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形容詞の drunk と drunken
drunk も drunken も、どちらも一見すると動詞の活用形かと思ってしまいがちです。
確かに、drunk は、drink(飲む)の活用形でもあります。ただし、過去形ではなく、過去分詞。drunken は過去分詞ではありません。
drink の活用形
drink(現在形)- drank(過去形)- drunk(過去分詞)
動詞の drink
まずは、動詞の drink についてざっくりと見てみましょう。
drink は「飲む」「飲酒する」の他に、水・空気、あるいは知識などを「吸収する」や「乾杯する」といった意味があります。自動詞も他動詞もあり。
「吸収する」「乾杯する」の用法は、今回の主旨とあまり関係がないため省きます。問題は「飲む」「飲酒する」の用法。
他動詞では、「ジュースを飲む」のように「~を」が飲み物になる場合と、そうでない場合があるので、ちょっと厄介です。
なんにしても、受身形になることはないので、受動態として過去分詞の drunk を使うことはありません。
- drink: 動詞
- 「飲む」「飲酒する」
- (水・空気・知識などを)「吸収する」「取り込む」
- 「乾杯する」
「飲む」「飲酒する」
「飲む」「飲酒する」は日常的によく使いますね。
普通に「酒を飲む」だけならいいのですが、「アルコールを飲んで、~を特定の状態にする」の意味でも使われます。
- She tried to drink her grief into oblivion.
(彼女は酒を飲んで悲しみを忘れ去ろうとした)
上の例文では、her grief(彼女の悲しみ)は飲み物ではないですね。oblivion [əblíviən] は「忘却」という名詞で、直訳は「酒を飲んで、彼女の悲しみを忘却の状態にする」。
drink oneself とは?
目的語として oneself が来ても、考え方は同じです。「酒を飲んで自分自身を特定の状態にする」。
drive oneself の後には、形容詞や to、into などの前置詞が続きます。「大量に酒を飲んで~になる」「~になるまで酒を飲む」。
- He had drunk himself unconscious on vodka.
(彼はウォッカを飲んで意識を失った) - My intention was to only stay for one drink, but I somehow wound up drinking myself silly.
(彼女は酒を飲んで酔っぱらっていた) - If he goes on this way he’ll drink himself to death.
(このまま行くと彼は酒に溺れて死んでしまうだろう) - She was drinking herself into a stupor.
(彼女は酒を飲んで酔っぱらっていた)
stupor [stúpər] は「意識が朦朧とした状態」のこと。
drink oneself silly は「飲み過ぎて分別がなくなる」 「酔っぱらう」というイディオムです。laugh(笑う)なども、「動詞+oneself」の形で同様の使い方をします。
- I laughed myself silly at his jokes.
(彼のジョークで大笑いした)
drink 人 under the table とは?
drink ~ under the table も into や to が付く時と同じように考えれば、「酒を飲ませて~をテーブルの下に置く」。
1600年代初期から使われたフレーズで、飲み比べの時、負けた人が酔って椅子から崩れ落ちて、テーブルの下でつぶれるさまを示しているそう。
「誰かをテーブルの下に置く」とは、「誰かを先に酔いつぶれさせる」。すなわち、「誰かより酒に強く、多くの酒を飲むことができる」ことを表します。
- I've been known to have a few beers, but Lucy can drink me under the table.
(私がビールを何杯か飲むことは知られているが、ルーシーは私以上に飲める) - She's a tipsy after one shot — I could definitely drink her under the table.
(彼女は一杯でほろ酔いだ。私は間違いなく彼女より多く飲める) - Believe me, she can drink anyone under the table!
(信じろ、彼女は誰よりも飲めるんだ!) - Are you already buzzed? I didn't know I could drink you under the table!
(もう酔ってるの? 私があなたより飲めるとは知らなかった!)
drunk と drunken の違い
drunk の用法
では、本題に入ります。
drunk は「(酒に)酔った」と、酒以外のものに「酔った」、つまり「何かに酔いしれた」の2通りあります。
drunk 単体だと「酔った」なので、たとえば「ビールに酔った」「ウイスキーに酔った」など「~に酔った」とアルコールの種類を表す時は、drunk on~。
酒以外の「権力」「成功」etc. に酔いしれる場合は、drunk with~ も使われます。
重要なのは、通常 drunk は「叙述用法」でのみ用いられ、名詞を修飾する「限定用法」にはならない点です。つまり、名詞の前には来ません。
ただし、やはりというか、例外があって、drunk driver(酒気帯び運転者)や drunk driving(酒気帯び運転)などは、名詞の前に付いてます。
これらは、慣例的に正しい用法です。
- drunk:
- 酒に「酔った」
- 権力などに「酔いしれた」
- 叙述用法のみ(ただし、drunk driver、drunk driving など例外もあり)
- They were clearly too drunk to drive.
(彼らは明らかに運転できないほど酔っていた) - By now I was pretty drunk on the free beer.
(その頃には無料のビールでかなり酔っていた) - He came home drunk and vomited all over the kitchen floor.
(彼は酔って帰宅し、台所の床中に嘔吐した) - He was accused of arrogance and being drunk with power.
(彼は傲慢で権力に酔っていると非難された) - We were drunk with freedom.
(私たちは自由に酔いしれていた)
名詞の drunk
drunk は「酔った人」「酔っぱらい」という名詞もあります。数えられる名詞なので、複数の時は -s を付けて drunks。
- 名詞の drunk:
- 「酔っぱらい」
- A couple of drunks were passed out on the sidewalk.
(数人の酔っぱらいが歩道で酔いつぶれていた) - I don't like to take the bus at night. It's full of drunks and crazy people.
(夜にバスに乗るのは好きではない。酔っぱらいやイカれた人がたくさんいる)
drunken の用法
drunken は「人」を示す場合は drunk と同様「酒に酔った」、あるいは「飲酒癖のある」。
drunk にはない用法として、「行為」や「物事」を修飾して「酒に酔った結果の」「大量に酒を飲む」という状況を表したりします。
また、drunken は「限定用法」のみで使われ「叙述用法」になりません。名詞を修飾するだけです。
- drunken:
- 「酒に酔った」人を示す
- 「酒に酔った結果の」「大量に酒を飲む」状況を示す
- 限定用法のみ
- ※ 叙述用法にならない
He was drunken last night.
- She decided to divorce her drunken and violent husband.
(彼女は酒に酔って暴力を振るう夫と離婚することを決意した) - The square filled up with drunken baseball fans.
(広場は酔っ払った野球ファンでいっぱいになった) - He was found in a drunken stupor.
(彼は泥酔状態で発見された) - Police broke up a drunken brawl outside the pub.
(警察はパブの外の酔っ払いの乱闘を止めた) - They come from broken homes, drunken homes.
(彼らは崩壊した家庭、酒浸りの家庭から来た)
意味はどう違う?
drunk も drunk driver という言い方が、例外的にありましたね。そしてもちろん、drunken driver ということもできます。
どう違うのでしょう?
酔いの程度で言うと、drunk は「適量のアルコールを摂取しているが、深刻な障害はない」レベル、drunken は「アルコールの摂取で、重度な障害がある」レベル。
法律上でも、drunk driver と drunken driver は区別されています。とはいえ、どちらも違反であることに変わりありません。
- drunk driver
酒気帯び運転者(イギリス英語では、drink-driver) - drunken driver
飲酒運転者
- Last October, a car he was driving was struck head-on by a drunk driver.
(昨年10月、彼が運転していた車が飲酒運転者に正面衝突された) - That photo was taken before their lives were torn apart by a drunken driver.
(その写真は飲酒運転者に彼らの人生が引き裂かれる前に撮られたものだった)
DUI と DWI
「酒気帯び状態」と「酩酊状態」は、法律用語としてまったく別物です。
アメリカ英語で、DUI と DWI という犯罪があります。
DUI は Driving Under the Influence の頭字語で、「アルコールやその他の薬物の影響下で自動車を運転する犯罪」や「それに対する有罪判決」のこと。
「犯罪」を指す時は不可算名詞、「判決」ならば可算名詞です。
drunk driving(酒気帯び運転)の行為の結果が DUI になります。
一方、DWI は Driving While Intoxicated で「酩酊状態で運転する犯罪」や「それに対する有罪判決」。
intoxicated [intɔ́ksikèitəd] は「酩酊した」。drunken driving(酔っぱらい運転)によるものです。
ただ、州によって DUI と DWI の定義が違うため、アルコール摂取量のはっきりした基準は分かりません。
- DUI:
- 酒気帯び運転、およびその判決
- DWI:
- 酒酔い運転、およびその判決
- He was arrested the next day for DUI.
(彼は翌日酒気帯び運転で逮捕された) - I have worked for bosses who have had DUIs.
(飲酒運転歴のある上司の下で働いてきた) - She was charged with DWI after police found her passed out in her car on the side of a highway.
(警察が高速道路脇で車の中で意識を失っている彼女を発見し、酒酔い運転の罪で起訴された) - We would not hire someone with a DWI as a professional driver.
(酒酔い運転歴のある人をプロのドライバーとして雇用しない)
まとめ
取っつきづらい英語雑誌
英文のリーディングしてますか? 読むことは、速読即解の練習になります。
試験対策には英語のニュース紙が最適ですが、洋雑誌は取っつきづらいですね。読み方にはコツがあり。
ニューズウィーク英語版 Newsweek
廃刊から復活した老舗の英語誌。『TIME』と似ていて、『ニューズウィーク』のほうがオーソドックスな作りです。
ニューヨーク発で、現地の様々な記事がタイムリーに読めるのが売り。ただ、なにしろページ数が多く、全部目を通すのは到底無理。
興味が持てそうなトピックだけを、速読練習用に使うのがベストです。
TIME(タイム)
世界中で最も影響力のあるニュース誌の1つ。TIME誌の英語は、洗練された表現で現代英語のお手本とされます。
現代の英語表現を学ぶには『TIME』を読め、と講義でよく言われました。
こちらも、全部読もうとせず、雑誌感覚でパラパラ読むのがよいです。写真の使い方や記事のページ割が独特で面白い。
少しでも理解の助けになれたら幸いです。お読みいただき、ありがとうございました。
(引用・参照元: Oxford Learner's Dictionaries, The Free Dictionary, Collins Dictionary, Cambridge Dictionary, LDOCE, 英辞郎, Idiom Origins, The Content Authority)