「flash forward」 はどんな意味? 「flash back」 と比較して違いを検証

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flash forwardはどんな意味?

 

flash back の用法

ノーマルのエイ
フラッシュバックって、よく聞くよね
目閉じのソウ
心理症状として知られてる

「フラッシュバック」は、精神医学的には「過去の心的外傷体験を繰り返し強烈に鮮明に思い浮かべる症状」で、トラウマ後のストレス障害(PTSD)の一種。

PTSD とは Post-Traumatic Stress Disorder の略です。これはあまりよろしくない状態ですが、flashback は他の意味でも使われます。

 

名詞の flashback

名詞では、flashback と1語の表記です。

  • flashback:
    1. 映画などで、過去の出来事を描写する場面、またはその手法
    2. 過去の出来事についての、突然の非常に鮮明で強い記憶

 

flashback は、可算名詞の時も不可算名詞の時もあるため、a が付いたり複数形だったり無冠詞だったりします。

1の意味の場合、場面や事例を指すなら可算名詞、手法そのものを指すなら不可算名詞です。

  • The events that led up to the murder were shown in a series of flashbacks.
    (殺人に至る経緯は一連のフラッシュバックで示された)
  • The novel began with a flashback to the hero's experiences in the war.
    (この小説は主人公の戦争体験のフラッシュバックから始まった)
  • The reader is told the story in flashback.
    (読者はフラッシュバックで物語が語られる)

上の例文では、フィクションでの「フラッシュバック」だと分かるものの、曖昧な場合もあります。

  • Suddenly, Fred had a wonderful flashback to his childhood.
    (突然フレッドは素晴らしい子供時代が思い出された)
  • This party is like a ’70s flashback.
    (このパーティーは70年代を彷彿とさせた)

これらは、「実際に経験した過去の記憶」の flashback です。といっても、必ずしも悪い記憶とは限りません

もちろん、トラウマ的な使い方をすることも多々あり、flashbacks と複数形になることが多いです。

  • I kept having flashbacks of her lying there bleeding.
    (彼女が血を流して横たわっている姿がフラッシュバックし続けた)
  • He's having flashbacks of his days in the war.
    (彼は戦争中の日々がフラッシュバックしている)
  • Eaton still has flashbacks of the crash.
    (イートン氏は今でも事故の記憶がフラッシュバックする)

「過去の一場面に戻る」場合は flashback to、「過去の一場面がよみがえる症例」の場合は flashbacks of が適切です。

 

動詞の flash back

ノーマルのソウ
動詞では、flash back と2語になる
困りのエイ
意味なんて「フラッシュバックする」だけだろ
横目のソウ
身も蓋もないな

flash back は、たいてい flash back to~ の形です。動詞でも、「映画などが過去の場面を描写する」と「過去の出来事を鮮明に思い出す(思い出される)」の意味があります。

ひとことで言ってしまえば、どれも「フラッシュバックする」。

  • flash back:
    1. (登場人物や映画などが)過去の場面を描写する
    2. (人や心が)過去の出来事を鮮明に思い出す
    3. (物事が)鮮明に思い出される

 

<過去の場面を描写する>

手法を示すため、主語は「登場人物」だったり、「映画」や「小説」といった媒体になります。

to の後に、登場人物である「人」が続く時もありますが、あくまで「その登場人物の過去の場面」の意味です。

  • The story flashed back to Tom's childhood.
    (話はトムの子供時代に遡った)
  • The story suddenly flashed back to Tom when he was a child.
    (物語は突然トムが子供だった頃に戻った)
  • In this chapter, the main character flashes back to her youth.
    (この章では、主人公が若い頃に遡る)

 

<過去を思い出す>

思い出す過去の記憶は、良いこともあれば悪いこともあり。特に、精神症例を示すわけではありません。主語はたいてい「人」、または「人の心」。

  • Whenever he hears sirens, he flashes back to his service in Vietnam.
    (サイレンを聞くといつも、彼はベトナムでの兵役を思い出す)
  • She flashed back to her discussion with Ted Wilkinson, reliving every moment in her mind.
    (彼女はテッド・ウィルキンソンとの会話を思い出し、頭の中であらゆる瞬間を追体験した)
  • Her thoughts flashed back to their wedding day.
    (彼女は結婚式の日を思い出した)
  • His mind flashed back to the day of their divorce.
    (彼の脳裏には離婚の日がフラッシュバックした)

flashbackイメージ

<過去が思い出される>

また、「思い出される過去の出来事」自体が主語になったりもします。「思い出される」対象を主語にした言い方です。

  • Suddenly something she had heard her daddy read out from a newspaper flashed back to her.
    (突然彼女はお父さんが新聞で読み上げていたことがフラッシュバックした)

 

「過去の出来事がフラッシュバックする」は、どちらの言い方もできます。

ポイント
  • 人+flash back to+過去の出来事:
    「人」が「過去の出来事」を思い出す
  • 過去の出来事+flash back to+人:
    「過去の出来事」が「人」に思い出させる

 

flash forward の用法

怒りのエイ
「バック」が「過去」で「フォワード」が「未来」なら、「未来を思い出す」はヘンだよ
目閉じのソウ
まあ、使い方は限られる

flash「パッと光る」「素早く示す」「素早く動く」など、突然の素早い動きを示します。

forwardback と方向が逆なので、未来の出来事についてだろうと想像がつきます。でも、未来に起こることを「思い出す」ことはできません。

また、SFによく出てくる precognition(予知能力)のような「未来予知」でもなく、predict the future(未来を予測する)とも違います。

では、何かというと、flash-forward は、映画などで「未来の場面を挿入する」手法です。フィクションの中で「未来を描いて示す」こと。

flashback は「過去の場面を挿入する」手法なので、その点で逆向きです。

有名なところだと、チャールズ・ディケンズの小説『クリスマス・キャロル』はフラッシュフォワードを使ってます。

 

名詞の flash-forward

flash-forward も、flashback 同様、a が付いたり、複数形になったり、無冠詞だったりします。

  • flash-forward:
    1. 映画などで、未来の出来事を描写する場面、またはその手法

 

  • The director uses flash-forward to show us that the hero's future life will be tragic.
    (監督はフラッシュフォワードを使って、主人公の今後の人生が悲劇的なものになることを示している)
  • The deaths of several characters are forecast by the flash-forward.
    (フラッシュフォワードによって何人かの登場人物の死が予測される)
  • The show makes use of flash-forwards to connect the present and the future.
    (番組ではフラッシュフォワードを利用して現在と未来をつなげている)
  • When I hiked up to Fort Tryon, the weather was cold and overcast ― a strange flash-forward to fall.
    (フォート・トライオンまでハイキングした時、天気は寒く曇っていて、秋への奇妙なフラッシュフォワードだった)

 

動詞の flash forward

基本的には「未来の場面を描く」なので、「映画」や「ストーリー」などが主語になるけれど、「人」を主語にしてもOKなようです。

その場合は、比ゆ的な使い方で、predict the future(未来を予測する)に近いニュアンスでしょう。

  • flash forward:
    1. (映画などが)未来の場面を描写する
    2. (人が)未来の場面を予測する

 

  • The movie then flashes forward to their daughter’s fifth birthday.
    (その後、映画は娘の5歳の誕生日へとフラッシュフォワードする)
  • The first scene of the movie shows a boy playing with a ball, and then the next scene flashes forward to the character's adulthood.
    (映画の最初のシーンでは、少年がボールで遊んでいる。そして次のシーンでは、大人になってからが映し出される)
  • I could wish I could flash forward in my own life and know how all of this is going to work out before making a decision.
    (自分の人生をフラッシュフォワードして、決断する前にこのすべてがどうなっていくのか知ることができたらいいのに)

 

まとめ

困りのエイ
「フラッシュフォワード」ってちょっと超能力っぽい感じがする
横目のソウ
本来の用法と違うが…。言葉は生き物だから、変わっていくんじゃないか

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(引用・参照元: Oxford Learner's Dictionaries, The Free Dictionary, Wikipedia, LDOCE, Cambridge Dictionary, Collins Dictionaries, Merriam-Webster)