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「後」 と 「先」 は同じ?
「先」は物理的、あるいは時間的な「前方」を示します。「2メートル先」「2日先」など。
対して「前」というと、位置などの場合は「前方」を指しますが、時間に関して、たとえば「2年前」なら、過ぎ去った過去のことです。
「後」も同じで、物理的な「後方」の他、未来という「先」のことを言うのにも使われます。「それから2年先」と「それから2年後」は同じ意味ですね。
時間的を言う時は、「前」は過去、「後」は未来。この点を押さえておかないと、こんがらがってしまいます。
「それから~年後」 は?
ドラマなどで、場面が変わって「それから〇ヶ月後」「それから〇年後」というテロップが出てくるのを見たことありませんか?
時間の経過を表す場面転換の際、よくこんなふうに画面に表示されます。
「後」を示す英語として、ago、after、in、later あたりが候補に上がると思います。それぞれ検証してみましょう。
ago の用法
まず、ago は前置詞でなく副詞。「時間の長さ+ago」の形で、「~前に」と過去のことを言います。他の3つとは違って、ベクトルが逆向きです。
未来のことは表せないので、候補から外れます。
- ago:副詞
- 「現在より前(過去)に」
- Her husband died 2 years ago.
(彼女の夫は2年前亡くなった) - The letter came a few days ago.
(手紙は数日前に届いた) - He stopped working some time ago.
(彼はしばらく前に仕事をやめた) - It's not that long ago that they met.
(彼らが出会ったのはそれほど昔のことではない)
after の用法
after は、接続詞・副詞・前置詞・形容詞の用法があり。意味がいろいろあり過ぎるため、時間的なものに絞ります。
形容詞については、in after years(後年に)のように、after は「後の」です。古めの使い方で、今回の主旨とは異なるので、ここでは割愛します。
そして after のお約束として、副詞や前置詞の場合、直前の文や文中で、必ず「何の後に」なのか示されている必要があります。
after を使う時は、「何の後に」なのか示す必要がある
接続詞の場合
接続詞では、after の後に 主語+動詞 が続いて「~後に」。「~が…して〇年後」のように、文節が来る場合です。
「〇 days/years など+after 主語+動詞」の形で「〇日後」「〇年後」が表せます。接続詞の after は、「何かの後に続けて」「その直後に」といったニュアンスです。
- after:接続詞
- 「~が…した後に(続けて)」
- Several years after they'd split up they met again by chance in Paris.
(別れてから数年後、彼らはパリで偶然再会した) - The house was empty for three months after they moved out.
(彼らが引っ越した後、その家は3か月間空き家だった)
副詞の場合
副詞の after も、「何の後」か示さないといけません。明記されていなければ、ever after(その後ずっと)のように「その後」という表現でごまかし(?)ます。
副詞句の一部としての使い方が普通で、単独ではあまり使われません。「その後」の意味では、afterward(s) のほうが一般的。
- after:副詞
- 「その後」 副詞句の一部として
- And they all lived happily ever after.
(そしてその後ずっと幸せに暮らしました) - Hilary got here at midday and Nick arrived soon after.
(ヒラリーは正午に着いてニックはその後すぐに到着した) - Mary left the company and found another job shortly after.
(メアリーは会社を辞めてすぐに別の仕事を見つけた) - They met in 1962 and got married not long after.
(二人は1962年に出会ってすぐに結婚した) - I could come next week, or the week after.
(来週か再来週に来られる) その週が経過した後に
単独の after も、afterward(s) と同じように使えるには使えます。ただし、まれ。
- You have a good cry and you'll feel better after.
(思いきり泣けば、その後は気分が楽になる) - We had a swim and afterward we lay on the beach for a while.
(泳いで、その後しばらくビーチで寝転んでいた)
前置詞の場合
前置詞では、after の後ろに 特定の時刻や物事 が来て「~の後に」「~以降」。「after+時間の長さ」なら、「特定の時間が経過した以降に」です。
「何の後」か示されていることが重要ポイントなので、たとえば after one hour は「1時間という時間が経過した後」。
直後でなくともOKなため、「~以降」のような幅を持たせた意味合いになります。
- after:前置詞
- 「~の後に」「~以降に」
- We'll leave after lunch.
(昼食の後に出発する) - They arrived shortly after 5.
(彼らは5時少し過ぎに着いた) - After ten minutes remove the cake from the oven.
(10分後、ケーキをオーブンから取り出します) - You’ll get used to it after a while.
(しばらくすると慣れる) - After an hour I went home.
(1時間後、家に帰った)
in の用法
in は副詞と形容詞があるものの、時間を表す場合は前置詞。意味は3つです。
- in:前置詞
- 「~の時期に」「~の時間幅の間に」
- 「~の時間内に」
- 「~が終わった後に」
「~の時期に」
「ある時期に」「~の間に」。特定の時間幅の間に何かをしたり、何かが起こったりする場合の用法です。これが一番分かりやすい。
- We're going to Italy in April.
(4月にイタリアに行く) - I'm getting forgetful in my old age.
(年をとって物忘れがひどくなってきた) - I haven't seen him in years.
(もう何年も彼に会っていない)
「~の時間内に」
「ある時間をかけて」「~のうちに」。何かをする際に、特定の時間はかかるかもしれないが、それ以上の時間はかけないことを示します。「その時間幅以内に」の意味。
- He explained the whole system in about 30 seconds.
(彼は約30秒でシステム全体を説明した) - Can you finish the job in two weeks?
(2週間で仕事を終えられるか?) - It was amazing how much we managed to do in a day.
(一日でこんなに多くのことを成し遂げたのは驚きだった)
「~が終わった後に」
「特定の時間幅が終わった後に」の意味で、「~経った後に」「~後に」。「in+時間の長さ」で表します。
in~'s time でも同じ。単数なら in an hour's time(1時間後)、複数の場合は in 2 hours' time(2時間後)と、アポストロフィの位置が s' です。
- Dinner will be ready in ten minutes.
(夕食は10分後に準備できる) - The results will be announced in two weeks.
(結果は2週間後に発表される) - We'll all be dead in a hundred years so there's no point worrying about it.
(100年後にはみんな死んでいるので心配しても仕方ない) - It will be ready in a week's time.
(1週間後には準備できるだろう) - I'll be seeing Pat in a few days' time.
(数日後にパットに会うだろう)
上記の用法について、1と2は区別が微妙で、ややニュアンスが違うだけです。「~の後に」の意味もありません。
注意したいのは、3つめの用法の時。「~の後に」の after と、どう違うのでしょう?
after と in の違い
in は「未来」
「~後に」と言う時、after も in も「現在」を基準にして未来のことを表します。一般的な使い方として、in は未来のことを言う場合のみ。
- I'll be back in 2 hours.
(2時間後に戻ります) - I'll be back after 2 hours.
(2時間後に戻ります) - I went back in 2 hours.
といっても、それは in が「~後に」の意味の場合に限ってです。「~の時期に」や「~の時間内に」の時は、過去形にもなります。
after は「過去」と「未来」
また、「~後に」と未来のことを言う場合、after でもOKですが、in のほうが普通です。なぜなら、after は「それ以降」というニュアンスだから。
after 2 hours は「2時間より後」なので、「2時間経過した瞬間」とは限らず、2時間+10分後や、+20分後かもしれません。
すなわち、きっちり時間が特定されていません。
厳密に言うのであれば、不特定の「ある時」を言う時は、未来完了形を使います。もっとも、日常会話ではそこまで気を配らなくていいでしょう。
- I'll be back after 2 hours.
(2時間後に戻ります) - I will have been back after 2 hours.
(2時間後以降に戻ります)
after は「過去」を基準にすることもできるため、過去形の文でも使えます。
- After an hour I went home.
(1時間後、家に帰った)
later の用法
最後は later。この語は副詞と形容詞だけなので、副詞の用法を見てみます。
- later:副詞
- 「後で」「後に」
- 「後期に」
- 「~後に」「~遅れて」
「後で」「後に」
later を単独で使う場合です。口語で、later on もよく使いますね。
after は「その後」で、later は「後で」。似ているけれど、after は「何かの後に」、later は「ある程度の時間が経った後に」で「何の後」か示す必要はありません。
- I'll see you later.
(後で会おう) - She later became a doctor.
(後に彼女は医者になった) - Much later on, she realized what he had meant.
(ずっと後になって彼女は彼が言おうとしていたことを理解した) - Why don’t you call back later on?
(後で電話を掛け直してみない?)
「後期に」
later は、in を伴って「in+特定の時期を示す語句」が続くことが多いです。「~の後半に」「~の遅い時間(時期)に」の意味。
ただし、that day / morning / week などは、later の後に in が付きません。
- We're going to Rome later in the year.
(今年後半にローマに行く予定だ) - We could always go later in the season.
(いつもシーズン後半に行くことができる) - Edusha came to wake me later that morning.
(エドゥシャはその朝遅くに私を起こしに来た) - They had talked about money later that day.
(彼らはその日遅くお金について話し合った)
「~後に」「~遅れて」
時間を表す語と合わせて使うと、「時間の長さ+later」で、特定の時点から「ある時間遅れて」を意味します。
訳としては、in や after と同じく「~後に」になるものの、ニュアンスが違います。
- He became Senator two years later.
(彼は2年後上院議員になった) - I met her again three years later.
(3年後彼女と再会した) - They reached the edge of the city half an hour later.
(彼らは30分後に街の端に到着した) - A few days later I received another call.
(数日後また電話がかかってきた)
after、in、later の違い
after と in は、それぞれ「いつを基準にするか」が異なりました。
after は、「現在」または「過去のある時点」から見て「~後に」。
では later はというと、「時間の長さ+later」の形で、「ある時点」から「その時間分遅れて」「その時間分遅くなって」です。
過去形では、after も later もそれほど意味の違いは感じません。どちらも「ある時点」という不特定の過去を基準にしているからでしょう。
- I went back after 2 hours.
(2時間後に戻った) - I went back 2 hours later.
(2時間遅れて戻った)
ただ「現在」 「それが話されている時点」から2時間後なら、in や after を使います。later だと「ある時点」から2時間後になっちゃいます。
「ある時点」が現在とは限りません。later が基準とする時点は「指定されていた時点」や「言及されていた時点」です。
- I'll go back in 2 hours.
(2時間後に戻る) - I'll go back after 2 hours.
(2時間後以降に戻る) - I'll go back 2 hours later.
(2時間遅れて戻る)
上の例文で、たとえば現在午前10時で、指定していた時間が20時だとすると、later の場合、20時から2時間遅れるので、戻るのは22時。
一方、in や after なら、12時、あるいは12時以降に戻ることになります。
ドラマのテロップの場合
ドラマの字幕などの「それから~年後」という場合も同様です。
「現在」を起点として未来のことを言うなら、in でもよいでしょう。けれど、ドラマでは「今まで映っていた場面から~年後」という見せ方です。
「今まで言及されていた場面」から「~年後」なので、later が一番しっくりきます。
まとめ
突き詰めて考えていくと、頭がこんがらがりそうですね。少しでも分かりやすく解説できていたら嬉しいです。
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英会話タイムトライアル
英作文とスピーキングに特化してます。
制限時間内に英文を作り、それを口に出す練習というのは、昔のNHKの英語講座にはなかったタイプ。
「口がなかなか回らない」と悩んでる方はぜひ。
(引用・参照元: Oxford Learner's Dictionaries, The Free Dictionary, Cambridge Dictionary, LDOCE, Primavera English, English Language Learners Stack Exchange)