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duly noted とは?
duly noted は、日常的にはあまり聞き馴染みがないかもしれません。
「正式に認識された」「完全に理解された」の意味で、何かの情報に対する返答として、よくビジネスシーンで使われますね。
日本語で言うところの「了解しました」「承知しました」です。
ただ、日本語でもわりとカジュアルな場面で「了解」や「承知」と言ったりします。それと同じで、duly noted も固い会話に限られるわけではありません。
動詞の note は「書き留める」「注意を払う」「言及する」という、ややフォーマルな語です。duly は副詞で「適切に」「期待される正しい時間に」など。
すなわち、duly noted は「適切に書き留められた」 「注意を払われ、言及される」ことを示します。
duly noted の使い方
簡単に "Duly noted." とだけ言う場合もありますが、もとは受身形で「主語+be duly noted」が省略されたものです。
主語になるのは、行為者である「人」ではなく、注意を払われて言及される「物事」のほう。
承知したことを示す
- A: "This task needs to be finished by Monday." B: "Duly noted."
(A「この仕事は月曜日までに終える必要がある」B「承知しました」) - Her cleverness was duly noted by all.
(彼女の彼女の頭の良さは皆が認めた) - The fact that you volunteered for the assignment is duly noted.
(あなたがその課題に志願した事実は留意されている)
通常は、こんなふうに「理解した」「認めた」のニュアンスで使われます。
うわべだけの承知を示す
ただ「承知した」と言っても、あくまで「認識」だけで、実際は相手の意見や希望、決定などについて容認していない場合もあります。
- Your disagreement is duly noted.
(あなたの意見の相違は認識した) - Their complaints were duly noted but not appreciated.
(彼らの苦情は認識されたが、評価されなかった) - The fact that you paid for lunch today is duly noted.
(今日あなたが昼食代を払った事実は留意しておく)
また、受身形だけでなく、能動態で使うことも可能です。その場合は、行為者である「人」が主語。
- We duly noted this third request for executive board action.
(理事会の対応を求めるこの3回目のリクエストは認識した)
duly noted は失礼か?
うわべだけで「承知」と言う時は、形式的、義務的に「認識した」というだけで、あまり重きを置いていなかったり否定的だったりで、皮肉めいた感じがします。
「認識した」としても、だからといって「気に留める」「評価する」とは限らないわけです。この辺は日本語でも一緒ですね。
とはいえ、基本的には duly noted は「承知しました」という正式で丁寧な言い方で、相手の意見を理解し尊重する言葉です。
ビジネスメールなどで使っても、失礼にはなりません。
特にビジネスにおいて、何らかの指示に対し "Duly noted." と返答をされたら、その指示は認識され、要求に応じて実行されることを表します。
「認識した」の意味だけで "Duly noted." を使ってしまうと、マズい状況になりかねません。ビジネスの場では、"Duly noted." と返した以上はその要求を実行する必要があります。
日常会話の duly noted
duly も note もフォーマルな語ではあるものの、日常会話で使ったりもします。この場合は、「分かった」「そうだな」という、軽めの、適当に受け流す感覚でしょう。
- "I studied extra hard for this test, Mrs. Smith!" "Duly noted. Anyway close the door."
(「スミス先生、私はこのテストのために一生懸命勉強しました!」「分かった。とにかくドアを閉めなさい」) - "The problem is that you're not having any vegetables." "Duly noted, duly noted."
(「問題はあなたが野菜を食べていないことだ」「分かった、分かった」)
duly の用法
duly noted のフレーズは、少なくとも1800年代初頭から使われているそう。語源ははっきりしません。
duly はと言うと、普段それほど見聞きしないけれど、形容詞の due から派生した語です。due の e がなくなって、ly が付いてます。
due の意味は4つあります。まずは、caused by 「(何かによって)引き起こされた」、owed 「当然支払われるべき」、expected 「期待される」。
この3つは、たいてい動詞の後に来る「叙述用法」です。
4つめは「適切な」の意味。この場合のみ、名詞に付く「限定用法」になります。
副詞の duly は「適切に」「正式に」の他、「予定通りに」「期待された時間に」の意味もあり、due の「期待される」から来ているのでしょう。
- due:
- 「~による」※ caused by(~によって引き起こされる)の意味
- 「当然支払われるべき」※ owed(負っている)の意味
- 「期待される」※ expected の意味
- 「適切な」「正しい」
- The document was duly signed by the inspector.
(文書は検査官によって正式に署名された) - she was duly apprised of the raise.
(彼女は昇給について正式に告げられた) - They duly arrived at 9.30 in spite of torrential rain.
(彼らは豪雨にもかかわらず9時半に予定通りに到着した) - The Queen duly appeared on the balcony to wave to the crowds.
(女王は予定通りバルコニーに現れ、群衆に手を振った) - The gift was duly noted by the Secretary of State in his annual financial disclosure form.
(贈与は国務長官によって年次財務開示書に正式に記載された)
最後の例文は duly noted になってますが、in 以下を踏まえると、意味的には「認識された」より「正式に記載された」のほうがしっくりする気がします。
dully noted?
dully noted は、陥りやすいスペルミスです。
l を2つ重ねた dully は、dull(鈍い、さえない、退屈な)の副詞なので、「ぼんやりと」「関心なく」「退屈で面白くなさそうに」。
dully noted だと「関心なさげに気に留めた」になってしまいます。ビジネスで、これはアブナイ。発音も、duly は [dúːli]、dully は [dʌ́lli] です。
比較のために、dully の例文も挙げておきます。
- "I suppose so," she said dully.
(「そう思うわ」と彼女は関心なさそうに言った) - The moonlight shone dully on the surface of the lake.
(月明かりが湖の表面をぼんやり照らしていた) - He gazed at the newspapers dully, convincing himself he must be ill.
(彼は新聞をぼんやり見つめ、自分は病気に違いないと言い聞かせた)
well noted との違い
well noted も同様の意味ではあるものの、well noted より duly noted を使うほうが多いです。
どちらかと言えば、well noted のほうがややカジュアルな言い方で、「よく理解された」「確認した」の意味。
duly noted は、それよりフォーマルな表現で、「理解して、それに応じて行動する」といった「実行」のニュアンスが加わります。
ただし、noted 自体に「それに応じて行動する」の意味があるため、well noted も同じく「実行」を示すという解説もあり。
そのあたりの2つの違いについてはわりと曖昧ですが、少なくとも well noted をビジネスメールで使っても失礼にはなりません。
まとめ
「承知しました」は、他に “Noted.” “Yours Noted.” で済ます場合や、noted を使わない表現もあって、本当にいろいろです。
できるだけ多くのパターンをストックしておくのが一番いいとしても、とりあえず "Duly noted." を覚えておけばなんとかなります。
取っつきづらい英語雑誌
英文のリーディングしてますか? 読むことは、速読即解の練習になります。
試験対策には英語のニュース紙が最適ですが、洋雑誌は取っつきづらいですね。読み方にはコツがあり。
ニューズウィーク英語版 Newsweek
廃刊から復活した老舗の英語誌。『TIME』と似ていて、『ニューズウィーク』のほうがオーソドックスな作りです。
ニューヨーク発で、現地の様々な記事がタイムリーに読めるのが売り。ただ、なにしろページ数が多く、全部目を通すのは到底無理。
興味が持てそうなトピックだけを、速読練習用に使うのがベストです。
TIME(タイム)
世界中で最も影響力のあるニュース誌の1つ。TIME誌の英語は、洗練された表現で現代英語のお手本とされます。
現代の英語表現を学ぶには『TIME』を読め、と講義でよく言われました。
こちらも、全部読もうとせず、雑誌感覚でパラパラ読むのがよいです。写真の使い方や記事のページ割が独特で面白い。
(引用・参照元: Oxford Learner's Dictionaries, The Free Dictionary, Merriam-Webster, Grammarly, English-Grammar-Lessons.com, LDOCE, Acknowledgement World)