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はじめに
any と some について、ここでは anybody と somebody を見ていきます。前回と前々回の記事も一緒にどうぞ。
anybody や somebody は、それぞれ anyone、someone でも一緒です。違いは、anyone や someone のほうがややフォーマルなくらい。
毎回「anybody(または anyone)」のように書くとくどいので、「anyboby anyone」「somebody someone」と考えていただければ。
まずは、anybody の用法を簡単に挙げてみます。
anybody の用法
anybody は、否定文や疑問文では、somebody の代わりに使われ、肯定文では「どんな人でも」「誰であっても」の意味ですね。
- anybody:
- <否定文・疑問文> somebody の代わりに使う
否定「誰も~ない」、疑問「誰か」 - <肯定文>
「どんな人でも」「誰であっても」
- <否定文・疑問文> somebody の代わりに使う
単数か複数か
以下の例文を見てみると、動詞が単数形なので、anybody(または、anyone)は単数扱いだと分かります。単数形が基本。
- Has anyone got a dictionary?
(誰か辞書を持っている?) - I don't know anybody who speaks Portuguese.
(ポルトガル語を話す人を誰も知らない) - Anybody can use the pool.
(誰でもプールを使える)
ところが、anybody を代名詞で言い換える時には、しばしば they が使われます。こうなると、they の動詞は複数形。
he か she か分からないため、he or she と言えばいいんですが、長くなってしまうためイマイチなのでしょう。
- If anyone would like further information about the dogs, they should call XXXX.
(犬たちについてさらに詳しい情報を知りたい方は、XXXXまでお電話ください) - If anyone would like further information about the dogs, he or she should call XXXX.
(犬たちについてさらに詳しい情報を知りたい方は、XXXXまでお電話ください)
これは、somebody(または、someone)にも当てはまります。somebody も基本は単数扱いとはいえ、they で言い換えたりします。
somebody に関しては、後ほど詳しく。
- Never judge someone by the way they look.
(外見で人を判断しないで) - Never judge someone by the way he or she looks.
(外見で人を判断しないでください)
anybody の否定文
anybody と nobody
anybody の否定文は、否定語を伴って「誰も~ない」。not anybody は nobody(または no one)とほぼ同じです。
ただニュアンスとしては、not any より no のほうが強い否定を表します。
- I didn’t know anybody at the party.
(そのパーティーで誰も知らなかった) - I knew nobody at the party.
(そのパーティーで誰も知らなかった)
- She didn’t tell anyone, not even her mother.
(彼女は誰にも、母親にも話さなかった) - She told no one, not even her mother.
(彼女は誰にも、母親にも話さなかった)
not anybody は主語にならない
not anybody と nobody はだいたい置き換え可能ではあるものの、not anybody を主語にすることはできません。
anybody を主語にして not を付けることができないので、否定文にしたければ、代わりに nobody を使うことになります。
- Not anybody agreed with me.
- Anybody didn't agree with me.
- Nobody agreed with me.
(誰も私に同意しなかった)
「any+名詞」の場合も一緒です。
- Any man didn't agree with me.
とはいえ、関係詞の先行詞になっている時はOKです。anybody が関係詞節に修飾されているだけで、主節の主語でないならば、問題なし。
- Do you know anyone who doesn't want a ticket?
(チケットを欲しくない人を誰か知ってる?) - I don't know anybody who can't speak Japanese.
(日本語を話せない人を誰も知らない)
nobody の用法
nobody も anybody や somebody 同様、基本は単数扱いです。もっとも、やはりというか、they で言い換えることもよくあり。
- No one remembers the titles of the books they’ve read.
(読んだ本のタイトルを覚えている人はいない)
ちょっと不思議な感じがするけれど、疑問文でも nobody を使うことができます。
not anybody より否定の度合いが強いので、「誰か~?」より「誰も~?」といったニュアンス。
- Is there nobody here who can answer my question?
(私の質問に答えられる人はここには誰もいないのか?) - Has no one phoned about the car?
(車のことで電話してきた人は誰もいないの?)
nobody は疑問文になることもある(not anybody より強い否定)
注意点として、no や not、あるいは never(決して~ない)や hardly(ほとんど~ない)などの否定語と一緒には使われません。
もとから nobody は否定の意味が込みだし、そりゃそうだ、という感じかもですね。anybody ならOK。
- She talks to hardly no one.
- She talks to hardly anyone.
(彼女はほとんど誰とも話さない)
- nobody:「誰も~ない」
- 基本は単数扱い
- 平叙文・疑問文で使える
- ただし、否定を意味する単語の後には使わない
anybody の疑問文
疑問文の場合は「誰か~?」でいいでしょう。anybody を主語にして否定文にすることはできないけれど、疑問文なら主語でもOKです。
- Does anybody have change for a $10 bill?
(誰か10ドル札の小銭を持っていますか?) - Is anyone home?
(誰か家にいますか?) - Was there anyone behind you?
(後ろに誰かいましたか?)
anybody の否定疑問文
さて、では anybody を主語にした否定疑問文はあるのでしょうか?
…どうやら、これは「あり」なようです。
Doesn't anybody know?
「誰も知らないのか?」
上記は、チャーリー・シーン主演の1986年の映画『処刑ライダー』のテーマ曲になっている Where's The Fire のサビの部分の歌詞です(1:02辺り)。
"Does anybody know?" や "Does nobody know?" とは少しニュアンスが違いますね。
- Doesn't anybody know?
(誰も知らないのか?) - Does anybody know?
(誰か知らないか) - Does nobody know?
(誰も知っている者はいないのか?)
映画について、ちょっとだけ。
ニコニコ動画では「おっさんホイホイ」のタグが付けられていて、地味にショックなんですが、映画の原題は The Wraith。wraith [réiθ] は「生霊」。
特にホラーというわけでなく、霊的な存在を絡めたカーアクション青春映画です。
若い頃のチャーリー・シーンが最高にカワイイ。カワイイというのは失礼だけど、カワイイとしか言いようがない。
anybody の肯定文
anybody の肯定文は「どんな人でも」「誰であっても」。すなわち「誰でもいい誰か」。誰であろうと皆、分け隔てなくウェルカムです。
- Anybody is welcome to join. There aren’t any rules.
(誰でも参加いただけます。ルールはありません) - They offer help and advice to anyone interested in becoming a teacher.
(彼らは教師になることに興味のある人全員に援助とアドバイスを提供する)
somebody の用法
somebody も日本語にすると「誰か」になります。こちらも単数扱い。
anybody と区別しづらいですが、somebody は「名前を知らない誰か」あるいは「知っていても名前を言わない誰か」です。
名前を知らない「不特定の人」か、名前を知っているけれどあえて名前を伏せる「特定の人」か、どちらの場合もあります。
- somebody:
- <肯定文>
「名前を知らない誰か」「(知っていても)名前を言わない誰か」 - 否定語と一緒に使ったり、疑問文で使う場合もあり
- <肯定文>
- I know someone who gives piano lessons.
(ピアノのレッスンをしている人を知っている) - There's somebody waiting to see you.
(あなたに会うのを待っている人がいる) - Somebody has obviously made a mistake.
(明らかに誰かが間違いを犯した) - Somebody's got to say something to her.
(誰かが彼女に何か言わないといけない) - We can't assume that because someone can do the job, they can teach the skill.
(仕事ができるからといって、スキルを教えることができるとは限らない)
somebody の疑問文
否定文と疑問文では anybody になるので、somebody はたいてい肯定文…なのですが、否定語と一緒に使ったり、疑問文で使われたりもします。
肯定の返事を期待する時は、somebody は疑問文でも使えます。「誰かがいる」ことを前提としている場合ですね。「some+名詞」の時と一緒です。
- Did you have somebody in your room last night?
(昨夜あなたの部屋に誰かいた?) - Will someone please explain what's going on?
(誰か何が起こっているのか説明してくれませんか?) - Could someone please turn on the lights?
(誰か電気をつけてもらえますか?) - Should we call a doctor or someone?
(医者か誰かを呼ぶべきか?)
否定語を伴う somebody
通常、somebody に not は付きません。never などの否定語を伴うのは文法的に可能なものの、あまり一般的ではありません。
上のほうで挙げた例文を、もう一度見てみましょう。Cambridge に載っている例文なので、間違いではないはずです。
- Never judge someone by the way they look.
(決して見た目で人を判断しないで)
まとめ
お手軽に読める洋書
おすすめは『チャーリーとチョコレート工場 』のロアルド・ダールさんの児童書です。ダールさんのブラックユーモアは独特で、よくよく考えると結構怖かったり。
いじわるなおばあちゃんに仕返ししようとするジョージ少年。いや、でもいいのか、それで。
この物語も、読み終えた後、面白さの中になんとなく苦みが残る感じです。読みやすいので、ぜひ英語版にトライしてみてください。
(引用・参照元: Oxford Learner's Dictionaries, The Free Dictionary, Cambridge Dictionary, LDOCE)