名詞の cold の意味と用法
cold は名詞で「風邪」ですが、「風邪をひく」という言い方はいくつかあります。
- get a cold: 風邪をひく
- catch (a) cold: 風邪をひく
- take cold: 風邪をひく
- have a cold: 風邪をひいている
- suffer from a cold: 風邪を患う(苦しむ)
catch a cold は「風邪をひく」
get a cold(a が必要)、catch (a) cold、take cold(a は付けない)は「風邪をひく」。have a cold と suffer a cold に関しては、少しニュアンスが違いますね。
catch は、catch a cold も catch cold もどちらもOKで、意味は変わりません。
- I must have caught a cold on the bus.
(バスの中で風邪をひいたに違いない) - If you stay out in the rain you'll catch cold.
(雨の中にいたら風邪をひく)
catch 人 cold は「不意をつく」
この用法では、catch と cold の間に必ず名詞か代名詞が来ます。意味は「不意をついて驚かせる」。
特に、イギリス英語のジャーナリズムの言い回しで、スポーツで相手の不意をついて優位に立つような場合によく見られます。
- If we can catch their defense cold, we should be able to tie the game.
(ディフェンスの不意をつけば、同点にできる) - News that I'd gotten the promotion really caught me cold ― I didn't think they were seriously considering me for it.
(昇進が決まったという知らせには、本当にびっくりした。本気だとは思わなかったから)
cold には、主にアメリカ英語で 「突然に」「準備なく」という副詞の用法があります。それと関係しているのかも。
- I can't just walk in there cold and give a speech.
(準備もなく、いきなりそこへ行ってスピーチなんてできない) - Paul stopped cold. ‘What was that noise?’
(ポールは突然立ち止まった。「今の音は何だ?」)
cold feet の意味
get cold feet は、そのまま訳せば「足が冷たくなる」ですが、「怖気づく」というイディオムです。何かをしようとした時に、勇気がなくなったり緊張したりすること。
- She always gets cold feet before a performance.
(彼女はいつも上演前は怖気づく) - My boyfriend got cold feet about being in a committed relationship.
(私のボーイフレンドは結婚を前提にした関係になることに躊躇した)
普通に「足が冷たい」なら、 My feet are cold. のように言ったほうが紛らわしくないでしょう。
get cold feet の由来は?
どうしてその意味になったのか、起源ははっきりしません。17世紀初頭のイタリアのことわざでは、「お金がないこと」を意味していたそう。ただ、英語でその用法はありません。
現在の意味は、19世紀から使われているようで、足が凍って退却する兵士に由来するという説もあり。
cold shoulder の意味
get the cold shoulder は「冷たくあしらわれる」。たいてい「無視される」ことを示し、それまで好意的だったのに、いきなり態度が変わったような状況でよく使われます。
「冷たい態度をとる人」を主語にすれば、give ~ the cold shoulder で「~を冷たくあしらう」。cold-shoulder(~を冷たくあしらう)という動詞もあります。
- I thought that Mary and I were friends, but lately I've been getting the cold shoulder.
(メアリーとは友達だと思っていたが、最近は冷たくされている) - For some reason they’ve been giving me the cold shoulder.
(どういうわけか、私は冷遇されている) - Lucy cold-shouldered the guy who was trying to flirt with her.
(ルーシーは、言い寄る男を冷たくあしらった)
cold shoulder の由来は?
cold shoulder は「冷たい肩ロース肉」のことだという説があり。
いいお客さんには焼肉料理を出して歓迎するけれど、歓迎しないお客さんには牛肉や羊肉の冷たい肩ロースを出すだけという、1800年代前半の習慣に由来するとか。
スコットランドの作家、サー・ウォルター・スコットの The Antiquary(1816年)という小説の中で初めて使われた表現だそう。
ただ小説の中では、warm hug(温かい抱擁)の反対として cold shoulder が使われているのであり、肩ロース肉から来たものではないとする見解もあります。
「冷たさ」のいろいろ
無感情や無関心など、感情面で「冷めた」状態も cold です。
たとえば、cold fish(冷たい魚)は「無感情で打ち解けない人」を指します。
leave ~ cold の意味
leave ~ cold は「~の興味を引かない」「~に感銘を与えない」。「心が冷めたままにしておく」といったニュアンスです。
目的語が「人」で、主語は「物事」になることが多いですね。
- The presentation had some nice points, but in general it just left me cold.
(プレゼンにはいいところもあったが、概して興味を引かれなかった) - The music's good, but the story left the producer cold.
(音楽はいいが、ストーリーはプロデューサーを冷めさせた)
元記事 「冷たい」だけじゃない cold の他の意味 をリライト
(引用・参照元: Oxford Learner's Dictionaries, The Free Dictionary, LDOCE)