当サイトはアフィリエイト広告を利用しています。
- kiss of life と kiss of death
- kiss off の用法
- kiss up to(へつらう)
- kiss and tell(暴露する)
- kiss~better(怪我を癒やす)
- まとめ
kiss of life と kiss of death
![怒りのエイ](https://s32.myssl.jp/enparlor/img/ei_ikari.png)
![目閉じのソウ](https://s32.myssl.jp/enparlor/img/sou_metoji.png)
kiss of life の意味
kiss にもいろいろあります。実際の kiss というより、フレーズ的な意味で。
the kiss of life は、イギリス英語で「口移しの人工呼吸」です。文字通りの訳は「命のキス」なので、成程という感じです。
「人工呼吸」は mouth-to-mouth(マウス・トゥ・マウス)という言い方がよく知られてますね。これは、きっちり書くと mouth-to-mouth resuscitation。
resuscitation [risʌ̀sitéiʃən] は「蘇生」です。
- I tried to give her the kiss of life.
(彼女に人工呼吸をしようとした) - Why didn't you at least try to resuscitate her, give her the kiss of life?
(なぜ少なくとも彼女を蘇生させ、人工呼吸をしようとしなかったのか?) - He pulled the boy from the river and gave him mouth-to-mouth.
(彼は少年を川から引き上げマウス・トゥ・マウスをした)
kiss of death の意味
反対に、「死のキス」は the kiss of death。小説や映画に出てきそうな言葉ですが、口語で「何かを台無しにするような行為や出来事」を示します。
日本語で「命取り」という言い方があるけれど、まさにそれ。ちょっとユーモラスなシャレた表現です。
- Rain is the kiss of death for a barbecue.
(雨はバーベキューには命取りだ) - Divorce was once a political kiss of death.
(離婚はかつて政治的に命取りだった) - That TV commercial was the kiss of death to his career as a serious actor.
(そのTVコマーシャルは本格的な俳優としての彼のキャリアには命取りだった)
<kiss of death の由来>
この表現は聖書から来ていて、ユダがイエスを裏切って、死刑執行人に向けてイエスを特定するキスをしたことが由来とされます。
“The Kiss of Judas”(ユダのキス)と呼ばれるもの。口にしたのか頬にしたのかは、微妙なところらしい…。
また、イタリアでは、マフィアのボスを裏切ったメンバーの死を示すためのサインだったそう。
死の運命をたどる裏切り者にキスを与えるという、マフィアの慣例です。ただ、それがどこまで事実かは不明確で、フィクションも混じっている様子。
kiss off の用法
![困りのエイ](https://s32.myssl.jp/enparlor/img/ei_komari.png)
![横目のソウ](https://s32.myssl.jp/enparlor/img/sou_yokome.png)
kiss は動詞で使うことも多いけれど、「キスする」以外の意味の場合がこれまた多いです。
たとえば、kiss off はスラングで、「(誰かや何かを)退ける、退く」「(喪失を)受け入れる」「死ぬ、殺す」といった意味があります。
もとはアメリカのスラングで、文字通り「親しい人をキスで送り出す」別れのキスでした。それが、緊迫した状況や対立を示す方向に変わっていったとか。
kiss の意味はどこかへ行ってしまい、off だけが強調されてる感じです。
- kiss off:
- 「退ける」「退く」
- 「喪失を受け入れる」
- 「死ぬ」「殺す」
「退ける」「退く」
<退けるの使い方>
kiss off は、軽蔑して、または無関心で「誰かや何かを退ける」。「切り捨てる」「捨て去る」ことで、はっきりした拒否を表します。
「別れのキス」を暗に示しますが、失礼な印象を与えたりもするので、安易に使わないほうが無難でしょう。
- You're not in a position to kiss off any job you're offered.
(あなたはオファーされた仕事を退ける立場にない) - He kissed off their objections with a wave of his hand.
(彼は手を振って彼らの反論をはねのけた) - I guess we can kiss off the deal.
(契約は白紙に戻せそうだ)
<退くの使い方>
「失(う)せる」「立ち去る」という強い含みのある言葉です。しばしば命令形で使われます。
「拒否して退ける」の意味は1900年頃からあり、「出て行け」「立ち去れ」の用法は1990年初期に出てきたようです。
- I'm tired of your constant complaining! Kiss off, will you?
(あなたの絶え間ない愚痴にはうんざりだ! 失せてくれない?) - She was known to tell carolers to kiss off.
(彼女は祝歌を歌う人に失せろと言うことで知られていた) - She told the reporters to kiss off.
(彼女は記者たちに失せろと言った)
<名詞の kiss-off>
アメリカ英語で、kiss-off は仕事先やパートナーから突然「もう必要ない」と切り捨てられることを示します。「お払い箱」「解雇」といった名詞。
かなり失礼で、された側にすれば衝撃です。
- He got the kiss-off from his job.
(彼は仕事をクビになった) - He knows that I want to give him the kiss-off.
(彼は私が別れたいのを知っている) - She gave her husband the kiss-off.
(彼女は夫を捨てた)
「喪失を受け入れる」
1940年後半には、失敗や喪失を「諦めて受け入れざるを得ない」の意味でも使われました。
いわば、「未練を残しながら別れのキスをする」といったところ。
「諦めるよう強いられる」状況を示すので、can を伴えば、「諦めるよう強いられる可能性がある」 「諦めざるを得ない(かもしれない)」。
- Leaving Tulsa meant kissing off a promising job.
(タルサを離れるということは、将来有望な仕事を諦めることを意味した) - If you keep coming to practice late, you can kiss off your starting position.
(きみは練習に遅刻し続けるなら、スターティングポジションを諦めざるを得ない) - After being late so much, he can kiss off that promotion.
(こんなに遅刻しまくった後は、彼は昇進を諦めざるを得ない)
「死ぬ」「殺す」
![ノーマルのソウ](https://s32.myssl.jp/enparlor/img/sou_normal.png)
![困りのエイ](https://s32.myssl.jp/enparlor/img/ei_komari.png)
死についてのスラングで、「死ぬ」と「~を殺す」、両方の意味で使われます。
- The cat is going to have to kiss off one of these days soon.
(猫は近いうちに死を迎えなければならないだろう) - If they invent a hoverboard before I kiss off, I'm definitely going to try it.
(もし死ぬ前にホバーボードが発明されたら、絶対に試してみるつもりだ) - Max kissed Lefty off with a small gun.
(マックスは小型銃でレフティを亡き者にした) - Is he gonna stay quiet, or do we need to kiss him off?
(彼は黙ったままでいるか、それとも彼の口を塞ぐ必要があるか?)
kiss up to(へつらう)
kiss を使ったイディオムは、まだまだあります。
kiss up to はアメリカのスラングで「~にへつらう、ごまをする」。取り入るために、誰かをほめたり同意したりすることです。
イギリス英語だと、 suck up to。suck(吸う)を使ってる時点で、お察しというか何というか。
もともと kiss up は、目上の人にお辞儀したり好意を伝える表現でした。それが、見返りを期待するようなネガティブな意味に変わったようです。
- If you say that, it’ll look like you’re kissing up to me.
(そんなこと言ったら、私にごまをすっているように見えるよ) - He's always kissing up to the teacher.
(彼はいつも先生にごまをすっている) - The boss doesn't like it when people kiss up to her like that.
(上司は人々がそのように自分に媚びへつらうのを好まない)
kiss and tell(暴露する)
kiss and tell の直訳は「キスして告げる」。
「信頼を裏切って個人的な秘密を漏らす」こと。特に「(お金を得る目的で)有名人との恋愛関係について暴露する」の意味でよく使われます。
kiss-and-tell は、 kiss-and-tell stories(暴露話)のように形容詞になったり、kiss-and-tell(暴露記事)という名詞になったりもします。
- Despite all the money the tabloids were offering for her story, she was determined not to kiss and tell.
(タブロイド紙が提示していた大金にもかかわらず、彼女は秘密を漏らさないと決心した) - I am willing to discuss it with you, but only if you promise not to kiss and tell.
(話し合ってもいいが、あなたが秘密を漏らさないと約束する場合に限る) - In no circumstances will I kiss and tell.
(どんな状況でも、私は秘密を漏らさない)
上の2つめの例文で、only if(ただ~の場合にだけ)なら主語と動詞が倒置になるはずでは…、と思われたでしょうか?
本来 only if の構文は倒置が起こりますが、それは only if が冒頭に来た場合です。
一方、3つめの例文は、will I~ と倒置になってますね。文法のお約束で、否定を表す副詞(句)が文頭に来ると、主語と動詞が倒置されます。
kiss~better(怪我を癒やす)
![怒りのエイ](https://s32.myssl.jp/enparlor/img/ei_ikari.png)
![目閉じのソウ](https://s32.myssl.jp/enparlor/img/sou_metoji.png)
kiss~better は子供に対してのおまじないです。日本で「痛いの痛いの、飛んでけ」と言うのと一緒で、英語は「キスして治す」。
キスすることで、怪我の痛みを和らげるという行為です。
- Come here and let me kiss it better.
(こっちにおいで。キスで治してあげる) - Mummy, can you kiss my boo-boo all better?
(ママ、私の傷をキスして治してくれる?) - You'll be fine once Daddy's kissed it better for you.
(パパがキスしてあげたら、あなたは大丈夫よ)
boo-boo は「軽い擦り傷」「ちょっとした怪我」。
まとめ
kiss のイディオムは、数は多いものの、ほとんどがスラングなので、使いどころに困りそう…。
楽しめる英語学習誌
英語学習は、楽しんでこそ。無理に高い目標を定めるのではなく、まずは楽しめるものを探してください。
多聴多読マガジン
ちょっと変わった視点からの面白い英語学習誌です。テーマ選びが独特で、学習要素もりもり。特にオタク気質の方は確実に刺さります(私のように笑)。
「話す」というアウトプットに積極的に取り組んでいる英語学習誌は少ないと思います。英語講座を利用せずに、学習誌で学びたい方に特にお勧めです。
CNN ENGLISH EXPRESS
CNNはアメリカのニュース専門チャンネルで、昔からの有名どころ。
英語ニュースのテキスト化と完全な対訳と注釈付きという、結構珍しい雑誌です。
英語自体は単語など固いものもあるけれど、注釈や解説が充実しているので、初級者の方も置いてきぼりにされることはありません。
TOEICや英検のために活用する人も多数で、試験対策にも。
(引用・参照元: Oxford Learner's Dictionaries, LDOCE, Cambridge Dictionary, Wikipedia, Bibletalk.tv, Collins dictionaries, The Free Dictionary, Grammarist)