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Do you speak English?(英語を話せますか)
BBC(英国放送協会)の短いコメディです(1分27秒)。
BBCなのでイギリス英語。動画の聴き取りポイントと英語フレーズを挙げながら見てみます。
break down(壊れる)
最初の場面は、国外にやって来た女性の車が故障し、通り掛かった若い男性に自動車工場の場所を尋ねるところです。
- My car's broken down and I wondered if you could tell me where to find a garage.
(車がエンコしてしまって。修理工場を教えてもらえるでしょうか)
garage は「自動車修理工場」。女性はおそらく英国人なので、ga にアクセントを置いて発音しています。
一方、アメリカ英語では ra の音にアクセントがあります。
garage(英):
garage(米):
break down は、よく機械や車が「壊れる」時に使われます。ここでは My car has broken down.(車が故障した)と break は自動詞。
「壊す」という他動詞もあり、他動詞の例としては、
- Firefighters had to break the door down to reach the people trapped inside.
(消防士たちは、中に閉じ込められている人々のところに行くため、ドアを壊さなければならなかった) - We broke down the wall with big hammers.
(大きなハンマーで壁を壊した)
特に、目的語が短い時など、break と down の間に目的語を挟んでもOKです。
waste~on…(~を…で無駄にする)
女性の問いに、流暢な英語で「英語が分からない」と答える男性。
- You know that's wasted on me. I don't understand what you're saying.
(僕じゃ、ムダですね。何を言っているか分からないんです)
waste~on… は「~を…で無駄に使う」。that is wasted on me と受身形になっているので、普通の文にすれば、you waste that on me。
この that は「自動車修理工場がどこで見つかるか」という質問自体を指します。こんな風に、受動態で使われることが多いです。
waste は「~を無駄にする、浪費する」で、「~で浪費する」のような時は、前置詞の on で表しますね。
- I'm not going to waste any more time on the problem.
(その問題でこれ以上時間を無駄にするつもりはない) - Why waste money on clothes you don't need?
(なぜ必要ない服にお金を無駄に使うのか?)
何かの「物事」で無駄にするというのは分かるんですが、「人」で無駄にするというのは、どういうことでしょう?
ちょっと不思議な感じがするけれど、考え方は同じで「人に~を無駄に使う」 「人に~しても無駄だ」になります。
- Don't waste your sympathy on him.
(彼に同情しても無駄だ) - Expensive wine is wasted on me.
(高価なワインは私には無駄だ) - I'm not going to serve that good coffee to Chris and Melanie ― it would be wasted on them.
(クリスとメラニーにおいしいコーヒーを出すつもりはない。彼らには無駄になる)
one of those things(仕方ないこと)
It's one of those things, really I wish I'd paid more attention to it in school.
(仕方ないです。本当に、学校でもっと一生懸命やってればよかった)
男性は、英語が分からないことについて、もっとちゃんと勉強していればよかった、とうそぶいてます。
「wish 主語+had 過去分詞」は「~だったらよかった」という過去の願望を表す仮定法過去完了。
(just) one of those thing の直訳は「それらのうちの一つ」。「避けられない、仕方ないこと」「よくあること」というイディオムです。
「好ましくはなくとも、避けられないことなので、受け入れなければならない」という状況を示すのに使われます。
- Getting sick is just one of those things, Mom. Don't worry about it!
(病気になるのはよくあることだよ、お母さん。心配しないで!) - The road was blocked, so we missed the meeting - it was just one of those things.
(道路が封鎖されていて、ミーティングに間に合わなかった。仕方がない) - It wasn't your fault. It was just one of those things.
(あなたのせいじゃない。仕方ないことだった)
tell you what(あのね)
そうこうするうちに、今度は別の男性が通り掛かります。けれど、その男性も英語は話せないとのこと。諦めて立ち去りかけた女性に、最初の金髪男性が言います。
Tell you what, if you go down that way about half a mile, there is a village, there might be somebody that speaks English.
(そうだ、向こうに半マイルほど行くと村があるから、そこに英語を話せる人がいるかもしれない)
tell you what は、「あのね」「こうしよう」と、提案や意見を切り出す時の決まり文句です。I ('ll) tell you what が省略された形。
- Tell you what, this burger might be the best I've ever had.
(あのさ、このハンバーガーは今まで食べた中で一番かもしれない) - I'll tell you what, that was some concert.
(言っておくと、あれはちょっとしたコンサートだった) - I'll tell you what — we'll split the money between us.
(こうしよう。お金は二人で山分けだ)
今度は女性が、「ドイツ語を話せますか」と問うと、“ Nein.” (いいえ)とドイツ語で答える金髪男性。
もう一方の黒髪の男性も、これまた流れるようなドイツ語で「一言二言話せるだけで、流暢には話せない」と主張。
「ドイツ語」は、英語で German、ドイツ語だと Deutsch。発音は「ドイチ」と聞こえます。
you never know(もしかしたら)
続けて、黒髪の男性の台詞。
Sorry about that. hey you never know, next time you come over, maybe we'll have learned a bit of English for you.
(ごめんね。もしかしたら、きみが今度来る時には、たぶん少しは英語を学んでるよ)
will have+過去分詞 は、未来完了形。未来のある時点のことを想定して、その時点では「完了しているだろう」という表現です。
you never know は「決して分からない」ですが、「分からないけれど、もしかしたら物事がうまくいく希望がある」ことを示唆します。これもイディオム。
- You never know, she might change her mind.
(もしかしたら、彼女の気が変わるかもしれない) - You never know, I might get lucky.
(もしかしたら、幸運に恵まれるかもしれない)
…結局のところ、通りすがりの男性2人は英語が話せるようでした。
まとめ
BBCはイギリスの公共放送局で、CNNはアメリカのニュース専門チャンネル。どちらも有名どころです。
残念ながら、BBCはないけれど、CNNに関しては、英語ニュースを文字化したテキストと、完全な対訳と注釈付きの英語雑誌が出ています。
CNN ENGLISH EXPRESS
(引用・参照元: Oxford Learner's Dictionaries, The Free Dictionary, Cambridge Dictionary)