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「a part of」 と 「part of」 の違い  「all part of」 は間違いじゃない?

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a part ofとpart of、all parts ofとall part ofの違い

 

part は可算名詞?

怒りのエイ
all があれば、その後ろの名詞は複数形だろ
目閉じのソウ
さあ。それはどうだか

all は数えられる名詞に付けば、その名詞は複数形ですが、数えられない名詞の場合、複数の -s は付きません。いつも複数形を取るわけではないです。

では、part は数えられる名詞かそうでないのか、どちらだと思いますか?

答えは、両方です。part は可算名詞にも不可算名詞にもなります。part of(~の一部)の形で考えて見てみましょう。

何かの「特定の一部分」なら可算名詞。part に a-s が付きます。

一方、特徴のないどれでもいい部分、何かの「不特定の一部分」なら不可算名詞で、part は無冠詞です。

さてさて、では a part of や part of の後ろに来る名詞はどうかと言うと…。どちらの場合も、of に続くのは可算名詞の単数形、または不可算名詞になります。

すなわち、「(a) part of+複数名詞」とはなりません。「何かの一部分」の「何か」は単数形なわけです。

(a) part ofに続く名詞

 

a part of の場合

まず、part が数えられる名詞の場合です。

何らかの特徴を表す形容詞が付いたり、全体の中の特定の部分を示す時は、a-s が付きます。

 

  • a part of【可算名詞】
    1. 特徴を表す形容詞が前に付く場合
    2. 全体の中の特定の一部分を示す場合
  • We learned about all the different parts of the digestive system.
    (消化器系の異なる部分すべてについて学んだ)
  • The lower part of her spine was crushed in the accident.
    (その事故で彼女の背骨の下部が押し潰された)
  • Wool production was a key part of the economy.
    (羊毛生産は経済の重要な部分だった)
  • Death is a part of life.
    (死は人生の一部だ)

 

parts of の場合

part に -s が付くパターンもあります。複数なので「一部」とは訳しづらいです。無理に「部分」と強調しないほうが自然かも。

  • The cancer could spread to other parts of the body.
    (がんは体の他の部分に転移する可能性がある)
  • Different insects feed on different parts of the plant.
    (異なる昆虫は異なる植物を食べる)

 

part of の場合

こちらは「全部ではない不特定の部分」で、特に「他の部分」と差異のない「部分」を示します。この時の part は、数えられない名詞です。

 

  • part of【不可算名詞】
    1. 全体の中の不特定の一部分を示す場合

 

  • Part of my steak isn't cooked properly.
    (ステーキの一部がきちんと焼けていない)
  • He spends part of the year in Ireland.
    (彼は一年の一部をアイルランドで過ごす)
  • Part of the problem is that more and more people live alone.
    (問題の一部は一人暮らしの人が増えていることだ)
  • Production is only part of it; you also have to sell your products.
    (生産はほんの一部に過ぎない。製品を販売する必要もある)

 

a part of と part of の区別

ノーマルのエイ
of の後に来る語によって決まるんじゃない?
横目のソウ
ある意味そうだが。of に続く名詞が可算名詞か不可算名詞かで決まるわけじゃない

 

of の後ろの名詞が不可算名詞だから part も不可算名詞かというと、そうではありません。part に形容詞が付けば、たいてい「a+形容詞 part of

形容詞がない場合などは、話者のニュアンス的に「特定の一部分」か「不特定の一部分」か分かれたりするので、その辺がわりと曖昧です。

  • We spent part of the day in the library.
    (一日の一部を図書館で過ごした)
  • We spent a good part of the day rehearsing.
    (私たちは一日の大半をリハーサルに費やした)

 

part に a を付けるか付けないかは、厳密に考えないほうがよいかもしれません。

というのも、たとえば、「大部分は」の意味の in a large part は、large という形容詞が付いてます。part of ではないけれど、それは置いておくとして…。

辞書には、a が付く形も a が付かない形も載ってます。どちらも間違いではなさそう。

a part ofpart of を比べると、形容詞が付く場合を除いて、part of と無冠詞で使うほうが多いです。

  • How quickly we can finish the project depends in a large part on when we get the payments through.
    (プロジェクトをどれだけ早く完了できるかは、支払いがいつ完了するかに大きく依存する)
  • Their success was due in large part to their ability to speak Spanish.
    (彼らの成功は主にスペイン語を話せたことによるものだった)
  • The speech was in large part an attack on the Prime Minister.
    (その演説は主に首相に対する攻撃だった)

a part ofとpart ofの違い

 

part of の後に来る名詞

初めに少し触れましたが、「a part of や part of は、可算名詞の単数形、または不可算名詞の前で使用する」とThe Free Dictionaryに記載されてます。

of の後ろに複数形の名詞が来る場合は、(a) part of ではなく、some of にすればOK。

  • Part of the students have no books.
    (一部の学生は本を持っていない)
  • Some of the students have no books.
    (一部の学生は本を持っていない)

 

また、「~の大部分」は a large part of ですが、これも複数名詞が続けば、代わりに many of を使います。

  • A large part of the houses have flat roofs.
    (家屋の大部分は平らな屋根がある)
  • Many of the houses have flat roofs.
    (家屋の多くは平らな屋根がある)

 

ところが…リーダーズ英和辞典(初版)には、(a) part of の用法について以下のような記述がありました。

Part [A part] of the students live in the dormitory.
(学生の一部は寮に住んでいる)

あとに単数名詞を従えるときは単数扱い、複数名詞のときは複数扱いにする

 

果たして、どちらが正しいのか。リーダーズは初版のため、おそらく現在の使い方とは違うのではないかと…。

 

all part of は間違い?

それでは、最初に戻って、all が part に付いた場合に all part ofall parts of のどちらになるか見ていきましょう。

困りのエイ
part が数えられる名詞なら、複数形になるわけだ
目閉じのソウ
半分正解
怒りのエイ
は? 半分て何だよ

all+複数名詞 と all+不可算名詞

一番初めに述べたように、all が付く時、数えられる名詞なら複数形になり、数えられない名詞なら a や -s は付きません。

名詞の前に the 、this、my などを付けるのはOKです。

 

  • all+複数名詞 複数扱い
  • all+不可算名詞 単数扱い

 

all+複数名詞

  • All horses are animals, but not all animals are horses.
    (すべての馬は動物だが、すべての動物が馬ではない)
  • All the people you invited are coming.
    (招待した人全員が来る)
  • All my plants have died.
    (私の植物はすべて枯れてしまった)

 

all+不可算名詞

  • All wood tends to shrink.
    (すべての木材は収縮する傾向がある)
  • All this mail must be answered.
    (このメールにはすべて返信する必要がある)
  • He has lost all his money.
    (彼はお金を全部失ってしまった)

 

all part of の用法

  • It's all part of God's plan.
    (すべて神の計画の一部だ)

 

上記は、WEB上でちょこちょこ見かける1文です。でも、part には複数の -s が付いていません。

the three parts of God's plan(神の計画の3つの部分)というフレーズもあり、そこでは、parts になってました。以下の例文でも、all parts of です。

  • He had access to all parts of the factory.
    (彼は工場のあらゆる部分にアクセスできた)

 

この場合の part は数えられる名詞なわけです。なのに、どうして最初の例文は all parts of になっていないのでしょう?

all part of God's plan は、文法的に間違いなのでは…? と思いたくなるけれど、間違いではありません。

なぜなら、all は「すべての」という限定詞ではなく、「すべて」「完全に」という副詞だからです。completely(完全に、まったく)と同じ。

all part of は「~のすべての部分」ではなく、「まったく~の一部」。

all が形容詞でないなら、part of God's plan でも a part of God's plan でもいいことになりますね。ただ、無冠詞の part of を使うほうが普通です。

 

「完全に、まったく」の all

  • The kids all go to school on the same bus.
    (子供たちは全員同じバスで学校へ行く)
  • These items could all have been bought cheaper on the Internet.
    (これらの品物はすべてインターネットでもっと安く買えたはずだ)
  • The students are all here now. We can start.
    (生徒はもう全員いる。始めよう)
  • The cake was all eaten last night.
    (昨夜ケーキは全部食べられた)

all part ofは間違いか?

 

まとめ

怒りのエイ
なんか最後の、ズルくない?「品詞が違う」とか引っ掛けじゃん
横目のソウ
そう言われても…

all にはそういう用法もあるもので。

 

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少しでも理解の助けになれたら幸いです。お読みいただき、ありがとうございました。

(引用・参照元: Oxford Learner's Dictionaries, The Free Dictionary, リーダーズ英和辞典, Cambridge Dictionary, LDOCE)