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get a grip の用法
名詞の grip もたくさんの意味がありますが、とりあえずメインを3つ挙げると、「しっかり握ること」「制御すること」「理解すること」。
grip はたいてい単数形で使われます。
物理的に「握る」ことから、比ゆ的に「制御」や「理解」の意味に広がったのでしょう。日本語でも「掌握」「把握」のように、「握る」の字が使われてますね。
- get a grip:
- しっかり手で握る
- 制御したり支配したりする
- 把握したり理解したりする
「しっかり手で握る」
動詞の grip(しっかり握る)を使っても同じです。同義語は grasp。
この2つはスペルも似てます。grip は古英語の「握る」から来たもので、gripe [gráip] に関連しているとのこと。
ちなみに、gripe は「握る」の意味もある(あった?)ものの、「不平を言う」の意味で使われることがほとんどです。
一方、grasp は、おそらく中英語後期の grope に関連しているそう。grope は「手探りする」。ただ、grope も、元を辿れば gripe と結び付いてます。
- Make sure you've got a grip on your end of the couch before we try to lift it.
(ソファを持ち上げる前に、ソファの端をしっかりと掴め) - You need to get a grip on the handle.
(ハンドルをしっかり握る必要がある)
「制御する、支配する」
take a grip や、have a grip でも同じ意味です。「制御」「支配」「管理」といったニュアンス。
- The government is finally getting a grip on the economy.
(政府はようやく経済を掌握しつつある) - If we don't get a grip on our spending, the company is going to be bankrupt by the end of the year.
(支出を管理しなければ、会社は年末までに倒産するだろう)
<get a grip on oneself とは>
また、get a grip on oneself の形になって、「自分の感情をコントロールする」の意味でもよく使われます。
「落ち着く」「冷静になる」「しっかりする」のような訳がよさそう。
命令形になることも多く、get a grip だけの場合もあります。
- I took a deep breath, trying desperately to get a grip, to hold myself together.
(深呼吸をして、必死に冷静になろうとし、自分を保とうとした) - Get a grip! she admonished herself, dashing her tears away.
(しっかりしろ! 彼女は涙を流しながら自分を戒めた) - Sarah needed to calm down and get a grip on herself in order to drive home safely.
(サラは安全に運転して家に帰るために落ち着いてしっかりする必要があった)
get a grip は、かつていくつかの意味があり、たとえば軍隊では1940年代から「自分のやっていることに注力する」の意味で使われていたとか。
数十年後の大学では、「注意を払う」というスラングでした。ただそれらの意味は失われ、現在の意味だけが生き残ってます。
反意語は、lose one’s grip。こちらは「(他の物事や自分自身に対して)支配力を失う」こと。
文字通り、「握る力を失う」「手を離す」の意味もあります。
- The climber slipped and lost her grip.
(登山者は滑って手を離した) - I don’t know what’s the matter; I think I’m losing my grip.
(何が起こったのか分からない。対処できなくなっている) - Unfortunately, lately her mother seems to have lost her grip on reality.
(残念ながら、最近彼女の母親は現実を理解できなくなったようだ) - If she succeeded, Mike would lose his grip on the firm.
(彼女が成功すれば、マイクは会社を支配する力を失うだろう)
「把握する、理解する」
「握る」や「支配する」の意味は、動詞の grip にもあるけれど、「把握する」は動詞にはない使い方かも。
- Once I got a grip on how to operate the new system, I found that it made my job much easier.
(新しいシステムの操作方法を理解すると、仕事がはるかに簡単になることが分かった) - I think I've finally gotten a grip on polynomials.
(ようやく多項式を理解できたと思う) - I’m just trying to get a grip on what’s happening.
(私はただ、何が起こっているのかを把握しようとしているだけだ)
get to grips の用法
get to grips は「新しいものや、難しいもの、複雑なものを理解して対処する」ことです。get a grip は「理解し把握する」。
「理解する」のは同じだとしても、get to grips のほうは「対処する」ことが目的です。理解するだけではなく、そこから先へ行く感じ。
動詞は get の他、come to grips でも一緒です。
- get to grips:
- 理解して対処する
- I’ve never really got to grips with this new technology.
(この新しいテクノロジーを本当に把握することができなかった) - They have so far failed to come to grips with the ecological problems.
(彼らはこれまでのところ、生態学的問題に対処できていない) - Now he's getting to grips with his injuries.
(今、彼は怪我と向き合っている)
get to grips の由来
フレーズの起源ははっきりしませんが、レスリングから来たものではないかと考えられています。レスリングでは、互いに対戦相手の体をつかんで制御しようとします。
互いに体をつかみ合うため、grips と複数形なのかもしれません。
もとはそうした肉体的な戦闘に関して使われ、今ではもっと広い範囲で使用されるようになりました。
get a grip の場合は on が付いて「~を理解する」だったけれど、get to grips は with です。
on は上から押さえつけるイメージがあるのに対し、with は取っ組み合うイメージがありますね。
まとめ
英語力アップには音読練習を
テキストを見ながら、英語を普通のスピードで音読できますか?
実はこれ、案外難しいんです。思ったよりも、口が回らなくて付いていけない…ということになりがち。
音読は、英語を頭で即座に処理するための効果的な練習になります。
『LanCul(ランカル)』は映画やドラマの台詞をシャドーイング練習できるアプリです。洋画が好きな方におすすめ。
シャドーイングは、聴く力と発話力を高めるお口の体操。初めは付いていくのが大変ですが、映画の台詞なので、登場人物気分でなかなか面白いですよ。
(引用・参照元: Oxford Learner's Dictionaries, The Free Dictionary, Collins dictionaries, Cambridge Dictionary, LDOCE, CrossIdiomas.com)