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break の5つの意味
「コーヒーブレイク」なる言葉を初めて聞いた時、ものすごく違和感でした。break を「破く」「壊す」の意味だけで覚えていると、そうなりませんか?
和製英語かとも思ったけれど、coffee break はちゃんとした英語…。
break の意味は多すぎて、もう大変です。とりあえず、名詞について5つに分類して考えてみます。
- break:
- 「一時中断、合間」
何かと何かが「中断している時間」や、物理的な「切れ間」 - 「終了、変わり目」
何かとの関係を「終わらせること」 - 「突然の動き」
何かが「突然動いたり変化すること」 - 「好機、運」
欲しいものを手に入れたり成功する「チャンス」 - 「亀裂、破損」
物理的、または精神的、あるいは比ゆ的な「ダメージ」
- 「一時中断、合間」
「一時中断、合間」
<時間・期間の場合>
「何かの行動の一時中断」のことで、仕事などの場合は「休憩」です。短い休憩もあれば、「長い期間の休憩」、すなわち「休暇」もあります。
数えられる名詞なので、a が付く場合も多いですね。
- They worked through the night without a break.
(彼らは一晩中休みなく働いた) - Do you usually take a morning or afternoon break?
(あなたは通常、午前または午後に休憩を取りますか?) - How long is the Christmas break this year?
(今年のクリスマス休暇はどのくらい?) - We're looking forward to the summer break.
(私たちは夏休みを楽しみにしている)
- take a break:
- 「休憩を取る」
ただし、主にイギリス英語で「学校で授業と授業の合間や休憩時間」の時は、なぜか数えられない名詞になります。
at break(休憩時間に)のように言い、break time でも同じです。
- I’ll speak to you at break.
(休憩時間に話すよ) - They get together with their friends at break time.
(彼らは休み時間に友達と集まる)
また、ちょっと面白いのが、「番組の合間のコマーシャル」を break と呼ぶことでしょう。
- I'll make us a cup of tea in the next break.
(次のコマーシャル休憩時にお茶を入れよう) - Most viewers tend to skip through the ad breaks.
(ほとんどの視聴者はコマーシャル休憩をスキップする傾向がある)
<切れ間・隙間の場合>
行動や時間的な「中断」以外に、物理的な「何かと何かの切れ間や隙間」も表します。
- Wait for a break in the traffic before crossing the road.
(道路を渡る前に、交通が途切れるのを待ってください) - We crawled through a break in the hedge.
(私たちは生垣の隙間を這って通り抜けた) - The sun shone through a break in the clouds.
(雲間から太陽が輝いた)
「終了、変わり目」
「人との関係や何かを終わらせること」を意味し、それは同時に「何かが終わり、何かが始まること」でもあります。
「何かの終わり」は「別の何かの始まり」。
- He was beginning to regret his break with the Labour Party.
(彼は労働党との離別を後悔し始めていた) - It was years before I plucked up enough courage to make the break and leave him.
(私が十分な勇気を出して、彼と決別して去るまで何年もかかった) - She promised that her presidency would make a break with the past.
(彼女は大統領就任で過去と決別すると約束した) - I wanted a clean break so that I could restart my life.
(人生をやり直すために、きっぱり決別したかった)
make a / the break は「決別する」ですが、make a break は「突然走る」の意味でも使われます。
- make a break:
- make a / the break 「決別する」
- make a break for / toward 「突然~に向かって走る」
- make a break from 「急いで~から逃げる」
- The cat made a break for the door.
(猫はドアへと走った) - A group of prisoners made a break from the jail a few years back.
(数年前、ある囚人グループが刑務所から脱獄した)
「突然の動き」
break には「急な動きや変化」のようなニュアンスがあり。「突然走ること、ダッシュ」の他、「天候の急変」の意味でもよく使われます。
ただ「天候の急変」といっても、悪い天気から良い天気への変化です。
- The dog made a break toward the open field.
(犬は野原のほうへ走った) - The break in the weather gave us the chance to finish our work outside.
(天気が回復したので、私たちは外で仕事を終えることができた) - We'll have to wait for a break in the weather before we attempt to cross the mountain.
(山を越える前に、天気が回復するのを待たなければならない)
「好機、運」
日本語の「ブレイク」は「成功する幸運な機会」というポジティブな意味です。英語も同じではあるけれど、たまに「悪い運」を示す場合もあります。
ポジティブな使い方としては、
- He got his first break appearing in a variety show.
(バラエティ番組に出演して初めてブレイクした) - Her big break came when she was offered a role in a Spielberg movie.
(彼女が大ブレイクしたのは、スピルバーグ映画に出演オファーがあった時だった) - Getting that first job was a lucky break.
(最初の仕事に就けたのは幸運だった)
悪い意味の時は、bad(悪い)や tough(厳しい)などの形容詞が付いて、「不運」や「困難な状況」を表します。breaks と複数形のことが多いかも。
また、tough break は、誰かの不運に対して、軽く同情を示す言葉としても使われます。
- They've had a few bad breaks lately.
(彼らは最近何度か不運に見舞われた) - He got a tough break when he was denied a raise.
(彼は昇給を拒否され不運だった) - I'm sorry to hear about your accident. Tough break.
(事故のことを聞いて気の毒に思う。大変だね)
「亀裂、破損」
亀裂が入ったり、破損したりという、ダメージの break は動詞の break からも推測できますね。
特にアメリカ英語で、価格が暴落することも break と言います。消費者としては、物価が安くなるのはありがたいとはいえ、提供者側にとってはダメージです。
- A break in a water main caused a whole section of the city to flood.
(水道本管の破損により市内全域が浸水した) - It’s quite a bad break, which will take several months to heal.
(かなりひどい骨折で回復には数か月かかる) - They are changing their pricing policy and offering small investors a big price break.
(価格設定方針が変更され、小規模投資家に大幅な値崩れを提供している) - The big break in cattle prices has forced ranchers to stop selling young cattle.
(牛の価格の大幅な下落により、牧場主は若い牛の販売を中止せざるを得なくなった)
water main は「水道本管」という名詞のため、a が付いてます。
先程上で挙げた「大ブレイク」も big break ですが、「大幅な価格破壊」も price を伴って big break です。
give a break とは
休憩などの用法
give 人 a break と言う時、break は文脈によっていろいろな使われ方をします。
休憩や休みを人に与える場合はもちろん、値引きやブレイクを与えたり。さらに、イディオムとしての用法もあります。
- I babysit every Friday to give her a break.
(私は彼女に休んでもらうため毎週金曜日に子守をする) - New customers will be given a break on maintenance fees.
(新規の顧客は維持費が割引される) - If you just give me a break, you won't regret it.
(私をブレイクさせてくれたら、後悔させないよ)
イディオムの用法
イディオムでは、「人に対して許容してチャンスを与える」、あるいは「煩わせたり、ばかげたことをやめて欲しい」という訴えです。
<許容してチャンスを与える>
break は「好機・運」の亜種とも取れるかも。「勘弁する」「大目に見る」といった訳がよさそうです。
- I think she's only done what a lot of students do and we should give her a break.
(彼女は多くの生徒と同じことをしただけだと思うので、大目に見るべきだ) - I'm sorry! I'll do better! Give me a break!
(ごめん! もっと上手くやるよ! 勘弁して!) - Give her a break — she's only a child and she didn't mean any harm.
(彼女を大目に見てあげて。まだ子供であり、危害を加えるつもりはなかった)
<ばかげたことをやめて欲しい>
この用法では、たいてい give me a break の形になります。由来を調べてみたものの、分かりませんでした。
break は上に挙げた5つの意味に当てはまりません。ただ、日本語で「馬鹿も休み休み言え」という言い回しがあるので、もしかしたらそれと似ている…?
口語の短縮形だと、gimme a break です。give me a break で「GMAB」 なんていう頭字語まであり。
- You say a gorilla is loose in the city? Gimme a break!
(ゴリラが街に放し飼いにされているって? 馬鹿言うな!) - Do you have to go on and on? Give me a break!
(ずっと続けないといけないの? 勘弁して!) - Come on, GMAB! How dumb do you think I am!
(いい加減にして! 私をどれだけバカだと思ってるの!)
them's the breaks とは
もうひとつ、このフレーズの break とは何でしょう?
文法的にヘンだし、くだけた感じですが、イディオムになってます。訳すとしたら、「物事はそういうものだ」。
それが自分にとって悪いことであっても、「そういうものなので、受け入れるしかない」「どうにもならないことであり、仕方がない」というニュアンスです。
that's the breaks、those are the breaks などの言い方もあって、バリエーションが豊富。
- I was born a year too late to qualify, but them's the breaks.
(私は資格を得るには生まれるのが1年遅すぎたが、物事はそういうものだ) - Your pension has disappeared? That's the breaks.
(年金がなくなった? そういうものだ) - It was a disappointing result, but them's the breaks, I suppose.
(残念な結果だったが、そういうものだと思う)
イディオムの起源は、ビリヤードだとか。
ビリヤードで、ボールをラックアップする(特定の形に並べる)と、プレイヤーが最初のショットを打って、ボールを散らします。これが break(ブレイク)。
「ブレイク」の結果は変えることができません。ボールがマズい配置になってもそのまま続けるしかなく「どうにもならないこと」です。
まとめ
また6000字越えてしまった…。お読みいただき、ありがとうございました。
英語力アップには音読練習を
テキストを見ながら、英語を普通のスピードで音読できますか?
実はこれ、案外難しいんです。思ったよりも、口が回らなくて付いていけない…ということになりがち。
音読は、英語を頭で即座に処理するための効果的な練習になります。
『LanCul(ランカル)』は映画やドラマの台詞をシャドーイング練習できるアプリです。洋画が好きな方におすすめ。
シャドーイングは、聴く力と発話力を高めるお口の体操。初めは付いていくのが大変ですが、映画の台詞なので、登場人物気分でなかなか面白いですよ。
(引用・参照元: Oxford Learner's Dictionaries, The Free Dictionary, Cambridge Dictionary, LDOCE, Collins Dictionaries, Linguaholic)