (彼女は汚れた雪を手でつかんだ)
  • I think that there were only a few handfuls of exceptions in the referendum.
    (国民投票の例外はほんの一握りだったと思う)

handful のスラング

handful は、話し言葉で「制御するのが難しい人や物」のこと。たいてい単数形で a を付けて使います。

  • Sam was an easygoing baby, but Rory is a real handful.
    (サムはのんびりした赤ん坊だったが、ローリーは本当に手がかかる)
  • Her children can be a real handful.
    (彼女の子供たちは本当に手に負えない)

上記の2番目の例文は、Oxford Learner's Dictionaries より。

主語は her children と複数形なのに、a handful と単数形になっています。不思議な感じですが、この用法の時はそういうものらしいです。

 

怒りのエイ
なんで、handful がそんな意味になるのか分からない
目閉じのソウ
日本語でも「手に余る」と言うだろ。それと同じじゃないか?

hands full はどんな意味?

次に、hands full です。hands と複数形になっているので、片手ではなく「両手いっぱい」ですね。

「両手いっぱい」は「手一杯」。比ゆ的に、忙しくて手が回らない状態を言います。

 

have one's hands full は「非常に忙しい」

これは、「とても忙しくて手がふさがっている」「手いっぱいだ」という表現です。

  • I have my hands full with all these meetings today.
    (今日はこれらの会議で手いっぱいだ)
  • You have your hands full with managing the store.
    (あなたは店の経営で手いっぱいだ)

「~で忙しい」という際は、こんな風に with を付けて表せます。with+名詞、または with+動名詞で

動名詞の場合、with なしで、直に続けることもできます。

  • The Mexican government had its hands full fighting a war on three fronts.
    (メキシコ政府は3つの前線で戦争を戦うことで手一杯だった)

 

hands full of は「~でいっぱいの両手」

hands full of「~でいっぱいの両手」「両手いっぱいの~」

たとえば、hands full of candies は「両手いっぱいのキャンディー」で、「忙しい」の意味はありません。

with を伴って、with hands full of candies なら、「キャンディーを両手いっぱいに持って」のように副詞になります。

hand full of~ の形は探しても見つからなかったので、「片手いっぱいの」の時は a handful of になるのでしょう。片手の場合に、handful と1語です。

 

ノーマルのエイ
じゃあ、full hand っていうのはないの?
横目のソウ
ないこともない

 

余談:full hand

full hand は、「ポーカーのフルハウス」のことです。

特に覚えておく必要はないのですが、こういった文章で使われていると、紛らわしいですね。

  • I thought for sure I would win with a full hand.
    (フルハンドで勝てると思った)

  元記事 hands full と handful の使い方 二つの意味の違い をリライト

(引用・参照元: Oxford Learner's Dictionaries, The Free Dictionary, Cambridge Dictionary, LDOCE)