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きつねは何と鳴く?
動物の鳴き声は、いわゆる擬声語です。同じ音でも、どう捉えてどう表記するか、言語によって微妙に違うので面白いですね。
大ヒットした Ylvis (イルヴィス)の『The Fox』という曲をご存じでしょうか?
曲調がとてもかっこいいです。といっても、歌詞は…。著作権の問題もあるので、最初の一部のみ書き出しておきます。
- Dog goes ‘woof’.
(犬は「ワン」と鳴く) - Cat goes ‘meow’.
(猫は「ニャー」と鳴く) - Bird goes ‘tweet’.
(鳥は「チッ」とさえずる) - Mouse goes ‘squeak’.
(ネズミは「チュー」と鳴く) - Cow goes ‘moo’.
(牛は「モー」と鳴く) - Frog goes ‘croak’.
(カエルは「ケロ」と鳴く) - The elephant goes ‘toot’.
(ゾウは「パオー」と鳴く) - Ducks say ‘quack’.
(アヒルは「クワッ」と鳴く) - Fish go ‘blub’.
(魚は「ブクブク」言う) - The seal goes ‘ow ow ow’.
(アシカは「アウ、アウ、アウ」と鳴く)
いろいろな動物の鳴き声を挙げ、では “What does the fox say?”(キツネは何と鳴く?)と問いかけます。
きつねの鳴き声
キツネの鳴き声として、日本語では「コンコン」だけれど、英語では一般的に言われる鳴き声がありません。
キツネが鳴くことは知られていても、鳴き方は一概に言えないようです。
bark(犬や狐の吠え声)の時もあれば、yip [jíp] / yap [jǽp](子犬のキャンキャンという吠え声)や、growl [graul](ウーという唸り声)だったり。
1963年、ドイツの動物行動学者によって、きつねは28種類の異なる音を出すことが分かりました。
また、きつねも病気の時に咳をしたり、メスのきつねが子ぎつねに危険を知らせたりする時など、咳のような音を出すそう。
といっても、口を閉じて発する短く低いうなり声で、音量は小さめです。猫がゴロゴロ喉を鳴らしたり、喘息の時に喉が鳴る感じかも。
まさか、そこから「コンコン」になった…?
go の用法
go や say は、「(動物が)~と鳴く」の意味でも使われます。
go は動物の鳴き声限定ではなく、何かの音を出したり、小説などで人が会話する時、「言う」の意味で使用したりもします。
たとえば、「彼は『今日は暇だ』と言う。でも私は忙しい」のような使い方です。
時制について、本来なら「言った」と過去形にするところを、ストーリーの中ではしばしば現在形を用います。日本語の小説でもよくありますね。
- The gun went ‘bang’.
(銃が「バン」と鳴った) - I wish my computer would stop going ‘beep’ whenever I do something wrong.
(何か間違ったことをした時にコンピューターが「ビープ音」を鳴らすのをやめればいいのにと思う) - I asked ‘How much?’ and he goes, ‘Fifty’ and I go, ‘Fifty? You must be joking!’
(「いくら?」と尋ねると、彼は「50」と言う。私は「50? 冗談じゃない!」と言った) - I asked her what she meant and she just went, ‘Don’t ask!’
(彼女にどういう意味なのか尋ねると、彼女はただ「聞かないで!」と言った)
鳴き声の名詞と動詞
『The Fox』で歌われている鳴き声について見てみましょう。
woof(犬が吠える)
鳴き声の英語は、名詞だけでなく動詞として使える語が多いです。たとえば、bark は名詞で「吠え声」、動詞で「吠える」。
「犬や狐など動物の吠え声」や、銃声といった「大きく爆発的な荒々しい短い音」を示します。
一方、woof [wúf] も犬の鳴き声ですが、「ワンワン」のようなニュアンスです。
ちなみに、bow-wow は子供が使う言葉で、犬の鳴き声だけでなく、犬そのものも指します。犬を「わんわん」「わんちゃん」と呼ぶのと同じですね。
bow-wow には、動詞の用法はありません。
- woof:
- (名詞)犬の「ワンワン」という吠え声
- (動詞)犬が吠える
- The only sound was the distant woof of a dog.
(遠くで犬のワンワンという吠え声だけが聞こえた) - If these dogs are woofing at you, it's because they are afraid of you.
(この犬たちが吠えているのは、あなたを恐れているからだ)
meow(ニャーと鳴く)
meow [miáu]「ニャー」「ニャオ」も「猫がニャーと鳴く」という動詞になります。イギリス英語では、miaow [mi(ː)áu] というスペルもあり。
- meow:
- (名詞)猫の「ニャー」という鳴き声
- (動詞)猫がニャーと鳴く
- The cat let out a small meow.
(猫は小さく「ニャー」と鳴き声を上げた) - A cat meowed from somewhere in the house.
(家のどこからか猫が鳴いた)
tweet(小鳥がさえずる)
tweet は「チッ、チッ」という小鳥のさえずり。動詞は「(小鳥が)高く短い音でさえずる」。辞書には、某SNSの件も載ってます。
chirp [tʃə́ːrp] も「鳥などの甲高い鳴き声」、「鳥などが甲高く鳴く」です。
- tweet:
- (名詞)小鳥の「チッ、チッ」というさえずり
- (動詞)小鳥がさえずる
- We could hear the baby birds tweeting.
(雛鳥の鳴き声が聞こえた)
squeak(チューチュー鳴く)
日本語だとネズミは「チューチュー」ですが、squeak は「キーキー」のような軋み音。ドアなどが軋む音だったり、人や動物の「キーキー声」としても使われます。
- squeak:
- (名詞)軋むような「キーキー」という音
- (動詞)軋む、甲高い声を上げる
- The door opened with a squeak.
(ドアが「キィー」と開いた) - The mice in the cupboard squeaked.
(食器棚の中でネズミが鳴いた)
moo(牛がモーと鳴く)
牛の鳴き声は、日本語は「モー」、英語では moo [múː] 「ムー」。
- moo:
- (名詞)牛の「モー」という鳴き声
- (動詞)牛がモーと鳴く
- A dozen cows mooed sadly.
(十数頭の牛が悲しそうに鳴いた)
croak(カエルが鳴く)
croak [króuk] は、カエルの「ケロケロ」や、人や他の動物の「乾いた軋み声」「しわがれ声」です。
- croak:
- (名詞)カエルなどの低くガラガラした声
- (動詞)低いしわがれ声を出す
- The frog crawled out with a croak.
(カエルは「ケロケロ」鳴いて這い出てきた) - A frog croaked by the water.
(水辺でカエルが鳴いた)
toot(クラクションを鳴らす)
toot [túːt] は、特にゾウの鳴き声を示すわけでなく、「クラクションや警笛の音」のこと。動詞は「クラクションや警笛を鳴らす」。
車のクラクションのような短く高い音です。
- toot:
- (名詞)車のクラクションの音
- (動詞)クラクションを鳴らす
- The sharp toot of a car horn outside attracted her attention.
(外の鋭いクラクションが彼女の注意を引いた) - The train toots its whistle as it passes by.
(電車は通過する時、警笛を鳴らす)
quack(アヒルが鳴く)
quack [kwǽk] はアヒルの「ガーガー」「クワックワッ」という鳴き声で、日本語とほぼ一緒。
- quack:
- (名詞)アヒルの「クワッ」という鳴き声
- (動詞)アヒルが鳴く
- Suddenly he heard a quack.
(突然彼は「クワッ」という鳴き声を聞いた) - The ducks started quacking.
(アヒルたちが鳴き始めた)
blub(おいおい泣く)
blub [blʌb] は、辞書には「おいおい泣く」「すすり泣く」や「塗りたてのしっくいのふくらみ」とあります。
イギリス英語で、blub は blubber のスラングです。blubber も動詞は「おいおい泣く」ですが、名詞だと「クジラやその他の海生動物の脂肪」。
"Fish go blub." は、魚が「ブクブク」あぶくを出して泳ぐ様子を言うけれど、それが泣いているように見えるからなのか、今ひとつ分かりませんでした。
- blubber:
- (名詞)クジラや海生動物の脂肪
- (動詞)おいおい泣く
- The purpose of whaling was largely to collect blubber.
(捕鯨の目的は主に鯨の脂身を集めることだった) - There he sat, blubbering like a baby.
(彼はそこに座って赤ん坊のように泣いた)
ow(痛っ)
ow [áu] は、ouch [áutʃ] と同じく「痛っ」という間投詞です。
アシカやアザラシの鳴き声に似ているため、ow が使われてます。ただ、動詞の用法はありません。
- ow:
- (間投詞)痛っ
- Ow! That hurt!
(うわ! それは痛い!)
まとめ
取っつきづらい英語雑誌
英文のリーディングしてますか? 読むことは、速読即解の練習になります。
試験対策には英語のニュース紙が最適ですが、洋雑誌は取っつきづらいですね。読み方にはコツがあり。
ニューズウィーク英語版 Newsweek
廃刊から復活した老舗の英語誌。『TIME』と似ていて、『ニューズウィーク』のほうがオーソドックスな作りです。
ニューヨーク発で、現地の様々な記事がタイムリーに読めるのが売り。ただ、なにしろページ数が多く、全部目を通すのは到底無理。
興味が持てそうなトピックだけを、速読練習用に使うのがベストです。
TIME(タイム)
世界中で最も影響力のあるニュース誌の1つ。TIME誌の英語は、洗練された表現で現代英語のお手本とされます。
現代の英語表現を学ぶには『TIME』を読め、と講義でよく言われました。
こちらも、全部読もうとせず、雑誌感覚でパラパラ読むのがよいです。写真の使い方や記事のページ割が独特で面白い。
(引用・参照元: Oxford Learner's Dictionaries, Cambridge Dictionary, PEST SAMURAI, WikiDiff, Collins Dictionaries)