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indifferent の用法
indifferent はなぜ「無関心」
different は「異なった」という形容詞で、indifferent は「無関心な」。
in- はたいてい「打消し」「否定」の意味を付加する接頭辞なのに、この単語ではそうなってません。それがずっと不思議でした。
調べてみると、indifferent は、14世紀後半に古フランス語の indifferent(公平な)から、あるいはラテン語の indifferentem(違いのない、重要でない、善でも悪でもない)から来たようです。
もともとは、「違いがない」の意味だったわけですね。different の反対です。
これが「好きでも嫌いでもない」「どちらか一方に偏らない」のように広がって、15世紀初頭に「無関心な」になったとか。
「良くも悪くもない」が indifferent の基本概念ですが、17世紀以降は「むしろ悪い」のような傾向になったそう。どちらかと言うと、ネガティブ寄りのニュアンスです。
そんなわけで、indifferent には意味が2つあります。ひとつは「無関心な」、もうひとつは「あまり良くない」。
- indifferent:
- 「無関心な」
- 「あまり良くない」
「無関心な」
たいてい叙述用法になり、名詞に付くことはあまりありません。
indifferent to は「~に対して無関心な」。indifferent about は「~について無関心な」。…微妙な違い。
- Sarah was absolutely indifferent to him.
(サラは彼に対して全く無関心だった) - She was utterly indifferent to his irritation.
(彼女は彼の苛立ちに全く無関心だった) - Many young people are indifferent about the plans.
(多くの若者は計画に無関心だ) - It's very hard to teach a class full of indifferent students.
(無関心な生徒ばかりのクラスを教えるのは非常に難しい)
「あまり良くない」
indifferent は、もともと「良くも悪くもない」ことを言う表現です。
どっちつかずではあるものの、気持ちとしては not very good「あまり良くない」「凡庸だ」という訴えになります。名詞に付くこともあり。
- We didn't like the restaurant much ― the food was indifferent and the service rather slow.
(そのレストランがあまり好きではなかった。食べ物は凡庸でサービスはかなり遅かった) - The service at the restaurant was indifferent at best.
(レストランのサービスはせいぜい可もなく不可もなくだった) - She had starred in several very indifferent movies.
(彼女はいくつかのあまり良くない映画に主演した) - Much of the food we eat is of very poor or indifferent quality.
(私たちが食べる食べ物の多くは非常に質が悪いかあまり良くないかだ)
good, bad, or indifferent
good, bad, or indifferent は「良いか悪いか、どちらでもないか」。このフレーズは、よく記事タイトルで、疑問を投げかける時などに使われます。
- good, bad, or indifferent:
- 「良いか悪いか、どちらでもないか」
- Tax Breaks for the Wealthy to Stimulate the Economy: Good, Bad, or Indifferent?
(経済を刺激するための富裕層への減税は、良いか悪いのかどちらでもないか?) - How are we feeling about tomorrow's exam ― good, bad, or indifferent?
(明日の試験についてどう感じているのか。良いか悪いかどちらでもないのか?)
different の用法
different の意味
different の意味も、実は2通りあります。「異なった」と「普通ではない」。
ラテン語の動詞 differre(運び去る)から、古フランス語を経由し「異なる」の意味になり、後になって「普通ではない」という口語の意味ができたそう。
- different:
- 「異なった」「別の」
- 「普通ではない」
「異なった」「別の」
「~と異なる」と言う場合、一番一般的で正式なのは different from です。
ただ、to や than を使ってもOK。different to は主にイギリス英語、different than は主にアメリカ英語です。
- different from:
- 「~と異なる」 最も一般的で正式
- different to:
- 「~と異なる」 主にイギリスで使う
- different than:
- 「~と異なる」 主にアメリカで使う
- Emily is very different from her sister.
(エミリーは妹とは全く違う) - You are really no different to the rest of us.
(あなたは本当に私たちと何ら変わらない) - This project is quite different than anything we've done before.
(このプロジェクトは私たちがこれまで行ってきたものとはまったく異なる) - They are sold in many different colours.
(それらは多くの異なる色が売られている) - You turn this dial to find a different radio station.
(別のラジオ局を見つけるにはこのダイヤルを回します)
否定文の場合
否定文の時はどうなるかと言うと、not different from とは言いません。
ただし、much や very が付いて、not much/very different from(あまり変わらない)ならOK。much は否定文で使い、肯定文では使わないのでご注意を。
また、no different from なら、「~と何ら違わない」「似ている」を意味します。
- He's no different from the rest.
(彼は他の人たちと何ら変わらない)
- He's not different from the rest.
- He's not much/very different from the rest.
(彼は他の人たちとあまり変わらない)
different than の利点
different than は、than 以下が節になる時に便利です。というのも、than だと簡潔に文章を済ませられます。
different from に節が続くと、きちんと主語・動詞を入れなければならず、より多くの単語を使うことになります。短い文章のほうが好まれるため、different from は若干面倒。
もっとも、than はアメリカでは標準的なものの、イギリスでは完全に受け入れられてはいないようです。
- The stream followed a different course than the map showed.
(小川は地図が示したものとは異なるコースを辿った) - The stream followed a different course from the one the map showed.
(小川は地図が示したものとは異なるコースを辿った)
「普通ではない」
「普通ではない」とは、「普通とは異なる」「特別な」といったニュアンス。
必ずしもネガティブな意味ではないけれど、「気に入らない気持ち」を表すこともしばしば。話し言葉で使われます。
- "Did you enjoy the play?" "Well, it was certainly different!"
(「演劇は楽しめた?」「ええ、確かに普通とは違った!」) - "Do you like my new shoes?" "Well, they sure are different."
(「私の新しい靴は気に入った?」「うん、確かに普通と違うね」) - His methods are different, but no less effective for that.
(彼の方法は普通と違うが、まさしく効果的だ)
not にならない in- が付く形容詞
flammable と inflammable
flammable は「燃えやすい」「可燃性の」。flame(炎)から推測できますね。
これに in- が付いた inflammable は主にイギリス英語ですが、意味は「燃えない」…ではなく「燃えやすい」。flammable と同義語です。
ラテン語の inflammare(火をつける)から来ていて、英語の inflame は「火をつける」「火がつく」。この in- は「中へ」の意味で、not とは関係ありません。
not の意味の in- もラテン語起源なわけで、そりゃ混乱するでしょう。
そのため、「燃えやすい」の意味では flammable、反対語としては non-flammable(燃えない、不燃性の)がよく使われます。
ちなみに、not の意味の接頭辞は一般的に、ラテン語要素のものには in-、古英語などネイティブ要素のものには un- が付くとのこと。
- flammable:
- 「燃えやすい」「可燃性の」
- inflammable: 対義語ではない
- 「燃えやすい」「可燃性の」
- non-flammable:
- 「燃えない」「不燃性の」
- Caution! This solvent is highly flammable.
(注意! この溶剤は可燃性が高い) - Hydrogen is a highly flammable gas.
(水素は非常に可燃性の高いガスだ) - Petrol is highly inflammable.
(ガソリンは非常に可燃性が高い) - Fortunately, the tanker that crashed was transporting non-flammable liquids.
(幸運にも、衝突したタンカーは不燃性の液体を輸送していた)
famous と infamous
famous [féiməs] は「有名な」、infamous [ínfəməs] は「悪名高い」。発音が違い、意味も反対とは言えません。
infamous は中世ラテン語の infamosus から来ていて「in-(not の意味)+famosus(有名な)」とラテン語の infamis(悪名のある)が融合したものだそう。
あろうことか、スペルが似ている infamis と合体して「悪名高い」になったという。
unfamous [ʌnféiməs](有名ではない)という語はあるけれど、infamous とごっちゃになりそうでややこしい(ので、あまり使われないかも)です。
- famous:
- 「有名な」
- infamous: 対義語ではない
- 「悪名高い」
- unfamous:
- 「有名でない」
- The city is justly famous for its nightclubs.
(この街は当然ナイトクラブで有名だ) - She was more famous as a writer than as a singer.
(彼女は歌手としてよりも作家として有名だった) - He is infamous for saying that cheating is the way the game is played.
(彼は不正行為はゲームのやり方だという発言で悪名高い) - He was a member of the regime's infamous secret police.
(彼は政府の悪名高い秘密警察の一員だった) - I was unfamous for a very long time before I became successful.
(成功する前は長い間無名だった)
valuable と invaluable
valuable は「価値がある」。invaluable は「in-(not の意味)+ value(動詞で「価値を見積もる」)+ -able(できる)」。
1570年代に、「価値を見積もることができない」が転じて、「価値を付けられないほど価値がある」「非常に価値がある」になりました。
反対語は、valueless(無価値な)。ただ invaluable も、1630年代には「価値のない、無価値な」という意味でも使われていたとか。
- valuable:
- 「価値がある」
- invaluable: 対義語ではない
- 「非常に価値がある」
- valueless:
- 「無価値な」
- My home is my most valuable asset.
(私の家は私の最も価値のある財産だ) - The book provides valuable information on recent trends.
(その本は最近の傾向について貴重な情報を提供する) - This technology is invaluable for pupils with poor sight.
(この技術は視力の弱い生徒にとって非常に貴重だ) - Your support has been invaluable to us.
(あなたの支援は私たちにとって非常に価値がある) - Her shares in the company have become valueless.
(会社の彼女の株は無価値になった)
まとめ
in- が反対の意味にならない形容詞はいくつかあります。in- が付くと not のことだと覚えてしまうと、危険かもしれません。
英語に馴染むために
国内で発行される英字新聞は、英語教材として優秀です。
従来の「読む」はもちろん、「書く」練習もあり、WEBサイトで英語音声を「聴く」もセットになっていたりします。
The Japan Times Alpha(ジャパンタイムズアルファ)
日本語の対訳や注釈付きなので、辞書なしで読めます。初心者にも優しい。
英文ライティングなど学習要素が強く、新聞と言うより、初級者から上級者まで対象にした英語教材といった感じ。
発行は週刊で、1週間分の学習としてはちょうどよい分量です。
週刊英和新聞Asahi Weekly(朝日ウイークリー)
こちらも、和訳や日本語注釈付き。英作文や英文法など学習コラムが充実してます。
読みやすさを重視して、英語学習者を飽きさせないための工夫が上手い。ニュース記事の濃さは、さすがメジャーな新聞出版社。
少しでも理解の助けになれたら幸いです。お読みいただき、ありがとうございました。
(引用・参照元:The Free Dictionary, Oxford Learner's Dictionaries, Cambridge Dictionary, Online Etymology Dictionary, LDOCE)